下読み経験者さん 2013年07月25日
ラノベ新人賞下読みへのQ&Aで纏めて頂いている者です。
2年程前にここでやりとりをさせて貰って楽しかったこともあり、また時間が出来たので疑問などがあれば答えたいと思います。
下読みは一般小説もラノベも経験しています。
はじめまして。
下読み段階では、
・文章力
・ストーリーや世界観
・キャラクター
のどれが一番重要視させるのでしょうか。
また、時期によって採用する要素が変わったりするのでしょうか。
それとも基本的におもしろければいいのでしょうか。
ラノベは新人賞の段階において文章力はそこまで見られません。この傾向は昔から殆ど変わっていませんし、今後も変わらないでしょう。必要な文章力の最低ボーダーはそこまで高くないと考えて貰って良いと思います。
設定は重視します。設定が面白そうで、「お!」と思うものがある作品は大抵良いところまで行きます。
キャラクターも同様、非常に重要です。
基本的に面白ければ新人賞をとれます。ただし今は何が流行っていて、どのような作品が求められているかは考える必要があります。
初めまして。杜若と申します。
応募した作品に、その年流行ったコンテンツと明らかに似通った部分があった場合、1次で落とされることってあるのでしょうか?
あと、MF文庫のように年数回に分かれている場合は、1回目に応募した方が目に留まり易いなどの利点はありますか?
それだけで落とすことはありませんが、その年に流行った作品に類似する設定の作品が大量に届くのが新人賞です。
流行と似た設定でも構いませんが、その他の部分にオリジナリティーが必要になります。
そういった意味では多少敷居が上がります。
> あと、MF文庫のように年数回に分かれている場合は、1回目に応募した方が目に留まり易いなどの利点はありますか?
回数で有利不利はありません。
MF文庫の場合は受賞する作品に傾向がありますので、そちらを研究することがまず重要です。
はじめまして、バカモンです。
僕は現在売れ筋と真逆の要素を2つ持っている作品を書いていて、また予備として組んでいる他のプロットも大なり小なりそれらの要素を含んだ物ばかりです。
具体的に言うとこの2つなんですが↓
詳しくはリンク先の質問を読んで頂けば解るかと思いますが、こういう作品はやはり厳しいでしょうか?
暗黒ライトノベルを書くのは問題ありませんが、どの新人賞に応募するかは考える必要があります。
一般エンタメに近い範囲の作品を受け入れる電撃やスニーカーなどはそのようなジャンルのものでも問題ないでしょう。
憧憬型主人公についてもキャラを立てられれば問題ありません。
一刻と申します。
お答えできる範囲で、ご返事を頂けたら幸いです。
質問は、選考段階(1次、2次、…、最終)ごとでの通過基準についてです。
それぞれの選考段階にて、各選考基準の優先順位はどうなっているのでしょうか? また、レベルはどれくらい求められるのでしょうか?
自分が選考基準として重要だと思ったのは、「わかりやすさ(最低限、内容が推測できなくはないか)」「面白さ(最低限、どこか工夫すれば面白そう)」「カテゴリエラーでないか(年齢的・性別的・ジャンル的など)」についてです。
また、その他にも重要な基準はあるのでしょうか?
「売れそう・メディアミックスできそう」について、編集さんが見る段階で意識されるのはなんとなくわかります。
もし、それ以外になにか重要な基準がありましたら、ぜひお聞きしたいです。
選考は主に面白いかどうか、小説になっているかどうかを見ます。
実はこの部分だけで最終選考まで残る作品を含め殆どの作品を切れます。
ただしそれでは1次を通過させる作品数に満たなくなってしまうので、小説になっていればとりあえず1次は通すということが多いです。
またカテゴリーエラーであったとしても1次の段階では通すことも少なくありません。最終的には受賞できないことが殆どですが。
選考が進んでいくにつれ相対評価になっていきますので、最終的には面白さ、売れそうかどうかという基準を多く用いることになります。
下読み経験者さま、お初にお目にかかります。
須賀透と申します。
たくさん質問を思いついてしまいました。
以下の質問のうちいくつかだけでもいいので、お答えいただければさいわいです。よろしくお願いいたします。
【質問01】
「独自性・オリジナリティ」と「売れ筋」というのは、あるところで相容れない部分があるかと思います。
下読み経験者さまは、審査においてどちらを重要視なさいますか?
(手堅い作品と新しさを感じさせる作品。どちらかあえて選べと言われたら……)
【質問02】
下読み経験者さまが「こういう作品は落とす」という明確な基準をお持ちであればお教えください。
あわせて、落選作にたいしてなにかおっしゃりたいこと(苦言)があれば是非。
【質問03】
わたしは「ライトノベルで求められるもの」を漠然と捉えているのですが、細かい部分をいまいちつかみ切れていないような気がします。(うまく言語化できません)
下読み経験者さまがおっしゃる「ライトノベルで求められるもの」を具体的におしえていただけないでしょうか?
またそれと併せて「一般文芸でもとめられるもの」も対比としておしえていただけますか?
【質問04】
前回(2011年1月)お答えいただいてから、ライトノベル(一般文芸)の応募者の数は増えました。
ライトノベルを愛読する層の年齢も上がったように思います。
こうした環境の変化により、ライトノベル応募作で求められるものはこのように変わった、ということがあれば……
【質問05】
ヒロインは複数いるほうが、それだけ有利になるのでしょうか?
また「萌え」についてなにか持論がおありになればお教えください。
【質問06】
ずばり、「神視点」とよばれる三人称で描かれた作品は、それが「神視点」であることのみが原因で落とされることもあるのでしょうか?
【質問07】
前回の質問と回答を拝見しました。
そこで、「下読みをするときは赤入れをしながら読む」という趣旨の記述をみつけました。
下読み経験者さまが赤入れをしているとき、「この手のミスはすべての応募作を通じておおいな」と感じたのは、どういうミスに対してでしょうか?
また、最近下読みをしていて「これは!」という作品にはであえましたか?
こうして直接ご質問させていただく機会をもうけてくださり、ありがたく思います。
【質問1】
おっしゃる通り、実は流行とオリジナリティというのは衝突します。
どちらが重要かといえばオリジナリティですが、流行に乗った作品というのは売れやすい傾向にありますので、最終選考に残る水準の作品ですとアドバンテージになることも少なくありません。
ただし類似作品がある場合にはそれを超えた何かが求められるため、流行に乗った作品は敷居が上がる部分もあります。
基本的にはオリジナリティのある作品が強いと考えてください。
【質問2】
売りがない作品は落とします。
文章が多少おかしかったとしても、設定が面白い、キャラが良いなどの何かしらの売りがあれば通すことがあります。
特に設定にみるところのある作品は強いです。
是非自分の作品はここが売りだと明確に言えるものを書いてください。
【質問3】
すごく大雑把にいってしまえば、一般小説の求めるものは「現実」で、ライトノベルの求めるものは「夢」だと思っています。
ただしライトノベルにおいても一定の「現実」は必要になってきますし、これに関しては例外も多いので、あくまで私がそう考えているだけだと思ってください。
ただ、夢をみられる物語というのはどのジャンルにおいても魅力的なものですよね。
【質問4】
ライトノベルに求められるものは変わっていないと思います。
確かにライトノベルを読む層の年齢は年々上がっていますが、そのような方達が一般小説ではなくライトノベルを読むというのは、ライトノベルに今あるものを求めているからではないでしょうか。
ライトノベル自身が変わる必要はないのではないかと思います。
【質問5】
有利になることが多いです。それだけ多くの魅力的な女性を描けるというアピールにもなります。
小説における萌えは人間的な魅力と直結します。表面的な部分だけでは描けません。
【質問6】
神視点というだけで落とすことはありません。
ただし神視点は難しい手法なためあまりおすすめはしません。
神視点は絶対にやめろという作家の方もいますので、良く考えた上で選ぶべき視点だと考えます。
【質問7】
誤字脱字、語法の誤りが最も多いです。