ジジさんのQ&A 2014年07月03日
今回で4度めのお邪魔になります、ジジと申します。
職業は文筆関係、その業務の一つとして下読みをしています。
読んでいるジャンルは男子向け、女子向けのライトノベルや恋愛物、ジャンル問わずのヤングアダルト(一般向けエンタテイメント)となります。また、去年からはスマホ系の小説とも関わっており、こちらもある程度はコメントできるかと思います。
各賞に応募していらしゃる方、そして創作を趣味とされている方、なにかご質問、ご確認したいこと等ありましたらお気軽にお書き込みください。職域をはみ出さない範疇でお返事させていただきます。
〈スレルール〉
1.質問の大小は気にしない。
2.質問の既出も気にしない。
3.再質問をためらわない。
4.他の方に知られたくない突っ込んだ質問等はメールでどうぞ。
それでは、よろしくお願いいたします。
●答え●
ではさっそく、小さなことを一つ。
キャラが人間ではない(例えば妖怪とか?)ものを書こうかなー、とぼんやりと思っているのですが、やはり人間でないことに対する必然性はあったほうがよいのでしょうか?
それともなくともよいのでしょうか?
おつかれさまです。
必然性はその世界にとってその「人間ではないもの」の存在が普通なのか普通でないのかによって変化するかと思いますが、「人間ではないもの」が物語世界にとってどのような存在であるかの説明は必須であるかと思われます。
この場合の説明は、読者を「人間ではないもの」という存在に肩入れさせるための導入になりますので、ぜひドラマチックでキャッチーな説明/導入を描いていただければと。
わかりにくい点、新たな疑問等ありましたら、また再質問をお願いいいたします。
初めまして、みきと申します。
さっそく質問なのですが、なにか訴えるものがないと第一選考は突破できないのでしょうか?
また、さきほどの寝子さんの質問なのですが、主人公が人間に戻るようなパターンも物語次第では飽きられることはありますか?
たとえば、ゾンビから人間に戻る感動モノなどです。
あと最後に、最近の応募者の傾向など教えてください!
> さっそく質問なのですが、なにか訴えるものがないと第一選考は突破できないのでしょうか?
ストーリー的なテーマよりも設定かキャラ、どちらかに他の応募者の方と比べて「光っている!」と言えるものがあるべきですね。
キャラはすでにパターンが出尽くしている感があり、ひねりにくいかと思いますので、設定でどれだけの差別化を図れるか、ひねれるかがカギになるかと思われます。
> また、さきほどの寝子さんの質問なのですが、主人公が人間に戻るようなパターンも物語次第では飽きられることはありますか?
それは物語の展開にかかっている部分ですので、ストーリーしだいですね。
> あと最後に、最近の応募者の傾向など教えてください!
ご自身が「作品の売り」だと提示しているはずの設定が生かし切れていない方が多いです。ぜひ、せっかくの設定やキャラを活用して使い倒す術を考えてみてください。
不明点、追加質問等ありましたらお気軽に再質問してください。
お疲れ様です。
サイトのログでも設定という言葉を回答でよく見かけたんですが、設定とは具体的に何の設定のことでしょうか?
キャラ設定ですか?世界設定ですか?能力だとかロボットだとかでしょうか?それとも全て含めてですか?
設定だけだと大ざっぱで解らないなと思いました。設定という中でもこれという設定のジャンルはあったりするんでしょうか。
設定の話に関して。
例えば既存作品で設定のここを見てるみたいなのがあれば教えてもらえると解りやすいです。
例えば漫画ならドラゴンボールや鋼の錬金術師だとかラノベなら禁書とかでもいいです。
> サイトのログでも設定という言葉を回答でよく見かけたんですが、設定とは具体的に何の設定のことでしょうか?
簡単に言ってしまえば「ネタ」になります。
たとえば川原礫氏の『ソードアート・オンライン』 (2009/4/10刊行)のネタは「ネットゲーム」です。
それだけではおもしろくありませんが、氏はそれを「ログアウト不可能なネットゲーム」とし、さらには「ログアウト不可能、しかもゲーム内で死ねば本当に死んでしまうネットゲーム」とし、実に魅力的なネタに仕上げてみせました。
私が「設定」と言う場合、物語の成り立ちに直接関係するネタを指します。ですので能力設定やキャラ設定も、それが物語を成立させるために不可欠なものなのであれば「設定」に入るわけです。
では、早速幾つか聞かせてください。
作品の構成、物語の纏めが上手いと思う作品はどの様なものでしょうか?
専門用語の多い作品は印象に残りにくいでしょうか?
途中でジャンルが変わるのは読みにくいと思われますか?
惜しい、と思われる作品は如何なるものでしょう?
逆に、これだ! と思われる作品はありますか? またそれは如何なるものでしょうか?
また、後で話を伺うことになるかもしれませんが、先ずこれらを答えうる範囲でお願い致します。
> 作品の構成、物語の纏めが上手いと思う作品はどの様なものでしょうか?
最初に提示された謎や、物語が始まるきっかけになる事件がきちんと展開し、最後にきちんと畳めている作品です。
投稿作品の場合、かなりの率で物語がきちんと始まっていなかったり、きちんと展開できておらず、結果的にきちんと終われていないものなので。
> 専門用語の多い作品は印象に残りにくいでしょうか?
読者の立場で考えて、ご自身の知らない用語が度々出てくる物語がおもしろいか? ひとつひとつのワードについて説明がしてあったとしても、それがあるからといって楽しく読み進められるか? とお考えいただければ。
> 途中でジャンルが変わるのは読みにくいと思われますか?
それが転として効いているのであればよいのではないかと思います。
> 逆に、これだ! と思われる作品はありますか? またそれは如何なるものでしょうか?
設定にこだわりぬき、それが最初から最後まで物語を進行する力にできている作品ですね。
はじめまして。さっそくですが、質問させてください。
以下の終わり方は話がまとまっていないと思われますか?
現代の高校生が異世界に召喚される話です。
・敵を倒して悪巧みを阻止するが敵は生存。悪巧みは諦めさせる。
・ヒロインの目的は達成されるが、主人公の目的は未達成。
・現代に帰る方法はわかっているものの、帰れない。主人公は早く帰りたい!と焦っているわけではないです。
いつかは帰ろうと考えているが、それより異世界でやりたいことを見つけています。
ヒロインのドタバタは解決したし、これからは自分の目的をがんばっていこう、と主人公の前向きなセリフでしめる予定です。
あいまいでわかりづらい説明で申しわけないですが意見きかせてください。
また、話がまとまっていない作品が送られてきた場合、即一次落ちだったりしますか?そうでなくとも大きな減点要素になりますか?
> いつかは帰ろうと考えているが、それより異世界でやりたいことを見つけています。
この部分が明確に理由づけされていて、作品内でドラマチックに語られていれば問題ないかとは思います。
主人公が本来の目的や帰還を果たすよりも、やりたいことを優先させる。それを読者に納得させられるだけの心情ドラマがあれば……ということです。
> また、話がまとまっていない作品が送られてきた場合、即一次落ちだったりしますか?そうでなくとも大きな減点要素になりますか?
選考は基本的に他作品との相対評価ですし、一次では強い武器を感じる作品は上げてしまうことが多いので、即落ちるとは言い切れませんが、ストーリー、構成でかなりのマイナス評価がつくのは確かですね。