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銀の海 金の大地―古代転生ファンタジー
真秀(まほ)は湖の国、淡海で育った。そこは息長族の国だが、真秀はその一族ではない。 ヤマトの大豪族の首長がどこかの奴婢に生ませた子で、 息長の首長の真若王、丹波の首長の美知主とは異母兄妹である。 母の御影はここ数年業病で苦しんでいる。 その病によく効く熊の血凝をやるから取りにこい、という美知主からの伝言に、 真秀は、不思議な霊力を持つ兄の真澄と、丹波へ向かう船に便乗した。
仮想古代日本が舞台の、国同士の陰謀に巻き込まれながらも、 生き抜こうとする少女・真秀(まほ)の成長と恋の話。 と書くと、なんだかビーンズ文庫みたいですが。 「流血女神伝」が好きな人なら、ハマると思います。 「流血〜」みたいに笑えるシーンやセリフなどは無いですが、 のめりこみ度は勝るとも劣らないと思います。 2巻以降、話が動き出してからは面白いです。 主人公は勿論、多数の登場人物の視点で多角的に、丹念に心情が描かれていて、 それぞれに共感せずにはいられません。 男性読者にはどうかと思う生々しいシーンも有り、手に取りにくい文庫かもしれませがん、 拒絶せずに読んでもらいたいです。 1990年代の作品ですが、今、読んでも全く遜色ないですし、 かえって古本屋で安く手に入れられるから良いと思います。 買うのがイヤなら、図書館で探してみてください。 世界観を担う文章や言葉、心情描写の参考にもなると思いますので、ぜひ一読を。 あと、イラストも美麗。
あの波乱万丈さやハングリー精神は、恋愛メイン少女小説の主人公とは一線を画します。 速穂児(はやほこ)。一途。恋愛じゃないですが、彼の片思いも応援してました。
そしてこんなに長いのに、第一部で終わってしまっています。 古代転生ファンタジーと銘打っていますが、転生する前に終わってしまいました。 これで完結していますが、ちょっと私的には強引な終わり方に感じました。
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銀月のソルトレージュ
細剣が心臓を貫いていた。 剣を持つ銀髪の少女をぼんやりと見る。 (なんでこの子、泣きそうな顔をしてるんだろう…) 優しさと哀しさを湛える翠の瞳に、そんな場違いな感想を抱く。 そしてそのまま、リュカ・エルモントは死んだ―。 騎士と姫君のロマンスは遠くに去り、銃と蒸気機関が大陸を支配する時代。 学術院都市国家フェルツヴェンで学ぶリュカは、 街で出会った銀髪の美少女に理由も分からないまま、殺されてしまう。 だが次の日、なぜか彼は生きていた…。 リュカの周りで何が起こっているのか? 謎の男が見せる“魔法”の力。 歴史の裏で続けられてきた“不死の魔法使い”たちの戦い。 そして明らかになる神話に隠された哀しい真実―。 最強の魔法書『ひとつめの嘘』を手にするのは誰か!? 気鋭が贈るネオ・バトルファンタジーいよいよ開幕。
そして途中で明らかになる過去、伝承に隠された真実――。 キャラクターがとても個性的です! ありふれた<魔法>という題材を使っている筈なのにオリジナルティーがあり、 設定も何かひきつけられるものがありました。 シリアスな物語を読んでみたいという方に、おすすめします。
あと、もったいない話です。 過去編や番外編を出していれば世界観がもっと深まっただろうに……。 何かあれで終わるのは本当にもったいないです。
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その小説、105円で売られているかも…… |
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