↑目次へ戻る |
春期限定いちごタルト事件
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。 きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。 それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。 名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、 果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。
って思わず叫びたくなるようなミステリーです。 話の内容は、『小市民』を目指す小鳩君と小佐内さんが、次々と事件(?)に巻き込まれていき、 本来は『名探偵』としての性格を隠している小鳩君が謎を解く羽目になってしまう。 一見、ありそうと言えばありそうな話です。 しかし、その事件というのが、とても日常的なもので、 自分たちの周りに起きてもおかしくないようなものなんです。 だから、物語のな中に入り込みやすく、思わず共感してしまうところもあります。 とりあず、その事件というのがどういうものなのかは自分の目で確かめてください!
なかなかお節介焼きで、主人公をことごとく事件に巻き込んいくところが好きです。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
少女ノイズ
大学生・高須賀克志(たかすが・かつし)の趣味は殺人事件の犯行現場を訪れること。 そんな克志の新しいアルバイト先は進学塾。ある女子生徒の“世話”を担当するのが仕事だという。 怪訝に思う克志だが、いつもヘッドホンをしている、 その少女・斎宮瞑(いつきのみや・めい)はたしかに難しい女の子だった−−。 二人が遭遇する数々の不可解な事件。何を考えているのか掴めない瞑が見せる、驚くべき推理力。 人気作家による、新感覚の青春連作ミステリーの傑作誕生!
見所のひとつは、なんといってもミステリ部分です。 第九回「本格ミステリ大賞」において、ノミネートこそされませんでしたが、 何人かのミステリ作家の方はノミネートされなかったことに落胆されていました。 また、他の書評でも三人中三人が最高評価である二重丸。 ミステリ部分についてはそうしたお墨付きです。 ミステリ好きな私には満足なプロットでした。 そして、そんな私がミステリ部分以上に心惹かれたのが、 全体を通じて進行していく、主人公高須賀克志と斎宮瞑の交流です。 人気のない場所、どこにも繋がれていないヘッドフォンをつけ、死体のように倒れている瞑。 殺人現場をカメラに収めるという性癖をもつ高須賀――通称スカ。 他人を拒絶するような態度の瞑が、 徐々にスカへと不器用な好意を向けていく経過はたまりません。 渇いた筆致ですが、それがマッチしています。 よくある展開といえばよくある展開です。 しかし、主人公がヒロインの凍った心を溶かす。 結果主人公にとっても、ヒロインにとっても、互いが特別な存在になる。 そんなストーリーが好きな人には絶対にオススメです!
イメージは猫。いつもは無愛想なのに、ふとしたときには膝に頬を擦り寄せたり……。 それでいて、抜群にキレる頭脳。 その裏にある繊細な心。 私のベストなヒロイン像と言っても過言じゃないです。 以下ネタバレです。 序盤、主人公に対して気だるげで無愛想な瞑ですが、少しずつ心を開いていきます。 そんな瞑が、ある事件が終わったあとに発する台詞が忘れられません。 『約束して、スカ――あなたが死にたくなった夜には、必ず私を呼びなさい。私を』 そんな心情の変化をへて、ラストのワンシーン。 良すぎて思わず涙しそうになりました。 オススメです!
全編を通じて挿絵がないのは欠点かもしれません。
|
|||||||||
|
|||
あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
トップへ戻る |