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名探偵に薔薇を
怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。 その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。 やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、 現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。 不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に? 第八回鮎川哲也賞最終候補作、文庫オリジナル刊行。
軽い気持ちで読むと作者に敗北感を与えられる可能性があるので注意してください。 この作品の作者は、スパイラルというマンガで有名な城平京さんです。 たぶん、あのマンガを読まれた方ならやっぱり同じ作者だなと思われます。 しかしスパイラルのような甘さは一切ありません。 心を推理するということを楽しめるものとなっています。 推理小説ということであまり内容に触れたことは言えませんが、 私はこれを読まれることで読まれた方の世界が広がることは確信しています。
人が死ぬのは嫌という人にだけは薦められません。
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ラッシュライフ
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。 父に自殺された青年は神に憧れる。 女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。 職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。 幕間には歩くバラバラ死体登場――。 並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。 不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。 巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
まったく関係の無い4つの人生が、所々で混ざり合っていく。 この作品の良いとことは、上の解説のように、騙し絵のごとく 掴み所の無いことにあります。 全く先の展開が読めないこともあれば、 ああ!あの時の!と、別の人生の出来事が、 また別の人生を変えることで展開が読めることもあるのです。 この小説は、一つの人生のネタばらしをするとほとんど全てのネタをばらすようなものなので、 説明があまり出来ませんが、読んで損は無いと思います。
不倫女の人生の中に出てくるキャラです。 少しネタばれですが、これを見ただけでは他の人生のネタばれにはならないので、ご安心を。 不倫相手の妻を殺そうと車で不倫相手の家へ行く途中、人を轢き殺してしまいます。 仕方なく車のトランクにその死体を入れ、また出発しましたが、 ふとトランクの死体を覗くと死体がかってにバラバラになっていた。 一旦は動揺したものの、トランクに入れたまま家を目指します。 そして家に着いて車から降りると、 トランクがひとりでに開いて中からバラバラだったはずの死体がくっついてそのまま歩いていってしまう。 うん? ミステリアスですねぇ。でも、ちゃんと理由があります。 けれど、この理由まで話すと完全なネタばれになってしまうので、 ここから先は自分の目でお確かめ下さい。
けれど、本好きな人には はまればすぐに読み終わるぐらいおもしろい本です。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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