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TOY JOY POP
福沢礼一は退屈だった。世界には流言飛語が溢れてる。 曰く「現世は神の怒りにより、間もなく滅びる」。 曰く「手足をボキボキに折る関節ババアがいる」。などなど。 でも、現実に福沢の周りには何も起こりはしない。 山崎椎菜は問う。「フク、そろそろ死ねば?」「言葉って暴力だよね」。 ただひたすらに駄弁るだけの5人の男女。 彼らの中で周囲で暴走する、通常で異常なミステリー・シンキングタイム。 青春は時として軽やかに迷走する。
それぞれの過去や生き方を見つめるヒューマンコメディ…… が倦怠期の後に反抗期を迎えた感じ。 基本的には展開も早く、ギャグ色も強いので、厚い割には楽しく読めました。 短編連作を3話ぶん同時進行しているようなものだから、 そうならざるを得ないという気もしますが……。 あと、注意として、 ラノベのレーベルから出ているけど、ファンタジー要素は含まれていません。 有り得ないような奴も1人いるけど、ギリギリ現実の範囲内(常識の範囲外)です。 以下ネタバレ あくまで、それぞれの物語に決着をつけていくので、まとまった感じはない。 ……と思いきや、最後の台詞『これからが本番だ』 王道ながら、あざと過ぎます。ここまでくると、卑怯と言ってもいいレベルです。 フクちゃんが舞台の外どころか、本の外まで出てきました。 張られた伏線は全部回収し終えたと思ったのに、 ラスト数行まで馬鹿デカイのが残っていました。 なんというか、もう、負けました! 明日から面白く生きさせて頂きます。
あんた最高。
あと、構成として仕方がないけど、感情移入しづらくて、山場でいまいち感動できない。
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扉の外
修学旅行に行くはずだった千葉紀之が目を覚ましたとき、そこは密室で、 しかもクラス全員が同じ場所に閉じこめられていた。 訳もわからず呆然とする一行の前に、“人工知能ソフィア”を名乗る存在が現れる。 そのソフィアが示したのは唯一絶対のルール―“ソフィアに従うこと。 従っていれば生命は保証されること”。 だが、紀之は瞬間的な嫌悪感からソフィアからの庇護と呪縛を拒否してしまう。 紀之以外のクラスメイトはその“ルール”を受け入れ、 “ルール”が支配する奇妙な日常がはじまった。 孤立した紀之はやがてひとつの決断を下すが……。 第13回電撃小説大賞「金賞」受賞作、登場。
後悔はしてません。だって面白いのだもの……。 明確な主人公が居ないことから、各キャラへの感情移入がしやすいです。 そのなかでもやはり孤立してしまった紀之の心情がよく描かれていて同情してしまいます。 上手く集団に馴染めない方などはやはり同情してしまうのではないでしょうか? 登場人物がやはり多いのですが、 各キャラに血液型、趣味、所属サークル等の細かい設定がしてあります。 この作品の良いところはこの設定が無駄になっていないところです。 すべてが物語りに繋がっているように思います。 これ以上はネタバレなので言えませんが……。 兎に角、買って損はありません! お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 千葉紀之君です。なんだか自分に似ていてついつい応援しちゃいます。 紀之君の仲間みたいなキャラがでてくると、かなり興奮しました。 惨めだった紀之君の逆転劇!って感じで。
ストーリー的には謎が多く、続編が出ると思われます。 主人公の心理的成長、極地に追いやられた人間の動作などが良く描かれています。 とりあえず捻くれものの主人公が愛を知る物語です。 複雑な人間関係。世界の成り立ち。今と言う環境だとかそういうのを考えさせられました。 人への依存とか、娯楽への執着だとか人間と言うモノについてだとか……。 交錯する人間関係・窮地に立たされた人間の心理描写、 そして納得させられてしまう妙な展開に目が離れません。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 正樹愛美。 多分この子腹黒いタイプなんだろぅなって思うから。 最後はこーゆー腹黒い子が悲しい過去を乗り越えて、涙をそそると勝手に思ってます(半分予想) この作品の欠点、残念なところはどこですか? まず主人公達の考えが浅いこと。 設定も浅い気がする。(腕輪とかちょっとした拍子で外れそうだし)
それは一つの感情を「〜だ」と表すことじゃなくて、 この場面に遭遇したら自分もこうなるだろうなー、といった人間心理を捉えたものでした。 作風やテーマがライトノベルにしては軽くありませんでしたが、 それを加味してもとても面白かったと思います。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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