登校者見習いさんの質問 2014年05月02日
ネットで発表された作品の感想コメントに、「文章が上手ですね」とか「文章力がありますね」という風に書かれているものをちょくちょく見る気がするのですが、文章が上手って、つまりどういうことなのだろう、という疑問を持ちました。
言葉のもつ意味の守備範囲が広いような気がして、個人的にはどこを褒めているのかが曖昧でピンとこないのです。
「ここの描写が想像しやすいですね」とか「文章にリズム感がありますね」みたいにもう少し具体的にしてもらえると分かりやくなる気がします(それでもまだ曖昧かも知れませんが)。
それと、「文章が上手いこと=面白い(もっと広い意味で読んだ満足感を与えるもの)」につながるのだろうか、という疑問もあります。
個人的には、文章が上手いということは、技術的な面で物語の面白さに傷をつけないという最低限の保証のようなもので、「文章が上手い=面白い」にはならないと思っています。その逆の「文章が下手=つまらない」はつながると思いますが。
もし、「文章が上手い=面白い」になるならば、その文章が上手いというのを他の言葉で置き換えると、どういった言葉を使うのでしょうか。
まとめると、人が考える文章が上手いっていう評価を受ける作品の必要最低条件はなんだろう、と思います。
……ぶっちゃけ、「秀でて褒めるところがないからとりあえず、みたいな使いかたをするのが暗黙の了解だから」という邪推がわたくしめの中には少しあります。
各方面の方々に対してデリカシーのない質問だとは思いますが、回答をもらえるとうれしいです。 (、..)、 ペコッ
●答え●
単に「上手ですね」「下手ですね」だけのコメントは所謂『感想』であって、『批評』ではない。
詰まるところ、それしか言えない人が大半なだけ。
主が仰るような理由が含まれることもあるかもしれませんが、大半は素直な感想を述べた結果ではないでしょうか。
一般に文章が上手い、と言われる条件は、『読みやすい』に尽きます。
読んでいてつっかえない、するする文章が頭の中に入ってくる。そういう文章が描ければ、最低限のレベルをクリアしたと言えるでしょう。
ただ、文豪でも極めて読みづらい文章を書く人は結構いるんで、純文学的な文章の上手さと大衆文学的な文章の上手さはまた違うのでしょうが。
それと、文章の上手さが面白さに繋がるのか、というお話ですが。
私は、文章の上手さは、漫画で言うところの絵の上手さだと思っています。同じ面白さの作品が二つあったとして、絵が上手な作品と下手な作品では、読者のとっつきやすさ、愛着のわきやすさが違います。
というわけで、このご質問への回答は、『文章力があったほうが作品の面白さを認めてもらいやすい』です。
あくまで個人的な意見になりますが、『文章が上手い』というのは、決して作品全体を通して、面白いというのではなく、読みやすさや表現力、細かく言えば「すらすらと読めるのか。作者の思うイメージが伝わるか」だと思います。
ですので、文章が上手いけれど、構成力が悪ければ面白いにはならないと思うのです。
ご自身も疑問だと仰っているように、この「文章が上手い」と「面白い」はイコールではないと思いますよ。
そして、「文章が下手=詰まらない」というのも、決してイコールではないでしょう。
度々、合作というのでしょうか?
2名の作者が、互いに不足している所を補い合って、長所をより良く輝かせている著者もいらっしゃいます。失礼な物言いにはなりますが、「文章が下手だが、構成力が素晴らしい」作者と「文章は上手いが、構成力が下手」な作者がひとつになると、完璧に近い存在になるはずです。
一口に、「あなたは文章が上手いね」と言われても、それが面白いと信じ込むのは浅はかかと思います。
しかし、普通、秀でて褒めるところがなければ、感想返しでもない場合、わざわざ感想を書き残してはいかないはずです。
読みやすさは必要ですよ。
と、戯言のように書き綴ってしまいましたが、少しでもその疑問の解消になれば幸いです。
読みやすさや表現力ときて、やっぱり読みやすさと伝わることが一番っぽいですね。わたしもそんな気がします。
一つの文章のまとまりが上手でも、他の文章のまとまりとのつながりが下手だったら面白くない説、でしょうか。
これはありそうです。
構成というと、どちらかというとプロット段階の部分になるところですかね。ストーリーが面白ければ、何でもそれなりには面白そうな気がします。伝わればですけど。
そうです! 文章が下手でも詰まらないわけじゃないです!
……失礼しました。
長所が光っていれば、短所もそれなりにごまかせそうです。
合作。ただ、わたくしめには提供するに見合うポテンシャルを持ってないです。あと友達も(遠い目)。
> 一口に、「あなたは文章が上手いね」と言われても、それが面白いと信じ込むのは浅はかかと思います。
大丈夫です、言われたことはないので……ペッ!!
……わたくしめはどうやら別の意味で浅はかなようです。
好まないものに、わざわざ「上手いね」と感想を残してくれることなんてないですよね。少なからず評価をしようとしてくれてるわけですよね。
それなのに疑うなんて、失礼なことをしたと思います。ごめんなさい。
ご返信、有り難く思います。
小説という媒体自体が、総じて文章を用いて読者へ伝えるものですからねー。複雑な構成を視野に入れていれば、それなりに文章力も高みになければなりません。そうです、読者に伝える力が必要になるのです。
ただ、構成、あなたが仰るプロットですね。
これだけが高みにあっても、読者に伝える力(文章力)がなければ、手に取って貰えない。その逆も然り。
本当に小説というのは、奥が深いと痛感しております。
私はよく、評価シートで「文章力があり、ライトノベル作家として十分な技術があると思います」と書かれますが、受賞経験はありません。
つまりそれだけでは何の意味もないという事です。
一般文芸なら凝った言い回しとか、比喩表現のセンスとか、そういうものだと思いますが、ライトノベルに限っては、おそらく「ビジュアル的に想像しやすい臨場感」ではないかと思います。
技法は色々ありますし、人や使い方によると思いますが。
文章というのは表現するものですから、よりよく内容を伝えられるというのは一つの利点ではないかと思います。
もちろんそれだけではどうにもならず、構成能力やストーリを考える能力も必須だと思いますが。
「ライトノベル作家として十分な技術がある」って書かれるのはけっこうすごいことなのではないかな、って思います。
評価シートを書いてるかたの「文章力」っていう曖昧な言いかたがで不親切で参考にし辛い感じもありますけど(本業なのに伝えわらない文章を書くのは応募者に失礼だとも少し思います)、でも褒められている部分に関しては負けてないどころか、それ以上に力があるのではないでしょうか。
回答者様の文章力は無駄ではないし、これからさきに活きてくる場面があるのではないか、と期待してみます。
ビジュアル的に想像しやすい臨場感っていうのは、あると思います。単純に考えて、アニメ化して大ヒットしてグッズも飛ぶように売れて映画化しちゃったりするようなラノベを求めてますよね。
ビジュアル的に映えるというのは、あらゆる面で他作よりも劣っていたとしても、それを覆しうるほど魅力的に感じられるアドバンテージなようにも思います。将来性もある気がしますし。メディアミックス。夢が広がります。わたしは自分の作品のキャラクターグッズに囲まれる妄想をします。どうでもいいですね。
でも逆に考えると、本だけで売るのは難しくて、いろいろな媒体を見ながらやらないといけないという感じもあるのでしょうか。むずかしい話です。
小説の文章として理想的なのは、透明感が高く内容が自然に読み手に伝わる文章だと思っています。
華麗な比喩を縦横に使いこなし、それでいて文体が乱れない。そういう文章が書ければ高い筆力があると言えるでしょうが、技巧に舌をまかされはするものの、かえってそれがノイズになってしまい内容がヴィヴィッドに伝わらないこともあります。そういうのは小説の文章としてはどうかと思います。
エンタメ小説の読者は、立派な文章を読みたいのではなく、文章を通して面白い物語を読みたいわけでしょう?
なので、小説の文章の巧拙については、そういうことができているかどうかを基準にして判断しています。それはそれで、かなりの技術を要することですし。
>……ぶっちゃけ、「秀でて褒めるところがないからとりあえず、みたいな使いかたをするのが暗黙の了解だから」という邪推がわたくしめの中には少しあります。
私がこのサイトの投稿室で感想を書くとき、そういうことがまったく無くはないですね。ですが、あくまで物言いを和らげるという範囲のことで、心にもないお世辞を書いたことは無いつもりです。
文章がうまいとは何ぞやなんて、考えたところで混乱するだけだ。自分が良いと思った表現を精一杯描く、それしかない。
その問は、考えれば考えるほど遅筆に陥るだけだろう。
どうも、初めまして。
「文章がうまい」ですか。なかなか難しいですね。
文章の最低条件は、「読める」ことです。状況が分かり、登場人物が何を思って何をしているか。それが分かることが最低条件です。
たとえば投稿室においてですが、修飾過多な文章を書く人もいます。
着膨れした文章は、その筋が読みづらいというデメリットがあります。
作者本人は「なんて綺麗な文章」と思うかもしれませんが、読者は「何書いてんのこれ」と、読む以前の問題に終わることもあります。
ただ、分かりやすすぎる文章は深みがなく、引き込まれる風にはなりません。文体の成長は本当に難しいので、回数を重ねるしかないと思います。