>今回の作品では「明らかに人間とは違う異形の者が丁寧な振る舞いをする」ところに落差をつけたつもりでしたが、それが弱かったのだと思います。
いやいや、いきなり四本腕の異形の者が、恩返しに来るというのは、かなりインパクトがありましたよ。
どんな感想があったのか分からないので、何とも言えませんが「主人公が異形の者をすんなり受け入れることに、違和感がある」と思った人もいたのかもしれません。
また「四本腕の必然性がない」「メインストーリーに絡んでこない」「出オチじゃん」と感じる人も一定数いるのではないでしょうか。
私自身はシュールな展開が嫌いではないので、すぐに受け入れたことは、むしろ良かったです。
また「ジャコウといえば猫しか思い浮かばんけど、手足が6本てことは、昆虫なのかな。どんな昆虫なんだろう」と思いながら読んでいたので、ラストでジャコウアゲハという蝶がいることを知り、そして就職が決まった主人公を、見送るという締めに、ストンと腑に落ちました。
評価が低かったのは、インパクトがある冒頭に対し、ストーリーに起伏がなかったことではないでしょうか。
「出オチじゃん」と思われていても、それを上回るパワーがあれば、気になりません。
インパクトがなかったのは、設定ではなく、展開の方ではないでしょうか。