「怪物が準備して調理してくれた食事って、たぶん日本人なら食べられない。」
これってホントその通りで、もっと言えば家に四本腕のバケモノがやって来て「恩返しです」とか普通信じないし即警察にGoな案件です。真面目にリアルに考えると。
それだと話が終わっちゃうので、納得できるような色々を考えなくてはならないのだけど、でもここらへんは難癖つけようと思えばいくらでもつけられる部分でもありますよね。言い訳ではありますが、物語のお約束に納得できないなら読むのをやめるというのも、心の安寧には効果的だと思います。
設定の後出しばかりでズルい気もしますが、ナルミはいわゆる大人の発達障害です。衝動性、易怒性、集中力や継続力の欠如、壊滅的なコミュ障。
言葉でひとくくりに語れるものではないですが、私の思う「発達障害」のイメージは、「理想の自己像があるけどそれに近づけないことに苦しんでいる人」です。読むせんさんの言う、「自分自身は○○で××な人間に違いない」と思い込む事でブレが出ている人物」であることに間違いはありません。アンパンマン的な正義を信じてそれに反する人を糾弾するけど、自分は安楽な方向にすぐ流される。自分なりの努力はしているけどそれを過信し、上手くいかなければ周囲のせい。
「発達障害」ってはっきり書くと、配慮とか仕方ないとか、あとは過剰な偏見みたいな感想を持たれるのが嫌だったので伏せていました。
ナルミが暴力を振るわないのは、それだけは絶対にしてはいけないと母親に繰り返し繰り返し言われてきたからです。その代わり、物損と自傷に走ります。ただ、彼の思う暴力は「殴る蹴る」という幼稚園レベルのものなので、レイプは暴力に含まれません。
「正直、ゴキブリとか蜘蛛も怖いです」
これはいいですね。じゃあお前なんなんだよ?という興味も引けるかも。蝶だから、蜘蛛は絶対怖いと思うし。