日本語入力システムで最も優秀なのはジャストシステムの『ATOK』です。
変換候補の語彙の豊富さは『Google日本語入力』に一歩譲るでしょうが、ATOKには他にはない、優れた機能が2つあります。
それが校正支援機能と、文字を入力しながら辞書を参照できる機能です。
この2つは、小説を書くのに大変役立ちます。
ATOK 2015 for Windows [ベーシック] 通常版
作家が手書きからパソコンで文章を書くようになってから、圧倒的に増えたのが誤字脱字と変換ミスです。
商業出版されている本を調べてみると、ラノベに限らず、いろいろな本で誤字脱字と変換ミスを見つけることができます。
私はシナリオライターの虚淵玄が好きで、彼の伝奇小説(ラノベ)『Fate/Zero』(2006年12月29日刊行)を何度も読みなおしたのですが、全4巻中、2箇所に誤字を発見して、残念な気持ちになったことがあります。
ネットに投稿される小説も誤字脱字が多く、当サイトで運営している鍛錬投稿室に寄せられる投稿小説の批評でも、誤字脱字の指摘が大きなウェイトを占めています。
パソコンでの文章入力は、慣れれば素早く文章を書けるのが利点ですが、素早く書けることが災いしてか、誤字脱字や変換ミスが発生しやすいのです。商業出版の世界では、出版点数を稼ぐために、校正をいい加減に済ませして本を出している出版社もあり、校正も作家が責任を持って行う必要があります。
ATOKの校正支援機能は、「ミスを気にせず文字入力に集中できる」ようにするための機能です。
誤字脱字、変換ミスをシステムが自動的にチェックして、正しい文章はこれではないですか?と訂正候補をあげてくれます。
これによって、誤字脱字、変換ミスを大幅に減らすことができます。
間違って覚えてしまっている言葉や慣用句、例えば、『日常茶飯事』を「にちじょうちゃはんじ」と仮名入力した場合、「にちじょうさはんじ」の誤読であることを指摘してくれた上で、日常茶飯事に変換してくれます。
ミスを防ぐだけでなく、正しい日本語を学ぶことができる訳です。
その他、「重ね言葉(二重表現)」「敬語」のチェックまでできるようになりました。
(Google日本語入力にもタイプミスを修正する「もしかして機能」がついていますが、精度の高さはATOKの方が上です)
また、文字入力をしながら言葉の意味を調べられる辞書機能が付いているのが、最大の特徴です。
例えば、ライトノベルと入力しようとすると、ライトノベルについてかなり詳しい情報を見ることができます。
主なライトノベルレーベルの一覧だけでなく、主なライトノベル新人賞まで表示されることには、かなり驚きました。
小説を書きながら、ちょっとした調べ物をしたい時に、重宝します。
Web上にもgoo辞書など、言葉を調べる上で便利な無料辞書がありますし、それこそGoogleに聞けばどんなことでも教えてくれますが、手間が省けるので文章入力の効率性と利便性が格段に向上します。
ただ、ATOKはそれなりの値段がするのがネックです。
毎年バージョンアップ版が出るのですが、バージョンアップするためには、その都度、お金を支払う必要があります。
私は2013年になってもATOK2010年版を使い続けていましたが、3年も経つと、最新の流行語などに対応してくれないので、変換候補語彙の豊富さの点においては、無料のGoogle日本語入力に劣るようになり、使い勝手が悪くなりました。
ATOKは、だいたい3年に一度、バージョンアップするのが良い、という定説があります。
できればGoogle日本語入力の語彙の豊富ぶりと、ATOKの校正支援、辞書機能を併せ持つ日本語入力システムがあれば最強だと思うのですが、同時に2つの日本語入力システムは起動できないので、そういったことができないのが残念です。
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