冬野まゆさんからの質問 2011年10月29日
だいたい書き出しでその小説が面白そうかそうでないかの判断をつけますよね?
書き出しは小説の顔だと私は思っています。
そこで、「魅力的な書き出し」について教えていただきたいです。
具体例でもいいですし、方法論も参考にさせていただきます。
具体例を書きやすいようにテーマとして「現実逃避の為の脱走」を設定させていただきます。もちろんテーマ外で書いてくださっても歓迎です。
以下は私の書いてみた書き出しです。
――
お母さんの雇った家庭教師さんは面白いけど、勉強は飽きたので脱走してやった。机にかじりついているよりお庭を散歩していたほうが私には合っている。今まで疑うこともなくお母さんや大人の言うことを信じて疑わなかったけど、自分がつまらないのはやめだ。
――
この文に対する批評もお願いします。
目標としては「三文で小説を読ませる」です。
それではよろしくお願いいたします。
●答え●
こんばんは、みんなの何か良く分からないRainだよ!
新参かHN変えか知りませんが、とりあえずはじめまして。
好きな単語は北斗剛掌波。特に意味はないけど。
「続きが読みたい」と思わせるには、読者に疑問を持たせるのが有効です。
冒頭には死体を転がしておけというのは、何故そのような事が起きたか、と読者に疑問を持たせるためだと思います。
例として挙げられているこの文では、いまいちインパクトに欠けていると思われます。
「殺人」というのは、非日常的であるからこそ強い印象を受けるものであり、これでは「少し変わっている」程度にしか思えません。
また、別の方法としては「キャラクターに突飛な行動をさせる」というモノもあります。
たとえば、美少女のパンツを盗んで「ヒャッハー!」と奇声を挙げながら逃走したり、半額弁当を賭けて殴りあったり(笑)
これはキャラクターに疑問を持たせる方法です。
「このキャラは一体何なのだろう」とか「どうしてこんな事をしているのか」とか「これからどんな展開が待っているのだろう」とかです。
ちなみに、三行ではないですが、私の書いている主人公は冒頭から人を殺し、そして自分も死にます。もう一度言いますが、冒頭です。
添削用掲示板に張ってありますので、探してみてはいかがでしょう。かなり粗いものですが。
ではこれで。参考になれば幸いです。
冒頭を奇抜にするのは興味をひかせる基本です。
ライトノベルもプロローグはヒロインとの「一体どうなってるんだ!?」と思わせるシーンで、
そこからそこに至る経緯を朝起きたところから語りだすような作品をよく見かけますね。
ただ皆が皆奇抜にすればいいということもないと思います。
奇抜でもない作品で奇抜に始めてもちぐはぐになってしまうだけな気もします。
ですから比較的落ち着いている作風の作品(一般からライトノベルまで)を読んでみて、
その冒頭がどんなふうかまとめてみてはいかがでしょうか。
冒頭だけなら冊数を増やしてもそれほど負担にはならないでしょうし、
案外平和な冒頭の作品も多いのではないでしょうか。
読者に興味をひかせるために最初から目立たせて!とは言いますが、実際よくよく考えてみると冒頭文で購入を決める本も少ないですし、買った後最初の数ページが盛り上がってなかったからもう読まない、ということもなかなかないような気がします。
10ページくらいで読者に面白そうだと思っていただくくらいでもいいようにも思えますね。
初めまして、近頃掲示板をうようよしている蒼木です。
私もこういった題目に関しては力及ばずな面が多々ありますが、少しでもお力添えをとやってきた次第です。
『参考にならん』との判断が成された場合はスルー上等。
では本題。私独自の持論を前提に突き詰める他ないのですが・・・・・・・
書き出しで読者の興味を掴む小説は、冒頭部分におけるキャラクターの行動が謎だらけ、という事例が多いのではないかと。
興味は即ち好奇心な訳ですから、「これからどうなるんだ」と読者に先の展開をあれこれ思考させる様な文体である必要があります。
キャラクターの行動に付随する理由を極力描かない、とでも言いましょうか。
上記の例文にしても、主人公の女の子が「脱走した」とだけ書き留め、「勉強に飽きた」という理由は後々追及していく。この形にするだけでも効果はあると思いますよ。
駄文失礼いたしました。
面白そうなので思い付きで便乗します。
こんばんはミトリです。
まず感想。
面白みもなーんもないです。
ただ日常のヒトコマを書いているので可もなく不可もない印象でした。
理由は二つ
連想される情報がまるでない
謎もないから普通以外表現しようがない。
と言ったところだからです。
なにせ三文ですから、普通に書いたらアウトです(笑
なので私は真逆の出だしを書いてみました
以下文章。
ああ、わかってるさ、明らかに失敗だったと言いたいんだよな……。
だけど、なら勉強嫌いな俺達は一体どうすればよかったって言うんだよ!
○○は乱れる息を整えぬまま、冷たいコンクリートにうずくまるように横たわり、銃弾により死んだ回りの仲間の死を歎いた。
以上。
さっぱりわからないですよね(笑
しかし細かにみると何故と思う箇所を冒頭として書いています。
1・主人公は何故歎いているのか?
2・歎いている理由が仲間の死、それは何故か?
3・主人公が勉強が出来ないといっているが、それが仲間の死と繋がるのか
《結果》
何故主人公は勉強をしない為に仲間を殺され歎く必要があったのか?
ここまで引っ張り上げる冒頭は殆どありません(つうか分析おろか普通は考えない(笑
が、この中で上記の謎が一つでも読者が思えば作者の勝ちです。
興味を引くとは謎を相手にわかりやく思わせるのが大前提。
短い三文ならよけいにです。
それらを見直し、面白い冒頭を作りあげましょう。
駄文失礼しました(かしこ
たったこれだけで判断しろというのも酷ですが。
それでも言えることとしては、文章から見える人物像がたった三文ですでにぶれている、ということでしょうか。
というか魅力的な書き出しには、テーマの内包も、情報の提示も、世界観や展開の示唆も、何もいりません。
あってもいいですが、必要性は全くありません。
たとえばそのテーマで三文書くなら、現状持っている不満や閉塞感、脱走計画中の期待感、脱走の決行寸前の緊迫感、脱走成功後の開放感、といったものからどれかを選んでそれを描き、なおかつ、何からの脱走であるか、あるいは脱走であるかどうか、といった部分を伏せた方が、魅力的にはなるでしょうね。
どうもこんばんは純金です。
率直に言うと、この文章に別段魅力は感じません。
さらにいうと多分、ブクフでこれを手にとってパラ見しても、すぐに棚に戻すでしょう。
何でかというと、まず初っ端からただ主人公の自分語りなので、「ふーん、で?」ってなります。
ある程度読者を物語に巻き込んでから、こういう設定は公開すべきだと思いました。
僕がかなり引き付けられた書き出しは、フルメタの一巻と、戦闘城塞マスラヲの一巻ですかね。あとバカテス。
フルメタは、いきなり宗介が一発ボケをかましてくれます。で、そこから回想に入っていくので、「ほうほう、こいつらは一体何したの?」となります。
さらにマスラヲは、主人公のヒデオの第一声が(死のう)だったりと、「ちょ、どうしたどうした?」と引き込まれます。
バカテスも似たような感じで、いきなり明久が高校生活を雄弁に表現するボケをかまし、さらにバカテストで吹き出す――という風に、
最初に主人公のキャラを明らかにできるボケを入れるのは、かなり鉄板ではないでしょうか。
『笑い』というのは、古来から人間の心を和ませてくれ、さらに笑わせた人間及びそれに、親近感や興味を持ちます。
僕は演劇部の下っ端ですが、まず早いうちに観客を笑わせるのが大事だと思っています。
てなわけで、初っ端ギャグを入れるというのを手段の一つとして挙げさせてもらいました。
ただの読者ですので、読んでどうかについて書かせて頂きます。
以下、個人的感想です。
店頭で本を選ぶことも多いですが、そういったときは当然、数ページで購入を決定します。
(一応。裏表紙にあらすじがあれば、それを。次に冒頭二、三ページ。中程一ページ。これぐらいを読みます)
その物語を読む時間、小説の価格、そういった対価を得られると感じれば迷わず買います。
ですので、正直『三行』というほど短くなくても良いです。
個人的感覚では、三ページでしょうか。
実際面白い小説でも冒頭三行は、作中新聞記事の日付だったり、情景描写から入ったり、主観描写だったりと、まちまちです。
そもそもです。
これを書くと目標にされている『三文で小説を読ませる』の根底を揺るがしかねませんが、タイトルを利用される方が魅力的に映ります。タイトルそのもので読みたくなるということです。
タイトルで引きつけて頂ければ、あとは本文三ページに魅力を感じられれば、間違いなく購入します。
ラノベで例を出します。
うえお久光氏『悪魔のミカタ』
まず、『ミカタ』がカタカナになっています。ここに当てはめる文字にも色々ありますよね。
それぞれの漢字によって意味が変わってきます。
カタカナのまま、意味を『身方』だと受け取っても、(主人公が)悪魔の仲間、とも読めますし、悪魔が(主人公の)仲閒である、とも読めます。
タイトルそのものが読ませる力を持っている例かと思います。
(直接的な、長いタイトル、あれもターゲットを絞り込んで興味を引く手法だと思います)
三文で、という目標を決して否定しませんが、あまり固執すると奇をてらった文章になってしまうようにも感じます。
タイトルで引きつけてしまう、その上で冒頭数ページで引き込んでしまうのも手だと思います。
(より自然な文章であり出だし)
魅力的な出だしですが、ひと言で言うと牽引力です。
次のページを捲りたくなる、という事で、300ページであろうと700ページであろうと、それ全てを読みたくなるということです。
牽引力ですが大きく分けてふたつ。
ひとつは、文章そのもので期待させる小説。
『三行で』ということですと、こちらが近いように思います。
一文で世界に引き込む、情景が目に浮かび即座に世界に飛び込めるということです。
超有名な冒頭を例にするなら、川端康成氏『雪国』『伊豆の踊子』
(美文に限らず、これは独特の癖が感じられる文章でも引きつけられます。
言葉にすると『こんな表現方法があったのか』という感じ)
短文で勝負する世界ですし、詩も参考になるのではないでしょうか。
文体からも、高村光太郎氏は小説の参考にもなるように思います。
もうひとつは他の方々も書いていらっしゃいますが、純粋に『謎』『何故』を感じられるものです。
一行で感じられる物もありますが、ゆっくりとスロースタートして二、三ページ目ぐらいで、ぐいぐいと引っ張られるという作品も多くあります。
本棚から一冊、引用します。
目の前の景色が突然消えた。
永島聖美はなにが起こったのかわからなかった。全てが消えた。
引用『パラサイト・イヴ』 著作:瀬名秀明
冒頭から二行ですが、謎ですね。
少々ネタバレですが。
これは予想の範疇、交通事故だったのですが、ここから三ページ目まで、交通事故だったということを明かしながら、さらに大きな謎へと牽引していきます。交通事故よりも、もっと興味深い謎、それを知りたくなり、ページを捲っていくことになります。
そしてこの冒頭は、物語を通して重要な意味を持ちます。
個人的には、これはもう読むしかない、という状態です。
>この文に対する批評もお願いします。
批評なんて出来ませんので、好みの話で。
好みですので、辛口です。
以下、三行でということを念頭に置いての感想です。まず、
『お母さんの雇った家庭教師さんは面白いけど、勉強は飽きたので脱走してやった。』~机、と続きますが。
なぜここ(た。)で、改行しなかったのか、それがまず一点。
句読点ひとつ、改行カ所、カタカナ、ひらがな、漢字選択、これらを元に読みますので、無駄はひとつもなく、おろそかにしては伝わってきません。改行も文章です。
たぶんこの書き方だと、一行目でガツンと来ないと魅力的に映らないように感じました。
『お母さん』の雇った『家庭教師さん』と、『さん』が連続するのも、現状ではリズムを損なっているように感じます。
次に一番大きいのですが、冒頭一行で完結してます。
私は読んで、「そうですか、脱走しましたか」で終わってしまいました。
直接の理由は明かされていますので、何故脱走したか? にならないのです。
間接の理由に興味を抱かせるのは、これは主人公に興味を抱かせてからでないと、効果を発揮しません。
これに関わりますが、この文で重要なのは『飽きたので脱走してやった』です。お母さんだとか、家庭教師、勉強をここで入れる必要性をあまり感じません。
質問文と併せての感想ですが、短い文章で書くということに慣れすぎてらっしゃるように感じます。
端的に表現するのは良いのですが、同時に物語としてどう伝えるのか、ということも考えて頂きたいと感じました。
謎、何故、というのは、言い換えると読者からすれば『もどかしさ』でもあります。ここにスパイスとして『喜怒哀楽』を適量追加するのがストーリーテラーとして大切な部分ではないだろうか、と思います。
逆に書かれていないのに、想像で補えるという良さは感じました。
庭を散歩することが脱走として成り立つ、ということで、庭の広さや出自のバックグラウンドがある程度は感じ取れました。内面において母と家庭教師をさんづけしているのに、末尾が『やった』とあるのも心理面を垣間見ることはできます。
(もしも意図されたことと違っているならば、間違った情報が伝わったと言うことですが)
冬野まゆさんの本領発揮は、ここからだろうということです。
ただ、同時にそれが目的とされている、三行で読ませるものになったか、といわれると首を傾げます。
感想は以上です。
では、執筆頑張って下さい。
おー出遅れた感がハンパないっすね。どもどもフィーリングの狂人くんですよ!
人を惹きつける冒頭ですか。
手っ取り早いのは冬さんが惹かれる冒頭を参考にすることな気がしますな。
人によって惹かれるものってちゃいますし。
みなさんが解答しているでしょうけど、こうインパクトが大事なんですよ。うん。こうね。どっかんと。
物語の内容にもよりますが、私は「助走つけて読者をぶん殴る」というイメージをもって冒頭に取りかかることが多いです。あくまでイメージですよ。ぶん殴る対象は具体的に言えば読者の感情です。滅茶苦茶フィーリングですが。
つまり喜怒哀楽ですね。あれ、謎ってどれにカテゴリされんの?って感じはしますけど。
謎持たせるのも結局は似たようもんですし、皆様が言うこと纏めたら近い感じになるんでしょうか。
大丈夫か俺の話。
前提を覆すのはあれなんですが、正直私は三文で読者を魅せる文章なんて書けないと思ってます。
書き出しというかプロローグ勝負? 一ページ目から二ページ目勝負? が拙者のスタイルです。
だから例文を読んでも「ふーん。そうなんだ」としかならないのです。かたじけない。
うむむ、上の方と同じく出遅れた感が凄いですけど、持論でよければ少し。
冒頭に乗せるべきは『異常』、あるいは『非日常』。
一人称でも三人称でも、普通の内容から入ったのでは面白味がありません。
他の方が仰っているようにインパクトが大事です。
しかし一口にインパクトと言っても難しいですよね。
そんなこと言われても困る、というのが誰でも抱く心情のはず。
なのでいきなりインパクト! と考え込むのではなくまず普通について考えてみましょうか。
散々酷評されてる例文を参考に使いましょう。
>お母さんの雇った家庭教師さんは面白いけど、勉強は飽きたので脱走してやった。机にかじりついているよりお庭を散歩していたほうが私には合っている。今まで疑うこともなくお母さんや大人の言うことを信じて疑わなかったけど、自分がつまらないのはやめだ。
何が普通か。
1・勉強は飽きた。
2・勉強より散歩(つまり遊び)がいい。
3・自分がつまらないことはしない。
普通ですよね? あ、「2」の遊びは趣味や自由時間に置き換えても結構です。
と、このように一文ずつ分解しても普通の感性、普通の内容しかないわけです。
共感はしやすいかもしれないですが、余りに当たり前のこと過ぎてつまらない。
今更言われるまでもない、ということで。
しかもこの三文では勉強が嫌だというどれも同じ情報しかないため、余計インパクトからは遠ざかるスローな始まりとなっているわけですね。
さて、例文のインパクト不足が分かったところで次に行きましょう。この文章にインパクトを与えるには背景や設定など情報が少なすぎるため諦めますが、必要な異常、非日常とは何か例を上げて説明してみます。
人間とは赤いモノなのだと少年は理解した。
そして世界も本当は赤いのだと、少年は了悟した。
焦げ臭い空気と濛々たる炎は、祭りのキャンプファイヤーでさえこんなにも酷くない。
輪になって踊り躍った人々は、今や全身を赤くしてごろごろと寝そべっている。
暮れなずむ夕焼けが空をも赤く染め上げ、焙られた熱波は村中を覆い尽くす。
地獄もかくやという風景のただ中でぼんやりと、種々雑多に様々な赤を眺めていた。
えー……三文の倍、六文で申し訳ありませんが、前半分だけを見ていただいても理解できるかと思います。
しかもアップしてある自前の小説から取ってきた物だったりします。注意。
まず第一文。いきなり血を想像させるような内容。既に非日常です。
第二文。世界の赤さって何?という疑問が入ります。
そして第三~第五文。情景描写で今主人公がどういう状況にあるか説明しています。すぐ上で出た疑問の答えが炎であると、何となく分かりませんか?
最後の六文目で主人公が今何をしているかという行動の描写ですね。余り動いてませんけど、じっとしているのが分かるかと。
で、この後から本格的に物語が始まって、ガンガンと事態が動いていくわけです。
……うん。自分の文章を例にするだけでもアレなのに、客観的に好例として分析しようというのが凄くアレです。ここで止めときましょう。
というか、疲れました。
時間もなくなったので、打ち切り。
続きはまあ、気が向いたら書くかもしれません。
以上。
ではまず、プロの小説の冒頭を見てみましょう。
「雷太を殺そう」
村の中学校からの帰り道、農道の途中にある弁天神社の前で兄の利一が言った。低音だが力のこもった声だった。
引用『粘膜人間』 著者:飴村 行
この文ですごいのはいきなり固有名詞を使って読者を惹きつける事です。
しかも、兄と描写されているので弟を殺そうとしているのが分かりますよね。
つまり固有名詞で惹きつけながら、この短い文で強い意志を兄が示しているのが分かります。
もちろんこの文ほど短く、完璧を求める必要はないのですが、一ページには読みたいと思えるモノを作りだす必要だと思います。
では冬野さんの文の添削をしていきます。
この文からわかるのは勉強がつまらないから家出したという事です。
なので冒頭の文は省略しましょう。一番最初のページが文章がびっちりだと幻滅するように、冒頭から読みにくい文はその後もこんな感じに続くのかと意識させられます。
その為に冒頭にセリフや綺麗だけどさらっと読めるモノだと続けて読む事ができるようになるはずです。
それと心理描写はあまりしない方がいいと思われます。冒頭から心理描写が入っていると独りよがりな作品と思われる事があるのでできれば自分がみている景色と心の内を結びつけるようにした方がいいです。
はじめまして。最近このサイトを知った初心者のライスケです。
早速ですが、この文章を読んで私が感じたのは、家庭教師がわりと好きだけど勉強はキライ? 主人公はどっちに向かっているんだ? ということです。あと、「疑うこともなく~信じて疑わなかったけど」のくだりですが重複表現だと思います。
有名なのですと「頭痛が痛い」というアレですね。前半は無くしてしまってもよいのではないでしょうか。
本題です。
小説を雰囲気とキャラクター重視で読んでいる私のようなタイプには、最初の数ページで「主人公の性格」「作品全体の雰囲気」がわかることが理想です。
主人公の性格」は明るいや暗い、熱血や冷静といった基本的なことから、「最終的に何がしたいのか?」「どんな過去を送ってきたのか?」までがなんとな~く、ほんのり分かるといいと思います。
次に「作品全体の雰囲気」ですが、これは例えば(少し読んだだけだけど、街は綺麗だし、主人公には友達いっぱい。なんかハッピーエンドっぽいなー)くらいのものです。
例えば、小説の終わりとともに世界崩壊&主人公死亡するのか? それともこの世界はいつまでもどこまでも続くのかな?なんて思ったりします。もちろん逆手にとって、幸せオーラ全開から不幸まっしぐら、なんてこともできますが(笑)
まとめると三文の範囲では「主人公はこんなやつ!」(バーン!)「舞台はこんなとこ!」(ババーン!)「このお話はだいたいこんな感じ!」(ぽわわ~ん)のどれかひとつでいいと思います。
たとえ、後から性格を変えたり舞台が変わるとしても、第一印象ですぐわかるキャラクターは大事です。私は以上のことを心がけてます。
最後に、私もテーマに沿って書いてみます。うまく伝わるといいなぁ……。
「現実逃避の為の脱走」
――どれくらい寝ていたのかもわからない。気がつくと、日は高く昇り、時計もすでに鳴ることをやめ、何事も無かったかのように振舞っている。
かまうものか、とわたしはありったけの力で布団の中へ潜り込んだ。
うーん難しいですね。たかが三文、されど三文。では、お互いに頑張りましょう!以上です。
こんばんわ、クマ太郎と申します
読者をひきつける書き出しですか。フムフム。
ただ、コレだけははっきりと申し上げることが出来ます。
サンプルとして読ませていただいたあなたの文、これではダメです。
どこがダメなのか、具体的に書き出します。
「机にかじりついているよりお庭を散歩する方が私にはあっている」
このフレーズです。
このフレーズが入ってるだけで、読者はあなたの小説を読まずに立ち去ります。
おそらく七割がた、本棚に戻してしまうことでしょう…ていうか、この一文がなくても意味は通ります。
何から何まで説明することはないのです。
あと、「勉強に飽きたので脱走した」ではなく、
「脱走した。理由は勉強に飽きたから」と、ひっくり返してみてください。
で、本題の「読者をひきつける書き出し」ですが、
そこばかりを熱心にやっても、後が続かないのではどうしようもありません。
逆に申し上げれば、後に続くしっかりしたものがあれば、読者をひきつける冒頭は自然と出来上がるのではないでしょうか?
面白い小説は磐石の舞台設定があります。名優が演じるキャラがいます。そして名監督=作者がいます。
とにもかくにも、いつも私がここで申し上げているように、たくさんご本を読まれ、いろんな方とお話になり、いろんな良いものをご覧になってください。
どうかお焦りになりませんように。
わかりにくいコメントであいすみません。少しでもご参考になれば幸いです。
質問者の例文を雛型にして一つ実験をします。
現状、書かれている主人公の行動や心情を、一部反対に置き換えてみます。
テーマ:「現実逃避の為の脱走」
現状>お母さんの雇った家庭教師さんは面白いけど、勉強は飽きたので脱走してやった。机にかじりついているよりお庭を散歩していたほうが私には合っている。今まで疑うこともなくお母さんや大人の言うことを信じて疑わなかったけど、自分がつまらないのはやめだ。
実験>お母さんの雇った家庭教師さんは嫌いだから、勉強が好きなのに脱走することにした。机にかじりついていたいのにお庭を散歩しなければならない。今までずっと疑ってきた母さんや大人の言うことはやはり信じられないけど、自分をつまらなくしなければ生きていけないのだ。
以上のように、登場人物の行動をおおむね現状と反対にしてみました。
実験文で注意した点は、矛盾する心と行動です。
1:勉強させる存在の家庭教師によって、好きな勉強ができなくなる。(家庭教師への謎)
2:勉強が好きなのに、庭を散歩しなければならない。(主人公の現状への謎)
3:母親や大人を信じてないのに、言うとおりつまらなく生きなければならない。(人生観への謎)
冒頭で矛盾が生まれれば、それを克服するために、主人公がこれからどう動くのかという興味が湧くように思います。現状文には、この矛盾がないように感じました。
現状文の主人公は何か大きな不満を感じているのかもしれませんが、おおむね主人公は自身の思うとおりに動いているので、読み手としては「そうですか順調に行動できてよかったですね」と飲み込むしかないのです。
これから何か大きな苦難にあうのかもしれませんが、その苦難が何なのか、まだ描かれていないので、読者には感じられないのです。
深読みして考えれば、主人公は不満を抱える境遇に追い詰められて可愛そうと思うどころか、空気の読めないバカな子と思われるかもしれません。やりたいように動き回ってなおかつ全てが気に食わないただの不満分子だと思われるかもしれません。
しかし、たいがいの読者は、冒頭でそこまで深読みしてくれないと、私は考えています。
順調に行動している他人の不満に対して、読者はあまり興味がない。
不満には興味ないのですが、順調に行動できない不幸にはわりと興味がある。
不満と不幸は別物なのでしょう。
現状文で設定された主人公のキャラクターから離れるとすれば、気立ての優しい子の不幸ならなおさら気になるでしょう。例えば・・・
・育ててもらった母親には本当に悪いけど、信じることができない。家庭教師も受け入れるわけにいかない。
・夕食に母親が作ってくれる大好物のシチューと引き換えにしても、僕は庭を散歩し続けなければならない。
などのようにです。
質問された内容にインスピレーションをもらって、こんな風に考えてみました。
他に回答を書かれているみなさんの意見も、とても参考になりました。
ありがとうございます。
私は逃げた。とにかく逃げた。
あの家庭教師も、母親も、あの家のすべてが嫌になった。
見晴らしがいいところへ行こう。それだけ考えて私は走ったのだ。
私だったらこんな感じで書きます。
皆さん書いていますが、最初は「どうして?」って思わせることが大事なことのように思います。私の書き方でそれが出来ているかは、わかりませんが……
以上、初書き込みの久楽でした。
初めまして。
未だに長編を書くことの出来ない若輩の身ですが僭越ながら。
敢えて同じような内容で私が書くとしたならば下のようになります。
◆ ◆ ◆
僕は家を飛び出した。
とはいってもするのは家出ではなく庭の散歩なのだが。
限界だ。もう我慢するのはやめた。
ずっと信じていた母が僕の為に見繕ってくれた家庭教師に不満はない。面白くていい先生だけれど、勉強はもう嫌だ。
そうとも、僕は牡蠣的人生を送る気などさらさらない。書を捨て庭に出るのだ。
◆ ◆ ◆
最初の一文で要点を述べるのはかなり有効だと思われます。
例えば太宰治の「走れメロス」の冒頭の一文「メロスは激怒した」や夏目漱石の「吾輩は猫である。名前はまだない」などは非常に惹きつけ方がうまいと私は思うのです。
家出に付いてだらだらと引き伸ばすよりも、最初に一文で結果を述べてそれに至る経緯を説明するのがいいのではないでしょうか。
あとは、ときどき良く知られているフレーズをもじって使うのも面白いかもしれません。
ただ、ラノベとは少し違うかもしれません(汗)
初めまして。
正直役に立つかどうかわかりませんが個人的な考えを言わせてもらえれば、小説を読むかは上手い下手じゃなく好きか嫌いかで決める人が大半だと思います。
時間とか集中力は有限なので当たり前かもしれませんが・・・
なので、もし三文で読ませたいと思うのであれば、その三文の中に読者が好きそうな言葉をいれて見るのはどうでしょうか?
もちろん作風にもよりますが、キーワードをいれることによって読者にどんな小説かを印象づけることができるかもしれません。
例えばキーワードを美少女とすれば、
――
お母さんの雇った家庭教師さんは面白いけど、勉強は飽きたので脱走してやった。そして美少女とぶつかってしまった。机にかじりついているよりお庭を散歩していたほうが私には合っている。
のように前後の脈絡がまったくありませんが強引にいった方が印象が強くなるかもしれません。
求めていたものとは違うかもしれませんが参考になったら幸いです。頑張ってください。
皆さん作者視点で書かれているようなので、一読者として意見させていただきます。
それも、それほどヘビーではない読者として。
まず例文の批評ですが、 ただの3文だったとしても全く読む気がしません。
かなり、ひどい物言いになりましたが素直な感想です。
お金を出して買った書籍だったとしたら読みますが、読むのが苦痛です。
正直、最初に長々と地の文章を書かれても、じっくり読む気にはなりません。
それがどれほど卓越した文章だったとしてもです。
もちろん、最後まで読んだ後に、その冒頭の良さに気づくことはありますが、それでは、今回の冒頭で興味を引くという話題から外れてしまいます。
とすると、考えるべきは、文章の配置や内容ではありません。
そもそも地の文章は、読者にとって、その時点ではただのぼやけた風景でしかありません。
風景がぼやけているのに、
「あそこに桜の木がありますよね」
「右端の家は少し形が違いますね」
などと言われても、意味がわからないわけです。
当たり前な事ですが、読者は作者の友達でもなければ、物語の登場人物のことを知っているわけでもないからです。
ですが、最初から、ある程度興味があることは疑いようのない事実です。
売り物なら、お金を出して本を買いますし、Web小説であれば、自ら読もうと思わない限り画面は表示されないからです。
では、さらに興味を引くには、どうすればいいかといわれれば、
『登場人物のセリフを入れる』
です。
驚き、新鮮さ、世界観、謎、それらの、興味を抱かせたい内容を、セリフから連想させることが、一番ではないかと思います。
とりあえず、セリフ部分には誰しも目が行きます。
自ら読もうと思って手に入れた本ならなおさらです。
言うなれば、もっともハードルの低い興味の対象は、登場人物のセリフです。
そのハードルをクリアしたあとに向かうためのハードルが、他の方が投稿されている、謎、つまり知りたいという欲求ではないかと思います。
まず、知ってもらうこと。
そのための手段として地の文章で行くのも無理ではありません。
最初の3~5行くらいは読むでしょう。
そこで惹かれるものを見つけてくれるかもしれません。
しかし、そのあとの6行目~次のセリフまでは流し読まれる可能性が大きいです。
こうなると、どこに何を持ってくるかという、いわゆる「賭け」要素が強く出てきてしまいます。
もちろん、全てを一字一句逃さず読んでくれる読者もいますが、そんな人は稀です。
ですので、その賭け要素を手っ取り早く軽減させるための『セリフ』です。
まず間違いなく読みますので、そこで、
・何を知って欲しいか?
・何を感じて欲しいか?
作者の意図するものを、読者に抱かせるセリフを入れることです。
それをいれることで、最初は、ただのぼやけた風景だった地の文章が、読者が目を凝らして見たい風景、つまり、読んで、頭を使って、理解したいものに変わります。
読者が、一番惹きつけられるのは登場人物であり、そのセリフです。
登場人物の回想や妄想、心の声ではなく、セリフです。
それこそ、純金さんが投稿されている内容の通り、マスラヲの「死のう」でいいわけです。
※申し訳ありませんが、私はマスラヲを知りません。
インパクトがどうだとか、日常か、非日常かということも、とても大切だとは思いますが、それを踏まえた上で、それをセリフで表現すること。
もしくは、どの部分をセリフにしてどの部分を地の文章にするかという選択です。
結論として、書き出しで読者を引きつけるには、
『セリフで匂わせること』
です。
単純にハードルが低いからです。
ですので、ハードルが低く、なおかつ、次への踏み台になる内容を、最もハードルの低い「セリフ」というものに、こめることではないかと思います。
素人がわかったふうなことを申し上げましたが、以上が、イチ読者としての正直な感想です。
長文失礼しました。