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手塚満さんのランク: 大作家82冠王 合計点: 365

手塚満さんの返信一覧

元記事:同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信の返信の返信の返信

 >手塚満さん

 再度ありがとうございます。ドラコンです。

 質問を投稿した上に、二度もご回答いただいておいて、こういうことを申し上げる失礼を、あらかじめお詫びします。

 この話は、ひと言で言えば「銀鈴が、幽霊皇后(麹香々)に気に入られる」です。

 幽霊皇后(麹香々)が出現し、銀鈴自身が投獄された理由は「幽霊調査」と気付けば、この話は終わりです。牢番の前に幽霊が出ていけば、忠元側の目的は達しています。

 ですので、この時点では銀鈴が幽霊を隠す必要はありません(忠元側が「幽霊は問答無用で、『退治』」と動いていれば別です。ですが、銀鈴投獄はあくまでも「調査」が目的)。

「銀鈴たちが幽霊の存在を隠す。そのために牢屋暮らしが長くなる」との案も考え付きました。ただ、隠す理由もないし、銀鈴が「幽霊調査の囮にされた」と認識すれば、ブチギレます。どうにもこうにも、その後の展開が不自然に感じられました。

 結局、複雑な話にしても、まとめ切れそうもありません。そのため、幽霊が現れた時点で、幽霊に≪新人女官伝≫の詳しいあらすじを話して、終わりにしました。

 質問冒頭で書いた通り、既に半分程度書いています。それも、香々が出現し、香々に≪新人女官伝≫のあらすじを話す場面です。また、あまくささん宛の返信でも書いた通り、早く書いてこのサイトに投稿したい気持ちが半分、書くのが面倒に感じる気持ちが半分です。

 質問の目的も、構想を膨らませるよりも、不要な部分を削る、との面が強いです。

 さらに補足として、「1、プロット【序】で、牢屋に入れられた銀鈴と侍女2人が、≪新人女官伝≫を話題にする」の部分では、≪新人女官伝≫のストーリーは断片的です。全体像を明らかにするのは、「2、プロット【破】で、幽霊皇后(麹香々)に≪新人女官伝≫の内容説明をせがまれて、細かく説明する」のほうです。

上記の回答(同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信の返信の返信の返信の返信)

投稿者 手塚満 : 1 投稿日時:

再び、詳しい御説明を頂きましてありがとうございます。とは申すものの、多少当惑しております。こちらから申し上げていることに対し、スレ主さんが仰ることがどうも噛み合わないように感じると申しますか。しかしおそらくは原因は自分の説明が拙いからでしょう。

もう一度だけ、要点を中心に説明してみます。

まず、あまくささんのNo: 2以降の良回答は自分のより先にあり、重複は避けております。場合分けをしての分かりやすいご回答ですね。自分も考え方等、大変に参考になります。

そのご回答と重複しないことを申し上げてみております。それも劇中劇≪新人女官伝≫詳細をいつ読者に明かすか、という点です。獄中等のタイミングでの情報開示については、あまくささんが言及されておられます。

ですので、最後の最後(おまけのタイミング)で劇中劇≪新人女官伝≫詳細を明かす場合の効果について説明いたしました。最初の回答では具体的、かつ御作と被らないよう、別プロット例も出してみました。

かつ、2回目の回答では、読者に開示するタイミングについて、ということも申し上げました。御作で主人公 銀鈴が幽霊皇后に劇中劇≪新人女官伝≫詳細を伝えるのはプロット上決まってまして、これは動かせるわけがありません。

それを読者に明かすのがいつか、という案です。作中キャラの行動は変わりません。変わるのは読者が受ける印象です。自分が申し上げたのは、「遅くに明かすと、こういう印象が出せる」ということです。

劇中劇の説明を削る、というのはご質問にあります。それを踏まえて、終盤以前での説明を削った場合の話をしております。物語内容を複雑にするものでもありません。ご質問趣旨に外れるものではないはずです。

さらにもちろんのことですが、御作内容をこう変えたほうがいい、というようなものではありません。仰る範囲内で、まだ言及がなさそうな部分についてはこうなりそう、という話をしているつもりです。

ですので、仰ることを図りかねております。ただ、それは自分の説明に何か根本的な欠陥があり、かつ自分ではそれが何か気付けなくて、こうなっているのだろうと思います。もし上記説明で伝わればよいのですが、そうなりませんでしたら、自分の文章がマズいことに原因があります。予めお詫びして、他意がないことだけはお伝えしたいと存じます。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 同じ場面を2、3回読ませることの是非について

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元記事:同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信の返信

  >手塚満さん
 
 ご回答ありがとうございます。ドラコンです。
 
 >結論から先に申し上げると、具体的に≪新人女官伝≫の内容を語るのは、〈おまけ〉の上演の一度で充分ではないかとなります。それ以上はくどいでしょう。
 
 先にご回答いただいたあまくささん宛の返信でも述べましたが、〈おまけ〉の上演自体が、「蛇足」になりそうです。そもそも、〈おまけ〉は〈おまけ〉ですから、なくても大丈夫そうですし。
 
 >1、プロット【序】で、牢屋に入れられた銀鈴と侍女2人が、≪新人女官伝≫を話題にする。
 
 プロットのほうでは、書かなかったのですが、ここでの≪新人女官伝≫の話題は、以下の感じです。
 
 1、銀鈴が着せられた囚人服が、「≪新人女官伝≫で、銀鈴が囚人役でもある≪新人女官≫役で着ていた『舞台衣装』だった」。これに銀鈴がツッコむ(ちなみに、同時に捕まった侍女2人の囚人服は新品)。
 2、銀鈴がやたらと「牢屋慣れ」の発言を繰り返す。これに、侍女2人から、「さすがは≪新人女官伝≫で囚人役(≪新人女官≫役)」をやっただけのことはある、とツッコまれる。

上記の回答(同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信の返信の返信)

投稿者 手塚満 : 1 投稿日時:

丁寧な補足説明を頂きまして恐縮です。

おまけはおまけということはスレ主さんのご構想から出たことで仰る通りですし、牢屋慣れしている理由は作中劇≪新人女官伝≫に関わるものだというわけですね。そこは幽霊皇后と関わるポイントになるということになってきそうです。

ただ、申し上げたいポイントを言葉を変えて申せば≪新人女官伝≫の具体的内容を読者に開示するのを、どの時点で行うかということになります。

御作では、主人公に対するドラマ的な障壁は幽霊皇后でありそうです。投獄するのは忠元らですが、主人公にも隠すミッションは幽霊皇后の処置ですね。主人公の勝利条件は獄を出ることではなく、その条件である幽霊皇后をいかにするか。

これは幽霊皇后と主人公(銀鈴)の関係性いかんで決まって来る問題です。そして幽霊皇后は≪新人女官伝≫における過去の悲劇の人物であり、その劇中劇で詳細が語られている。となりますと、御作で≪新人女官伝≫の詳細を語れば、読者には主人公が幽霊皇后をどうすべきか、いかにするかが見えて来ることになります。

もし獄中で、主人公と幽霊皇后との間だけではなく、読者にも≪新人女官伝≫の内容を明らかにしますと、主人公と幽霊皇后の為すべきことはほぼ決まり、後は一本道になりやすい。ストーリーは進むが、もうドラマは発生しないということになります。

しかし、御作のストーリー進行からしますと、主人公と幽霊皇后の間では獄中で≪新人女官伝≫の内容が共有されなければならないわけですね。そうでないと獄を出るために協力しないはずですから。しかし2人は情報を共有して、意思決定も行って、協力しての動きを見せる。ここ自体は一本道です(その一本道に障害物が置かれるにせよ)。

となると、読者に対してどうするか、になります。主人公が何をどうして為すかは読者にも知らせておいて、その場その場のノリや、何をすればいいか分かってるけど、なかなかうまく行かないドタバタ等を面白く描くということなら、獄中で読者にも≪新人女官伝≫をはっきり知らせておけばいいでしょう。

そうではなく、主人公の行動が一連のドラマに仕立てたいとします。それなら、例えば最後のオチとして、主人公(たち)の意図を演劇内容で示し、そこまでの行動の意味が一気に明らかになるようにすれば、インパクトを生じさせることが可能です。

どちらでもいいし、それ以外のやり方もあろうと思いますが、せっかく劇中劇を詳しく設定し、作中でも積極的に用いたいとお考えのようですので、≪新人女官伝≫の内容を読者に示すタイミングは遅めにしてはどうかと思った次第です。その場合、おまけはおまけとは限らないことになります。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 同じ場面を2、3回読ませることの是非について

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元記事:同じ場面を2、3回読ませることの是非について

 ドラコンです。何度も質問している、鉄道が存在する中華風後宮ファンタジー『寿国演義 銀鈴、牢獄で幽霊と邂逅す』(仮称)の追加質問です。既に半分程度は、書いています。

 作中の重要キーワードである、演劇≪新人女官伝≫(あらすじは、プロットの後に記載)は、数え方にもよりますが、2、3回は、以下のようにまとまって出てきます。

 1、プロット【序】で、牢屋に入れられた銀鈴と侍女2人が、≪新人女官伝≫を話題にする。
 2、プロット【破】で、幽霊皇后(麹香々)に≪新人女官伝≫の内容説明をせがまれて、細かく説明する。
 3、プロット【急】の〈おまけ〉で、幽霊皇后(麹香々)にせがまれて、≪新人女官伝≫の一部場面を上演する。

 同じ場面を、最大3回も読ませて良いのでしょうか? というより、読ませるべきではないでしょうね。私が読んだ小説でも、同一場面を主人公、ヒロイン、副主人公それぞれの視点、つまり3回書いてあるものがありました。正直、ストーリーが進まず、イライラしましたね。

 特に「3」は不要かな? とは思います。若干詳しいとはいえ、内容も、表現も「2」とそれほど変わらないような感じがします。幽霊皇后(麹香々)に見せるための公演は、地の文で「≪新人女官伝≫のうち、〇〇の場面が上演された」とだけ書いて、逃げたほうが良いのでしょうか?
●プロット(最新版)
【序】
 後宮内で、主人公の皇后・銀鈴は、侍女2人とともにコオロギ相撲賭博に興じていた。そこを、皇帝・仁瑜と、仁瑜の側近であり最高裁長官兼検事総長兼法相の忠元に見付かり、侍女共々逮捕される。この時、大規模な賭けコオロギ相撲賭博大会の証拠が発見され、押収される。
 その後、拷問部屋で忠元の部下で、判事見習の少女・芳雲から、芝居がかった取り調べを受ける(拷問はなし)。
 
 牢屋に入れられた銀鈴たちのもとに、女官に変装した仁瑜と皇太后が訪れる。仁瑜が銀鈴に、「大逆罪ならともかく、賭博罪なら計画段階を処罰する法はない」と言う。これで、銀鈴は侍女2人と一緒に、「コオロギ相撲賭博ブームを押さえるための『生贄』にされた」と認識する。
 
 また、皇太后が作った「謎のお守り」も差し入れられる。効果は分からぬが、後宮の牢屋には「幽霊が出る」とのウワサが強いので、「幽霊除け」のお守り、と銀鈴と侍女2人は考えた。
【破】
 銀鈴と侍女2人は、忠元による裁判で「賭博の咎により、当分の間の労役刑」を宣告される。労役の朝、朝食が食べる直前に消えた。銀鈴たちは、「幽霊に朝食を食べられた」と代わりを求めるが、牢番は「既に朝食は出したのだから、規則で代わりはない」と拒否する。
 
 銀鈴たちは、労役の庭掃除中に、空腹に耐えかねて庭木のイチジクを無断で食べる。これが「獄則違反」とされ、懲罰房行きとなる。

 懲罰房で就寝中、急に寒気を感じて目覚めた銀鈴たちの目の前に、囚人の幽霊が現れる。この幽霊こそが、300年前にその懲罰房に収監されていた、悲劇の踊り子皇后・麹香々(きくこうこう)だった。香々は、仁瑜の祖父母の祖母の曾祖父の姉。

 香々は、銀鈴が「当代の皇后」と知り、興味を持った。銀鈴たちがなぜ牢屋に入れられたのか、特に銀鈴が「皇后なのに、牢屋慣れ」している理由を尋ねる。

 銀鈴たちは、この質問に答える。香々は、その答えの中で、「香々が、嫉妬した側室の讒言により投獄され、獄死した事件を基にした演劇≪新人女官伝≫で、銀鈴が主役の≪新人女官≫を演じた」ことに、食らいつく。この≪新人女官伝≫の内容について、詳しい説明を求める。銀鈴たちは、その内容を詳しく説明する。

 香々は、銀鈴が徹底した自己稽古をしたことを知り、同じ舞台人として感ずるところがあり、銀鈴を大いに気に入る。

【急】
 香々は、銀鈴たちが身に着けている「お守り袋」を気にし、「裁縫道具を持ってくるから開けてみよう」と言い出す。開けてみると、中身は「幽霊除け」ではなく、正反対の「幽霊おびき出し」の霊符だった。

 これで、銀鈴は同じ「生贄」でも「コオロギ相撲賭博ブームを押さえる」ではなく、「幽霊おびき出し」の生贄にされたと悟り、ブチギレる。理由は生贄にされたこともあるが、それ以上に「食い物の恨み」。ほぼ1日、断食を強制された。香々が朝食盗み食いのお詫びとして、牢番の夜食を盗んできたが、朝食は食べそこない、昼食は規則(懲罰房の食事は朝夕2回)で出されず、夕食も規則で重湯同然の薄い粥とお情けの漬物。
 
 夜が明け、朝食が届けられた際、香々が懲罰房を出て、牢番を脅して、懲罰房の扉を開けさせる。銀鈴が、牢番を詰問する。牢番の答えは、銀鈴の推測通り、銀鈴たちの懲罰房送りは「幽霊退治のための忠元の策」。

 銀鈴は、自身の住まいである皇后宮に忠元と仁瑜を呼び出す。忠元は「全て銀鈴の推測通り」と認め謝罪する。怒りが収まらぬ銀鈴は忠元を、雷符で攻撃する。が、不発に終わり、気絶する。そこに、仁瑜が遅れてやってくる。

 仁瑜に介抱され、目を覚ました銀鈴は、「幽霊退治をしたかったら、初めからそう頼みなさい! 囚人役ならやってあげたのに」と、怒りが収まらない。香々から、「銀鈴が『本物の囚人』だったから、出てきたのよ」と言われて、銀鈴は怒りを収める。

 幽霊騒ぎ収束のため、霊廟において、祭祀を行い、香々を大々的にお披露目する。

〈おまけ〉
 香々のお披露目祭祀の後で、香々に見せるため、≪新人女官伝≫の一部が上演される。
 香々が、「都から故郷まで列車で35時間で行ける」「故郷で取れた新鮮な果物が都で簡単に手に入る」ことで、鉄道に興味を持った。香々に鉄道を見せることを兼ねて、事件解決のご褒美で、離宮へ日帰りの温泉旅行をする。

●≪新人女官伝≫(仮称)の配役とあらすじ

・配役

 ≪新人女官≫と公主 銀鈴
 悪妃と公主付侍女 皇太后 
悪妃付侍女(≪新人女官≫の先輩) ≪侍女A≫≪侍女B≫
公主付侍女頭 香々(幽霊皇后)のそっくりさん

・あらすじ
 
 嫉妬から、讒言で幽霊皇后の投獄に成功し、幽霊皇后を死に追いやった悪妃は、そのたたりで毎夜悪夢にうなされていた。
 そのストレスのはけ口に、≪新人女官≫を虐待していた。ある朝、≪新人女官≫は悪妃に洗面用の水をぶっかけてしまい、それが「不敬罪」とされ、投獄される。
 ≪新人女官≫は、公開で百叩きの上、無期限の重労役の刑に処される。そして、労役として、悪妃宮中庭の石畳磨きを命じられる。
 連日の重労働と虐待、空腹に耐える≪新人女官≫は、夢の中で公主(姫)に転生し、同時に悪妃も公主付侍女に転生。そして侍女頭と共に、公主付侍女(悪妃)を「馬」にして、「お馬さんごっこ」をする。
 悪妃は連夜の夢の中での「馬」扱いの心労で、死亡。悪妃の讒言を聞き入れた≪悪帝≫も、長年の不摂生がたたって死亡。
 ≪悪帝≫のまた従弟の王子が新帝として即位。≪新人女官≫も釈放され、新帝付の侍女となる。その後、≪新人女官≫は新帝に見初められ皇后となった。

・補足

 銀鈴が初主演(≪新人女官≫役)を務めた後宮劇団の演目。香々を獄死させた玉雉の後日譚。舞台の王朝「寿国」とは、別の「架空王朝」での出来事との体裁を取っている。

●関連スレッド

「寿国演義 銀鈴、牢獄で幽霊と邂逅す」(プロット)
 https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/plot/novels/thread/628

「作中で演劇が話題になる場合の、その演劇のあらすじの扱いは?」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13104

「出オチは是か? 非か?」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13112

「真犯人の居ない(事件自体が起きていない)冤罪事件の立証方法は?」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13078

「中華ファンタジーの過去ネタ焼き直しについて」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13039

上記の回答(同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信)

投稿者 手塚満 : 1 投稿日時:

結論から先に申し上げると、具体的に≪新人女官伝≫の内容を語るのは、〈おまけ〉の上演の一度で充分ではないかとなります。それ以上はくどいでしょう。

1.御作では≪新人女官伝≫の内容は最後の種明かしに向きそう

お示しの最新プロットでは、各章の直接のつながりは薄そうで、それだけに各章それぞれで、いわばその場のノリ重視のテンポのよい、見栄えするシーンで目を引くものにできそうです。自分なりに話の流れをまとめなおしてみますと、以下の感じでしょうか。

1:主人公 銀鈴はコオロギ賭博の罪で投獄、ただし隠れた原因忠元の思惑は別(幽霊退治)。
 ↓
2:主人公 銀鈴は刑務所の処遇に耐え兼ねて行った違反で懲罰房へ、ただし隠れた原因は幽霊皇后の盗み食い。
 ↓
3:主人公 銀鈴は懲罰房で幽霊皇后と遭遇して意気投合(幽霊皇后題材の演劇の主役だから)。
 ↓
4:主人公 銀鈴は幽霊皇后を外の世界に連れ出し、もてなす。

3から4前半はおそらく御作のクライマックスになりえます。テーマを「友達」としてみますと、銀鈴に友達(幽霊皇后=香々)ができ、その友達のために尽くすパートになりますので。

幽霊皇后が銀鈴に親和的になり、釈放に力を貸すのは、銀鈴が≪新人女官伝≫で幽霊皇后の恨みを晴らす役を演じることにありそうです。となると、最後に〈おまけ〉で≪新人女官伝≫が上演されるのは、その種明かしに使えます。

牢内で演劇の話を、内容を読者に伏せて、銀鈴から幽霊皇后にし、途端に幽霊皇后が態度変化したとします。読者には理由が分かりません。しかしとりあえずは投獄という状況の脱出です(及び関係者への仕返し)。

釈放後に幽霊皇后が忠元に怒るも幽霊皇后が宥めるのは、本物の囚人という理由ですね。ただし、それは公式にはそうされたということで、理由が別にある投獄であったのはプロットから明らかです。幽霊皇后が銀鈴に同情したくなる事情であるはずです。

その2つ(銀鈴と香々が友達になれた理由)を最後(〈おまけ〉)の演劇上演で明らかにするとすれば、内容を詳しくは語らないほうが劇的にしやすいように思います。途中までで読者に明かすのは「無実の罪で獄死した皇后の芝居」くらいでしょうか。

2.別プロットなら、≪新人女官伝≫を繰り返し説明することもあり得る

お示しのと別のプロットならば、≪新人女官伝≫を何度か説明しても自然な運びも可能でしょう。例えば、物語中盤までで示される≪新人女官伝≫(旧)と最後に上演される≪新人女官伝≫(新)が別のプロットになるように持っていくドラマにしてみる。以下のようなものが思いつきます。

・≪新人女官伝≫(旧):幽霊皇后 香々は妃を陥れて皇帝に取り入り、その罪がバレて獄死するも、なおも祟った悪人・怨霊で、最後に新人女官に祓われる。
・≪新人女官伝≫(新):幽霊皇后 香々は前妃(悪妃)に陥れいれられて獄死するも、新人女官により恨みと濡れ衣が晴らされる。

1:銀鈴はコオロギ賭博の罪で投獄、ただし隠れた原因忠元の思惑は別(幽霊退治)。
 ↓
2:銀鈴は刑務所の処遇に耐えかねて行った違反で懲罰房へ、ただし隠れた原因は幽霊皇后の盗み食い。
 ↓
3:銀鈴は懲罰房で幽霊皇后と遭遇、幽霊皇后からの祟りとして1~2が起こったことを知る。
  →理由は幽霊皇后が銀鈴を悪妃だと思い込んだから(幽霊皇后は、死んだ時点で時が止まっている)。
 ↓
4:銀鈴は主演する≪新人女官伝≫(旧)を根拠に、幽霊皇后こそ悪人と詰る。
 ↓
5:幽霊皇后 は≪新人女官伝≫(旧)の筋を銀鈴から聞き、事実無根と憤る。銀鈴も誤解を解いて同情。
 
6:対立から一転して意気投合した銀鈴と香々は協力して獄を出て、皇帝らに香々に起こった事実を訴え、追跡調査で証言が確認される。
 ↓
7:香々の名誉回復のため、≪新人女官伝≫(旧)は≪新人女官伝≫(新)に書き直され、銀鈴主演で上演される。
 ↓
8:それを見届けた香々は満足して昇天する(ないしは宮中に居つく)。

こうしておくと、≪新人女官伝≫の筋立てが香々と銀鈴に深く関わりますので、作中できちんと語る必然性が出ます。

ドラマ理解のため、読者にその内容のポイントを覚えてもらう必要が生じるということでもありますんで、セオリーとしても手を変え品を変えて繰り返すべきとなります。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 同じ場面を2、3回読ませることの是非について

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元記事:戦闘描写

異世界は剣と魔法が主だと思いますが。
剣と魔法の戦闘描写って皆さんどうやってますか?
緊張感と緊迫感を出す戦闘描写はどうしたら良いのでしょうか?

漠然とした質問ですいません。

上記の回答(戦闘描写の返信)

投稿者 手塚満 : 2 投稿日時:

剣と魔法に限らず、文章でできることを考えるのが先決だと思います。自分で想像したもの含め、絵を模倣しようとすると、なかなか成功しません。以下、少し説明してみます。

なお、マズいやり方などは主に自分が思い違いしていたことになります。また、総合的に語るのも無理ですんで、説明していることはほんの一例になります。

1.絵的な動きは文章では直接表せない

動きを見せようとか、スピードやデカさを見せつけようとか、絵(コミック、アニメ、実写)で感じたことを文章でやろうとして失敗しがちです。そもそも得手不得手が違うから無理なんですね。文章作品では絵や音は読者が想像します。つまり作者の制御外でして、ほとんどを読者に委ねる。相手任せのもので迫力を出すことは困難です。

2.説明しておいてから動かす

しかしアニメでのバトルを(練習で)文章化しようとして、何とかなりそうなこともある。例えば「とある魔術の禁書目録」です。考えるまでもなく当たり前ですが、文章作品ですもんね。そしてときどき「とあるのバトルは前哨の舌戦でほぼ決着」とか揶揄されたりします。アニメは原作に忠実に作られているからでしょう。

文章が絵に優る表現力があるのは、例えば心理描写ですね。キャラの内心をそのまま描いても問題ありません。コミックだと少し煩わしく(実際の会話との区別等)、アニメや実写だともっとうるさくなりがちです。文章だと、例えば地の文があります。特に一人称だと主人公の内心そのものです。

文章は論理にも優れます。例えば仕組み的なことを書くのに向いています。剣士と魔法使いが対峙したとして、剣の性質(何ができるか等)や魔法の特徴を説明することができ、何をどうすればどちらの勝ちになるかを明示しやすい。

「とある魔術の禁書目録」でのバトルはそういうのが多いわけです。敵味方の勝利条件を台詞で示すから舌戦になります。戦い始めて、主人公の敵に対する勝勢・敗勢はキャラの気持ちで表せます。そこが文章の得意とする面になります。

3.事前に8割方説明し、後で2割揺らす

ですので、戦う前に戦い方を示し、勝利条件も示しておくのが便利でしょう。戦い始めたら、それが達成されるか否かだけを書けばよく、読者に分かりやすい。しかし、それでは事前に示した通りの一本道になります。単調で飽きられやすいですね。

ですので、描写済みのキャラの事前の予想を少し裏切る。主人公や敵が焦れば、感情移入している読者もハラハラできます。そこで主人子はハッと別の勝ち目とか敵の弱点に気が付いたりする。それで丁々発止とバトルさせることができます。

すばやい動作ですと、動作が終了してから何が起こったか書く手があります。また、文章では直接には絵が見えないことは普通は短所になりますが、活かすことができることもあります。見えないだけに、例えば後で種明かしをすることができます。その2つで例文を考えてみますと、例えばこんな感じでしょうか。

―――――――――――――――
 主人公の前に大剣を振りかざした大男が立ちはだかった。
「俺の振り下ろす大剣は素早いぜ。たとえ躱せても無駄だ。瞬時に横に薙ぎ払うからな。この技からは誰も逃げられん、食らえ!」
 だが大男の体がくるりと一回転したのみ。
「く、くそ、何が起こった!?」
 主人公は、いつの間にか抜いていた細身の剣で大男の足元を指す。
「自慢の大剣はそれか?」
 大男の腕は大剣を振り下ろした瞬間に刎ねられていた。その重みを失った体は、薙ぎ払うつもりが無駄に回ってしまったのだ。
―――――――――――――――

この場の思い付きの説明用サンプルで、練れてなくて済みません。上記を絵で表現すると、かなりの部分を隠す必要があります(斬り落とされた腕など)。

しかし文章だと見えてないから、ほぼ自由に書いてしまえます。絵だと状況をリアルタイムに描写しないといけませんが、文章だと起こったことを後で説明できます。その辺りをうまく使うと、絵の表現に対抗していくことも可能です。

4.敵味方の距離感

戦うキャラの少なくも一方が剣士ですと、攻撃が剣のリーチ内になりますので、敵味方が超接近する場面を作れます。超接近だけに瞬時の動きが勝敗を決しそうに描けたり、、その瞬間に会話させることもできますし、緊張感高いシーンが作りやすい構図です。

これが中間距離を得意とする槍だとちょっとやりにくい。やや距離が離れますから。遠距離武器の弓だともっとですし、会話などは不能になります。映画などでは、弓でトリッキーな超接近戦を行う場合もありますが、文章では非常に表現しにくいでしょう。銃でも映画「リベリオン」の「ガン=カタ」なんてありますが同様です。

ロボットものですと、ガンダムシリーズではミノフスキー粒子なる電波妨害の設定があります。レーダーが使えないので有視界戦闘せざるを得ないようにしてあるわけですね。そうすればロボット(モビルスーツ)同士のバトルを1画面内に納められる。

絵だから、ということはありません。文章で描いていても、読者の想像する絵が1フレーム以内に収まるほうが緊迫感は出しやすいです。想像もしやすい。槍や弓でなく、剣を選ぶメリットの1つはそういうところにあります。

魔法などの異能は設定次第になります(実在しないから)。しかし対人バトルを考えるなら、超接近戦に向いた設定を作るべきでしょう。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 戦闘描写

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元記事:批判や評価が怖くなった時

初めてこの掲示板に投稿いたします。
ありがちな質問ですが、批判や評価が怖くなった時の気持ちの保ち方を知りたいです。

ある小説投稿サイトで小説を出し続けていましたが、以前、自分でも念入りに推敲してそこそこ自信のあった内容の話だったのに良い評価をもらえませんでした。
逆に、私から見て明らかに適当な描写の作品が良い評価や反応をもらっていたりします。

私の作品は読者の喜ぶポイントを外していたんだろう、とか、描写に不足している所があったのかも、とか色々考えますが、がんばって修正してもまた結果が伴わなかったらどうしよう、と考えると怖くなります。

どうしたら批判や評価を次の創作意欲につなげられるでしょうか?

上記の回答(批判や評価が怖くなった時の返信)

投稿者 手塚満 : 2 投稿日時:

とりあえず結論を先に申せば、「我々志望者レベルが書くんだから、高評価なくて当たり前、酷評すら当然」と覚悟しないとやってられないです。

ではどうすればいいか、となりますが、「書いている自分が一番面白いと思うように書き続ける」という、何の変哲もないものになります。以下、少し説明してみます。

1.競合相手は手強く、低評価は普通

読者は普通はプロの作品も読んでるわけです。文章だけじゃなく、コミック、アニメ、ゲームも楽しんでます。その楽しさの水準で、我々志望者レベルの作品を評価してもらうわけです。

低評価で当たり前、読んでもらえただけでありがたい。それくらいに思わないと、上達する前にくじけてしまいます。

2.作者は描いてないことまで知っている罠

同じ条件の志望者やアマチュア作家と比べるのは注意が必要です。罠が幾つもあるんです。

作者は自分が何を描こうとしたか知っていますよね。書いてないことまで知っている。それが自作を読むときに想起されます。作品について白紙の状態の読者とは感じるもの、見えるものが違います。作者が自分の作品を読み返したら、分かることが過剰になっている点は要注意です。

それが他人の作品を読むときにも言えます。だって作者であるのは自作についてだけ、他人の作品では単なる読者なんですから。

3.自分が為したことに価値を感じる罠

さらに「イケア効果」と呼ばれる現象があります。イケアの家具は購入者からは評価が高いことで知られている。イケアの商品は買った人が組み立てるキットです。つまり、買った人が手をかけて完成。

自分が手掛けたことについては、非常に価値が高く感じる。そういう心理現象が「イケア効果」です。家具だけではありません。ソバ食う時に七味唐辛子を振るだけでも、自分が手がけた部分が生じ、美味しく感じます。調理人が予め適量の七味唐辛子を振っても同じ美味しさにはならない。

自分が執筆した作品についても同じことが言えます。自分の作品は自分にとっては、異様なくらい価値が高い。面白く感じてしまう。他人が書いた作品と同列で考えることはできません。

4.自分の作品は20倍面白く感じてしまう

おおむね、自分の作品は同程度の他人の作品より20倍くらい面白く感じます。自分の作品が他人の作品より20倍面白いと感じるなら、同程度だと言うことです。例えば、他人の作品を最後まで読めたが、読み返せないとします。自分の作品が20回読んで、ようやく飽きるなら、まあ同じ程度の面白さということになります。

5.大勢と自分一人を比べてしまう

さらにまだ罠があります。他人の作品が高評価されていると思ったとき、それはたった1つの作品についてなのか。たいていそうではないはずです。あっちの作品では読者がこう褒めている、こっちの作品では感想で感動したと言っている、みたいな感じが多くなります。

自分の作品1つに対しては、高評価がない、悪評があった、として、他人の作品との比較は、1対多になりがちです。他の作者と自分を比べるのに、百人の作者の中で自分が一番にならねば満足できない、みたいなことをやってしまいがちになるわけです。

それくらい比較は難しい。それなら、どうすれば正しく比較できるか、なんてやり出すと、それもやはり罠です。最も簡単な解決法は「比較しない」です。少なくともネガティブな気持ちでの比較は避けておくのが無難でしょう。

6.作者自身が納得するように書き続けるのが大切

以上のような罠を回避する方法はあります。自分の作品だけ考えていればいいのです。複数書き上げていれば、自分のこの作品と、あの作品を比べてみる。それなら、書いてないことまで知っているとか、イケア効果とかに誤魔化されることはありません。

言い換えると、ベストの想定読者は自分自身ということです。コツとして言われていることですが(出典失念)、「書き上げるときは、たった一人の読者のために書け」というものがあります。読者の何割がこういうのを好むか、とかじゃない。もっと具体的に、まるで自分の作品に登場させる主人公の如く、精密に想定して「この読者なら、こう書けば面白がってくれる」と思うように書く。

その想定読者って難しくないわけです。自分でもいいんですから。スレ主さんは「念入りに推敲してそこそこ自信のあった内容」と高評価する自作があったわけですよね。でしたら、「良い評価をもらえませんでした」ということはありません。作者自身が読み返して、出来栄えに納得できているわけです。

自分が納得するように書く。それが基本です。我々無名の志望者はどうしても読者層が薄くなります。自信作でも、自分と同じように理解してくれる読者に巡り合う可能性は低くなります。自分が面白いと思う作品を書き続け、面白いと言ってくれる読者が出現するのを根気よく待つしかありません。決して、自ら周囲に振り回されに行ってはなりません。

カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: 批判や評価が怖くなった時

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