だいぶ面白そうなアイデアだなぁ。ただ、前例はそこそこある気がします。何と言われるとあげられないんだけど、そもそも『ポンコツメカがヒロイン』みたいなのが2000年代初頭に一時期めっちゃ擦られてた記憶がある。
プロットへの意見とは少しズレるし、もう決めていらっしゃる部分なら無駄な指摘になるかも知れないけれど、『作品の流れ』よりも『AIに対する各キャラの思想とその変化』及び『人間キャラとその周囲のAIキャラの関係性』に重点を置いて、作品制作を考えた方が良いように思います。
例えば主人公のスタンス、『最初はAIが嫌いだったけれど、中盤でその理由である過去の事件が掘り返され、後にその背景と絡まない一部のAIと絆を結ぶ』とか、『ぶっちゃけ便利な道具くらいにしか思っていなかったが、中盤で底知れない恐怖を感じて大切な仲間と思い始めていた犯罪AIを突き放し、終盤で中々拗らせた事態になりつつも和解する』とか。
両方ディメンションWっていう漫画のネタを捻ったパクリなんですが、単に『AIの支配に反発する主人公』と言っても、作中でどう成長するかとか作品開始時点での前提条件とか色々な問題が変わって来るので、主人公のAIに対する見方の変化も重要となります。
同様に、サブ/メインヒロイン格になるであろう犯罪AIについてもいろいろ方向性はあると思っていて。
①『主人公と行動をするにつれ自我に目覚めるが、本質的には自分を道具と思っている故に、最終的にAIによる人間支配に反抗する』
②『ラスボスに浸食され主人公を騙していたが、終盤で表面的な演技のつもりでいた自身の”感情”に意義を見出し、自分の意思でラスボスに反抗する』
③『最終的にラスボスになる』
④『人間を支配する勢力とはニアミスを繰り返し、AIなのにシリアスに関わらないギャグ要員になる』
とかでも良いと思うんですよ。物語の主軸としての『AIと人間』の最終的な落着点が決まっていれば④は案外アリだと思います。
……いやまあ、最終決戦後に『あの時俺を殺しておけば』みたいなことを言う主人公に『それはロボット三原則に反しますので』と冷たく返す、無表情ツンデレ堅物ラスボスちゃんもアリだと思いますが(幻覚)。
んで、更に言うと主人公の相棒(人間)とかラスボスのAIに対する思想も重要だと思いますよ。相棒と主人公のAIに対する視点が『同じ/違う/過程は違うが結論は同じ』のいずれでも中盤からのストーリーは大きく変わるでしょうし、ラスボスが『人間を見下しているAI』か『AIを利用して世界を支配しようとする人間』かでも色々変わります。
二段目を掘り下げれば『優秀な我々AIこそが地球を支配すべき』派と『AIにも人権を、って言いたいけど愚かな人類は絶対聞かないし一回武力制圧しとこ』派と『環境保護のために人類は不要……』派、その他いろんな意見のラスボスAI様方が居ます。
AIを利用する人間ラスボスにも『過去の裏切りから人間を信用せずAIを利用して世界征服』とか『AIによる管理社会が最適と思ってる』とか『我自身がAIと一体化して現代の神となるのだァ!』とか、色んなご意見があると思います。
なのでまずはラスボスの思想教育からじゃないかなぁ、と思ったり。
あと、これは『小説家になろう』なんかに投稿するのならって話ですが、数話ごとにスレッド板回があって、そこで陰謀論や主人公の活躍が伝聞で語られつつ、時々世論を誘導しようとするAIが出てきたり、終盤でAIに言論封鎖された無言スレッド板回があったりしたら少しおもしろそう。
以下オススメ作品。SFはもっぱら小説ではなくアニメ・特撮で見てるんで小説はほとんど挙げられないです。すんません。
犯罪AIのキャラ造形としてオススメなのはアニメ『遊戯王VRAINS』なんですが、長い上に興味ない人にはTCGパートが無駄なのでピクシブ百科等での履修でも良いと思います。
同様に長いので全部見なくても良いけど、『仮面ライダーW』は『人情味ある主人公にほだされて行くAI(っぽい人間)』の描写の見本としてとてもいいと思います。効率重視・他人の感情ガン無視なキャラの精神的成長の描き方が上手い。
これも小説とは言い難いけど、TRPG『パラノイア』のルールブックやリプレイ集・動画なんかは漁ってみてもいいかもしれない。『狂ったAIが支配する世界で、AIに従う模範的市民の振りをしながら、各々が自己の目的のために動く』って言うゲームなので、色々参考に出来るネタやモブキャラのネタ元になりそう。
『狂った支配VS微妙に支配者サイドの出自ながらも味方してくれるポンコツキャラたち』みたいな作品の先達としては、鏡の国のアリスを一回きちんと読むというのもいいかもしれません。
『ポンコツな仲間とともに進むけど、ギャグには寄せずそこそこ真面目に話を進める冒険譚』としては、洋書だけど『クローディアの秘密』が良いですかね。別にAI出てこないしSFでもないんだけど、『大人からの支配』という思春期特有の妄想を漠然と抱いた姉弟が家出をして博物館に忍び込み、子供特有の謎ロジックで動きつつも、ギリギリ何とかうまくいくというストーリー。作品の癖が強いけど、あまり長くないので良かったら読んでみてほしい。
もし若宮さんがラブコメ要素のある作品として構成を練っているなら『ほうかご百物語』ってラノベもオススメです。タイトルで分かる通り作品の題材自体は妖怪・オカルトなんですが、ストーリー構成の基礎はSF寄りの推理モノになっていることと、ラスボスがファンタジーベースの管理AIみたいな存在である事、その上で主軸をSFよりラブコメに置いている点などがあり、『人類を支配しようとするAIと戦いつつ、ポンコツAIとのラブコメ』みたいな路線で行くなら参考にするのもアリかと。
以上、参考になりましたら幸いです。