ミステリー最前線で活躍する作家43人が惜しげもなく披露する、極秘の執筆作法。
作家志望者、ミステリーファン必読の書。
通り一遍の指南が羅列された、凡百の「書き方」読本とは、まったく異なるのが本書だ。
大ベテラン、現役バリバリの売れっ子、そしてこれからそこに到達しようと牙をとぐ者、それぞれがそれぞれの視点で、本当に実践的な、ミステリーの書き方について語っている。
本書あとがきより抜粋 日本推理作家協会理事(前理事長) 大沢在昌
上記あとがきにあるように現役の作家たちによる証言集です。一作家一テーマで実際にどのようなことをしているのか作家自身が語っています。その顔ぶれがスゴイです。森村誠一、東野圭吾、宮部みゆき、乙一、北方謙三、赤川次郎、綾辻行人、石田衣良、恩田陸……これでも一部です。
アイデア、視点の選び方、プロット、キャラ、セリフ、伏線の埋め方、書き出し、トリック、描写、推敲、書くにあたって必要なことが網羅されています。
作家自身が何を考えてどう書いたかを実例を挙げて語っているため、ミステリー以外にでも通用すると思います。
他にミステリー作家への質問と回答集があります。(例 登場人物の名前の決め方、推敲するときに気をつけていること、など)好きな作家がどのようなことをしているのかがわかるかもしれません。
巻末にミステリーを書く人が抱くであろう疑問が載っていて、それに対する回答を本文中から探すことができます。
体系だった方法論ではなく、作家たちの実践集のため、ときに相反する内容が書かれていたりします。
それゆえ自分にあった書き方を模索する必要があります。これを読んだからといって、即書けるようになるわけではありません。
マニュアル化された技術を求めている人には不向きと言えます。技術は学ぶものではなく盗むものと考える人でないと、あまり役に立たないかもしれません。
あくまで自分なりの「壁の乗り越え方」を考えるための参考程度と考えたほうがいいでしょう。
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