日本人の祖先はどんな物を食べていたか?「邪馬台国の食卓」を飾った料理とは?仁徳、文武、長屋王など古代天皇家の晩餐とは?木簡などからその食世界を覗いてみると、新鮮で豊かな医食同源のメニューが浮かび上がってきた。卑弥呼に捧げたご馳走、大和王朝の宮廷料理、遣魏使の弁当など「古代の食卓」が今、甦る。
古代日本をモチーフにしたファンタジーで、作中の食生活のイメージが浮かばないことはありませんか。そこで、参考になる1冊を紹介します。
特筆すべき内容は、以下の通りです。
1、卑弥呼が中国三国時代の魏に送った使節が、同国でもてなされた料理。
2、古代天皇家の食卓。特に、豪華な宴席料理。
3、古代の旅人が携行する食糧。
4、飛鳥時代の乳製品の利用法。特に、カタカナ語が使えぬ場合の「バター」「チーズ」「ヨーグルト」の表記関係。これは、遊牧民を出すのであれば、和風に限らず、東洋風ファンタジー全体で役に立つ。
5、古代食の栄養評価。
6、干物、燻製、塩漬けといった食品の保存法。
7、夏場における、氷の調達・利用法。
古代日本の食生活について一通りのイメージを持つことができる1冊でしょう。
残念な点は以下の通りです。
1、時代の流れがつかみづらいので、年表を付けてほしかった。
2、記録が残っていないこともあり、卑弥呼や天皇家といった超上流階級が中心。これと比べると、庶民の食生活は記述がないわけではないが、やはり薄い。
3、著者は古代食の再現を行っているようだ。それならば、料理のカラー写真を載せてほしかった。白黒のイラストと文章だけではイメージがわきにくい。
4、後半になると、現代食と古代食とを比較し、「栄養面」に重きを置き、古代食を礼賛している(古代人が猛毒のあるフグを食していたことにも触れているので、味を無視しているわけではない。それに、命をつなぐためには栄養が最優先なのは分かるが)。また、あとがきが書名とややはなれて、愚痴っぽくなっている。そのため、少々鼻につき、若干とはいえ後味が悪く感じる。いずれも、歴史本にはありがちだが。
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