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レトリック感覚
近代ヨーロッパに受け継がれたレトリックは、 言語に説得効果と美的効果を与えようという技術体系であった。 著者は、さまざまの具体例によって、日本人の立場で在来の修辞学に検討を加え、 「ことばのあや」とも呼ばれるレトリックに、新しい創造的認識のメカニズムを探り当てた。 日本人の言語感覚を活性化して、発見的思考への視点をひらく好著。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 佐藤信夫 1932年東京生まれ。東京大学哲学科卒業。元国学院大学教授。 著書に『記号人間』『レトリック・記号etc』『レトリックの消息』、訳書にギロー『文体論』『記号学』、 バルト『モードの体系』、ムーナン『二十世紀の言語学』、 講談社学術文庫に『レトリック認識』『レトリックの記号論』『わざとらしさのレトリック』 『レトリックの意味論』がある。1993年没。
第1章 直喩 第2章 隠喩 第3章 換喩 第4章 提喩 第5章 誇張法 第6章 列叙法 第7章 緩叙法
あくまで「レトリック」――作中の定義でいうところの、 「言外の誘導力をそなえた言語表現の技巧と効果」について書かれた本です。 小説には、読者の感じ方を、 自分の感じて欲しいと思う方向に持っていくという技術が不可欠だと思います。 この本はそんな技術を論理的に分析し、 また古今東西の名作から例文を引いて具体的にも教えてくれます。 いくつかの例文を挙げていきましょう。 「法王ボニファキオ八世は、狐のようにその地位につき、 獅子のようにその職務をおこない、犬のように死んだという。(モンテーニュ『エッセー』II)」 「もしも、誰かが、私という男を、私が毛虫を嫌う程度に厭がっているとしたら、 ――もしも私に対してそんな気持を持つ人間が一人でもこの世に居ることを知ったら、 私はもう生きている気持を失うだろう。そんなにまで思われて、 どうしておめおめ生きていることが出来るだろう。(尾崎一雄『毛虫について』)」 「海にゐるのは、 あれは人魚ではないのです。 海にゐるのは、 あれは、浪ばかり。 (中原中也『在りし日の歌』より『北の海』)」 うまいなあ、見事だなあ、という表現がそこかしこに見え隠れすることに気付きませんか。 実はこうした「うまい表現」には一定の法則や論理のようなものがちゃんとあるのです。 ちなみに一番始めのが直喩、二番目が誇張法、三番目が緩叙法ですね。 こういうのを系統だてて勉強すると、 小説書きとしての自分が使う表現に自覚的になれます。 小説ハウツー本もいいですけど、いかがでしょう。たまにはこういうのもいいのでは? ちなみに、レトリックを系統的に学ぶという以外に、 文章の上手い作家の選定という意味でもこの本はとても役立ってくれますよ。
あまりそういうのに興味のない人には入っていきにくいでしょう。 まともに読んでみると面白いので是非読んでほしい部分ではありますが…… また、サイズ的には文庫なんですけど、値段は1100円と少々お高くなっています。 役に立つ本であることは確かです。ぜひ手に取ってみてください。 レトリックを身につけたい方はどうぞ! >>> |
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図解でよくわかる 上手な文章の書き方が身につく法
文章は絶対上達します。 いくつかの注意点をおさえれば、あなたの文章はもっとわかりやすく、伝わりやすくなるのです。 さっそく本を開いて文章を書ける人になりましょう! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
第2章 今さらだけど、文章の基本が知りたい! 第3章 文章をランクアップさせるコツとは? 第4章 わかりやすく、上手にまとめるには? 第5章 文章で気持ち・思いを伝えるには? 第6章 なんとかしてお願いを聞いてもらう書き方とは? 第7章 分量・スピード・おもしろさを満たす文章を書くには? 第8章 読み手を感心させるレイアウト・段落わけとは?
小説とは文字情報の集まりですから、人に伝わるわかりやすい文章が書けないと、 どんなにすばらしいストーリーを思いついても、それを具現化することができません(涙)。 文章術というのは、学校の勉強だけしていては、なかなか身に付かないものです。 ついつい犯してしまいがちなミス、陥りやすい罠というのが文章にはあります。 これを回避するには、きちんとした文章作法を学ぶ必要があります。 この本は、そんな文章を書くための基本事項やコツをまとめたものです。 この本のすごいところは、とにかくわかりやすいことですね。 文章上達の本はたくさんありますが、これほど理解しやすい本は初めて見ました。 図やイラスト、豊富な文章例によって、文章の書き方をわかりやすく教えてくれます。 ページの左側に図解や良い文章と悪い文章の例が載っており、内容を理解しやすいです。 図やイラストは、ユーモアたっぷりで笑えます(笑)。 その上、各章の最後に、ポイントが箇条書きされており、読みながら復習できる形になっています。 基礎から文章作法を学びたい方にはピッタリの本でしょう。 小難しい文章論や、心構えといった説明は一切無く、 本当に大事な要点だけを、誰にでもわかる言葉でやさしく教えてくれます。
もっと上の技術を身につけたい上級者には、やや物足りない内容ですね。 文章の基本を再確認したい時になどに、あると便利です。 文章を基礎から学びたい方に最適! >>> |
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名文を書かない文章講座
漱石から山下清、村田喜代子まで例文どっさりの逆説的文章講座。 『朝日新聞』西部版「村田喜代子の文章口座」として連載されたものに加筆。
大学で、文芸創作を担当していた教授が、薦めて下さったものです。 とにかく、文章というものへの見方が変わります。 作者はエッセイや一般小説を書いている方ですが、 分かりやすくてスラスラ読める文章という、 ライトノベルにうってつけの文章の書き方を学べます。 そして、どこででも通用する文章です。 この本自体も、凄く読みやすい文章なので、気軽に読めます。 このサイトに投稿された小説を読むと、どうも最近、「演出過剰」な物が多いように思います。 本当に面白い小説、デビューできる作品というのは、 「名文」で出来上がっているものではないと思うのです。 目から鱗がボロボロ落ちること間違いなしの本です。 私は、それまでも小説を書いていましたが、 これを読んでから、文章などがかなり変わったと思います。 文章や小説を書く上での心構え。日常生活での物の見方。発想の転換。 推敲の仕方やタイトルのつけ方なども、参考になるはずです。 自分の書いたものを誰かに読んでもらうのならば、 必ず踏まえておかねばならない作法が最低限、シンプルに書かれています。 この本の中で紹介されている、「高校生のための文章読本」 もお勧めします。 色んなジャンルの素晴しい文章が、つまみ食いできる本です。世界が広がりますよ。
「俺が書きたいのはライトノベルなんだ! こんなの参考にならねぇ!」 と思っちゃった人にはそれまででしょう。 ちょっと値も張ります。もっとも、それ以上の価値がある本ですよ。 『名文を書かない文章講座』のご注文はこちら >>> |
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