↑目次へ戻る |
君の居た昨日 僕の見る明日
「…はぁ」 盛大なため息をつきながら、長居優樹は通い慣れた道をのろのろと歩いていた。 とにかく学校へは行きたくなかった。 学校でなければどこでもいい。此処ではない何処かなら…。 そう思った優樹の目の前に、古い校舎と女の子が現れた! 「君みたいな人が来てくれるのをずっと待ってたの」 「…あ、あのっ!?」 いきなり女の子に抱きつかれ、慌てる優樹に彼女は言った。 「ここは鈴乃宮学園。世界の何処にも行けないところ。 この学園で、私と学園生活を送りましょう――!!」 果たして此処は何処なのか。そしてこの少女は!? 優しい嘘がちりばめられた永遠の学園で、今、始業のベルが鳴る。
異次元にぽつりと存在する鈴乃宮学園。そこで繰り広げられる「学園ごっこ」 何もかも現実の模倣でしかない世界に住む登場人物達は、 残酷な真実や容赦ない現実に向き合えるだけの自分を手に入れるその日まで、 学園で学び続ける。 どこか暗い記憶を持つ登場人物達が暗さを感じさせないほどの個性を持って動く様子は、 とても楽しく読むことが出来るですが、どこか切なくなります……。 とまあ、ちょっとライトノベルの解説にしては異質なものを続けてきましたが、 もちろんそれだけではありません。 この作品はコメディ部分とシリアス部分に別れています。 著者の『スクラップド・プリンセス』 シリーズでもこのような構成だったからか、 著者は二つを使い分けるのがとても上手です。 肩肘張らずに読めるところは読ませ、抑えるところはきちっと抑える。 安定した筆力のなせる技かなぁと思いました。 コメディ部分を少しネタバレして説明しますと、 「最近の学校法じゃ、女性徒は大きな『伝説』って彫られた木の下で、 男子生徒に告白しないと単位もらえないんだよね!?」 「どこの異次元の学校法だそれは」 このように随所に某学園恋愛ゲームや学園物漫画のパロディネタが入ります。 著者がその年代の人だからかもしれませんが、 少し前の恋愛物の話題が描かれるために二十歳を超えた辺りの人は懐かしく、 まだ十代前半の人は珍しさに笑ったりするでしょう。
作品の風味からあえてこの呼び方で(笑) 美少女で天然というある意味王道のキャラクター。 だけれど過去は凄く暗いものを持っていて、そのギャップにより魅力的に映ります。 彼女は作品の世界で鍵となる人物なので、 コメディもシリアスも彼女が半分以上背負っていると過言ではないでしょう。
ライトノベルに意外性や娯楽性を求める人には物足りないでしょう。 もちろんライトノベル要素はこの作品にもあるのですが、 土台となっているのが「停滞している世界」なので、 強烈な圧力で迫ってくるというよりは徐々に心の中に染み入るタイプの話です。 よってこの手の作品が好きか嫌いかで評価が分かれてしまうかと思われます。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
きゅーきゅーキュート!
「能力」を得て人助けができるようになりたい! というのが目標の春日理刀は、能力値99の万年一般クラス人間。 なんとか「能力開発クラス」である“スターライト”に入りたいと、 魔界からの短期留学生・スキュースに近づく計画を立てる。 魔界のものを食べると能力値が上がる、という噂があるためだ。 歓迎パーティに潜り込むが、絶世の美女だというスキュースは欠席。 がっかりしつつパーティを抜け出した理刀は、黒いドレスを着た少女と鉢合わせする。 どうやら彼女も魔界の人間らしい。 幼い外見とちょっと偉そうな口調ながら可愛らしい印象の彼女にひっぱられ、 理刀はやむなく一緒に行動することになるが…。異種間恋愛ファンタジー、開幕。
ロリやらお姉さんキャラやらツンデレやら人見知りキャラやら、 誰かしらストライクゾーンのど真ん中に来るキャラが居ます。 これまた当然のことだが設定が面白い! ネタバレになりそうなので詳しくは書けないが、 主人公とメインヒロインとの恋の障害の高さが上手く作られていて読んでいてハラハラさせられます。
しっかり者のお姉さんキャラ。 クールな感じで基本格好いいキャラ。 けどムシが苦手だったりと可愛いところもあってそのギャップがいい!
申し訳ない。 まあ、パッと欠点が見つからない程良い作品と考えてください。
|
||||||||||
銀魂―3年Z組銀八先生
だらしなく着た白衣、死んだ魚のような目。 およそ高校教師にふさわしくない性格と風貌の坂田銀八。 その担任クラス銀魂高校3年Z組には、これまた強烈なキャラクターの生徒がひしめき合って、 恐怖のアミューズメントパークと化していた! 大人気コミック『銀魂』番外編「銀魂―3年Z組銀八先生」が小説になった。 原作・空知先生のオリジナルイラスト満載で、銀魂キャラが学園生活を繰り広げる! アニメ化決定記念特別しおり付!
というか、まさか小説版ができる事自体が奇跡といっても過言じゃないでしょう。 いわゆる「空知節」を文章で実現させた大崎知仁先生もスゴイです。 各キャラクターに不自然さなんてものは皆無です。
小説をなめた……じゃなくて小説の壁をブチ破るかの如き破天荒ぶりは笑えます。
本編またはアニメを知らない人はさすがにチンプンカンプンになるんじゃないでしょうか。 しかも、どうしてもキャラクターが多いため、 本編ではレギュラー級でも何人かは影が薄い感じになってます。 とくに桂小太郎に関しては本当にチョイ出しみたいな感じになってるため、本当に可哀相です。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||
その小説、105円で売られているかも…… |
トップへ戻る |