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先輩とぼく
12月24日、聖なる夜。にもかかわらず、 先輩とぼくは寒空のもとUFOウォッチングに励んでいました。 先輩は凰林高校一番の変人で、一番の美少女で、そして一番のぼくの好きな人なわけで。 だから、ぼくはとっても幸せでした。 そう、そのとき! いきなり宇宙人に誘拐されてしまったぼく達だったのです! いい加減な宇宙人に解剖されたぼく達は脳みそが入れ替わってしまい、もう大変。 かくして「先輩がぼくでぼくが先輩で」が成立してしまったのです…… そんなこんなで始まった、シュールでなんでもありのぼくの新しいスクールライフ。 どうなっちゃうの。
王道とお約束をとことん貫き、様々な「おいおい!」を無視しながら爆走する ノンストップ・コメディ×ラブ・アクション〜エイリアン風味のツンデレ仕立て。 だがそれがいい! と、あえて言いましょう。 ストーリーを楽しむための作品ではない、 しかしハマった人は抜け出せない「ハイ・ナンセンス」な筆致と構成は美味です。 電撃大賞銀賞はやはり伊達じゃない。 けれど下読みの段階でもしオタクネタの嫌いな人に読まれていたら…… というギリギリの作品。法的にギリギリ。倫理的にギリギリ。 萌えを狙いつつもキャラクタ全員が萌えから仰角四度ほどずれてギャグに走りがちな物語ですが、 楽しめたら買い、楽しめないなら読まぬべし、という作品です。 あ、HO(ハードオタ)を自負する諸兄はぜひ読んで、 登場する一人のオタクの生き様をしかと目に焼き付けるのがよろしいかと。 多分脱帽します。
その中でお気に入りを一人選ぶとなるとやはり私としては平賀つばさ先輩を選びますね。 何せ幼馴染の恋心を「バルタン星人にくびったけだから」と言って踏みにじるという。 本当に素晴らしい感性の持ち主ですから。真似できません。 タッキーでもいいのですが、巻を重ねるごとに醜く男らしくなりすぎで褒めるのも恐れ多いです。 彼については読んで確かめてください。
強いて挙げるなら、章区切りと視点転換が激しすぎるところでしょうかね。 アマチュアの初心者が次々と「カメラ」になるキャラを変えて展開するストーリーを作って、 よく破綻しますが、沖田先生はそれを進化させて矛盾なく理解できる構成に仕上げています。 ただし、読みにくいと感じる読者も少なからずいるでしょう。
2012/04/27 ・馬鹿馬鹿しいギャグやパロディ満載 。 宇宙人やら格闘家やらオタクやら、とにかくいろいろアクの強いキャラが出てくる。 気楽に読める。 表紙と挿絵が可愛い。
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DIVE!!
高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、 わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。 その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、 なんとオリンピック出場だった! 女コーチのやり方に戸惑い反発しながらも、今、平凡な少年のすべてをかけた、 青春の熱い戦いが始まる――。 大人たちのおしつけを越えて、自分らしくあるために、飛べ。
そのせいか、中には一般文学しか書かないと誤解されてる方もいらっしゃるようです。 ですが、森さんは一般文学の方から出版してはいるものの、 内容としては小学生(高学年)〜高校生程度でも十分楽しめるであろう、 児童文学のような作品が多いです。 特にこのDIVE!!は、非常に読みやすく、キャラクターがそれぞれ個性的です。 高飛び込みというマイナーな競技を題材にした、分かりやすくそれでいて読み終わったあとに、 実際にこの目で飛び込みを見てみたいなあと思わせる一作。 こんなに胸を熱くさせ、なお且つ笑いが漏れてしまうような小説は久々です。 読んでみれば彼女の描く飛び込みの世界に呑まれ、魅了されてしまうでしょう。
夏陽子にいわせれば「誰もが自信家と口を揃えるサラブレット」だそうですが、 何とも憎めないキャラなんです。 ただのエリートじゃなく、誰よりも自分に厳しくそして他人にも厳しい兄貴分! こんなに魅力的なキャラクターがいただろうか? 彼こそが真の“漢”だと思います。
レイジがどうなったのかが分からない……。 しかしそれを補えるほど、短いながらも中身の濃い文章でした。 あと、本当はハードカバーの時に一巻の主人公が友季、二巻が飛沫、三巻が要一、 四巻が全員となっていたのですが、今回のソフトカバーでは一巻と二巻が(上巻)、 三巻と四巻が(下巻)となっているのでいきなり視点が変わっていてびっくりするかもしれません。 ラストの視点がとにかく色々変わって、 それが今まで注目していなかったサブキャラにまで回るものですから、 あれ……このサブキャラどんなのだっけ? と思うのもいたり……。 ですが、どのキャラクターも本当に魅力的で面白いですよ!
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その小説、105円で売られているかも…… |
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