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メルヴィ&カシム
おれの名はカシム。魔法使いの弟子だ。 ―というのは名ばかりで、魔法なんか教えてもらったことがない。ていのいい家政夫がわりだ。 おれの師匠のメルヴィは、顔は良いけど性格に問題のある人で、見栄っ張りの意地っ張り、 怠け者の浪費家、口は悪いが手も早い。 しかも、たまにしかこない仕事の依頼を、 その巨大な魔法の破壊力でことごとく失敗させてしまうという、悪名高い魔法使いだ。 おれの苦労と貧乏の種はつきない―。 そんなおれたち師弟が、大いなる力を秘めた〈古代王国の宝〉をめぐる、 とんでもない事件にまきこまれた…。 ファンタジア長編小説大賞佳作受賞者の華麗なるデビュー長編。
これがポイントです。 カシムの一人称なのでカシムの内面の葛藤がとても詳しく描写されています。 カシムは日頃、師匠であるメルヴィと色々と言い合ってはいますが、 本当はとてもメルヴィを尊敬しています。 細かい戦闘描写などは少ないですが、その分、人の感情などの描写が素晴らしい。 そしてただ冷酷なだけの人間がいない。動機がしっかりと設定されている。 他の冴木作品にも言えることですが、心があったかになる(あえてこの表現で)。 最終的には「心があったかになる」作品ですが、そこにたどり着くまでは、人の悲しみ、 憎悪、憤りなどが盛り込まれています。 読むと、人間はみんな優しいんだな、もっと皆に優しくしよう、と思える作品です。 加えて、掛け合いも面白い。
人のために自分を犠牲にできる。 以下ネタばれ注意。 三巻ラストでは、一人の女の子のために、自分が罪を被ったばかりか、 事件解決は組合組織の手柄という嘘をついています。 そういうことができる彼が大好きです。 しかも、そのせいで彼の悪名はもっと広がってしまうのです……。
強いて言えば六巻にカシムの出番がない。
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ドラゴンライダー―モンスターメーカー
少女アイラは、ドラゴンライダーになるために村を出て竜と心を交わした。 魔術師見習いのウルフは修行のなかで法則を理解した。 歴史学者プラークは自説を立証するためにブルグナに潜入していた。 その頃、プラークの仮説通りにブルグナの地では内乱が起こり、 オークたちは、ウルフレンド南部に侵攻を始めたのだった……。
なんで、これほどのクオリティーの作品をカードゲームのタイアップで出すんでか? 王道の異世界ファンタジー。理にかなった魔法原理。ドラゴンライダーの秀逸な設定。 さまざまな目的を持つ多数の人物が集まり、対オーク戦争に巻き込まれる様は秀逸。 征服戦争を単純であるが丁寧に描いている点が、特に好きです。 一昔前のファンタジーですが、それゆえに骨太王道!
じつは、オーク王です。実に行動原理が単純で理にかなっています。 蛮族征服王の典型ですね。
ここで逃げる読者のなんと多きことか(泣 )。
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やさしい竜の殺し方
千年の昔、竜を頂点とする幻獣王と人間の王は大災厄を逃れるため、 世界を幻獣が棲む“陰界”と人間が住む“陽界”の二つに分けた。 その時、幻獣王は聖王に「誓約」した。 今後、幻獣王は世界が危機に陥った際には陽界を訪れ、 聖王の血筋から愛する人を見つけて世界を守ると…。 そして時は流れ―美貌の元聖騎士と黒髪の少年が出会い、運命が大きく動き出す! 「愛してる」は最強呪文―剣と魔法のファンタジー登場。
笑える笑える笑いっぱなしと思いきやカンドーできますよ,これは。 少々題名が怖そうと感じてもまったくそんなことはありません。 剣と魔法と冒険が好きな方,ぜひとも読んでみてください!!
やっぱ陽気なところですね。 それでいうなら,セファイドも負けてません。
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