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ベルガリアード物語
太古の昔、莫大な力を秘めた宝石“珠”をめぐって神々が熾烈な戦いを繰り広げた。 争いの末に魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒し、 その復活の日まで争いにひとまず終止符を打ったのだった… 老人ウルフの語る神話は、平和な農園で暮らす少年ガリオンの一番の楽しみだった。 しかし少年の人生はある日を境に一変する。世界の命運を賭け、 予言を成就する冒険の旅に連れだされたのだ!大好評ファンタジイ巨篇、新装版登場。
海外FT小説で、私が読んだのはハヤカワから出版された訳書です。 この作品は20年以上も前の作品なのですが、2005年に新装版(全5巻)が出版されました。 私は、その新装版のジャケットにひとめぼれして買ったので内容は全く知らなかったのですが… 一巻を読み終えて解説を読むまでまさか20年前の作品だとは、気付きませんでした。 ストーリーはまさに王道ファンタジーなんです。 一巻の解説ではあの「ロードオブザリング」の正統後継とまで言われています。 王道ファンタジーのキーワード「隠された血筋」や「王の帰還」と聞いて ウズウズしてくる人は絶対読んでほしい。 エピックファンタジーの最高峰であることは間違いありません! しかしながら、そんなただのFT小説をライトノベル作法研究所に紹介できようはずがありません。 この場に紹介するだけの理由がこの小説にはあるのです。 それはズバリ、キャラクター。 古典的キャラクターにアメコミばりの強引な役作りはあるものの(苦笑) 実に活き活きと世界を生きているんです。 ストーリーの本筋は重々しいのに、キャラたちはどんな場面でも無駄口ばかり(笑) 軽快な台詞回しによって飽きずに読み進めることができるはずです。
騎士マンドラレンに若きレルドリン。復讐に燃えるヘターに狂信者レルグ。 本当に全員好きなのですが、やはりガリオンがイイです。 一巻の前半はナベ洗いしかしてないんじゃないかな?(笑) 正直物語の終盤までただの駄々っ子みたいな役所なのですが、 彼こそがこのベルガリアード物語の主人公であり、物語は彼の成長記でもあるのです。 読者は、時に彼自身の様に旅をし、時に周りの大人の視線になって彼を愛するのです。 「頑張れガリオン少年!」と心の中で叫ばずにはいられない! そしてもう一人好きなのが、ガリオンの相手役「セ・ネドラ」皇女。 物語にピンク色を加えます。2巻のとある場面は永遠のツンデレシーンですよ! とはいえ彼女にもツンデレ以外のきちんとした役割があり、 セ・ネドラが奮起してる場面は作品の中で唯一ジーンと来ちゃったところでもあります。 全ては愛のために。
大雑把な展開になることと、勧善懲悪の分かりやすさがやや残念。 ・私は気にならないというかむしろ好きなんですが、 愛情表現が海外のホームドラマを見てるような温かさをもつ一方、 ちょっと“大人”な恋愛にも触れます。 でもこれはオブラートに包まれた表現なのでそれほどでもないかも。 ・分厚くて高いと思われる方もいるかもしれないけど、分厚い以上に内容は濃いし、 その内容を知れば価格もむしろお手ごろ価格だと思います。 ・表紙は最高だけど、挿絵はありません。 ・一番の欠点は訳書なので、翻訳者が変わることで細かいところで表現が変わります。 “古風な口調”のキャラのセリフが、まったく別物になってた時にはがっかりしました。
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“本の姫”は謳う
「滅日」によって大陸中に散らばった、世界を蝕む邪悪な存在―文字。 天使の遺跡を巡り、本を修繕する少年アンガスは、文字を探し回収するために、 “本の姫”と旅を続けている。 ある日、無法者たちから救い出した少女に、文字の気配を感じた彼は―。
この人のプロットが見たいくらいです。 これ以上は、あえて、何も言うまい。 とにかく読め! 絶対おもしろいから
アンガス(主人公)が好きなのか微妙なとこがいいですね。 例えば、 以下は姫の会話文です。核心部分には全く触れませんが、嫌な人は飛ばしてください。 ○アンガスが蹴られた時のセリフ 「私だってまだ蹴ったことないのに……」 やばいでしょう、私はこのとき、身もだえしました(笑)
もう2、3年作家をしていればさらに良くなると思います(新人ですしね)。
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