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ヒトクイマジカル
生命を礼賛する行為には驚くほどに価値がない、生はどこまでも儚く朧 で、死はどこまでも切なく幻だ。 そしてそれはただそれだけのものでありそれだけのものでしかなく、 むしろそこにそれ以上の価値を見出そうとすることこそが 冒涜だ。 生きること、そして死ぬこと、その両者の意味を誰よりも理解し、 そしてその意味に殉ずることに一切の躊躇がない誠実な正直者、 つまりこのぼくは、 八月、縁故あって奇妙なアルバイトに身を窶すことと相成った。 それは普通のアルバイトであって、ぼくとしては決して人外魔境に足を踏み入れたつもりは、 なかったのだけれど、しかしそんなぼくの不注意についてまるで情状酌量してはくれず、 運命は残酷に時を刻んでいく。 いや、刻まれたのは時などという曖昧模 糊、茫洋とした概念ではなく、 ぼくの肉体そのものだったのかもしれない。 あるいは、そう、ぼくの心そのものか―戯言シリーズ第五弾。
僕が戯言シリーズの中で、もっとも好きな作品だったりします。 まあ、そんなことはどうでもよく……。 シリーズ化するに当たって、最終章へと導くためにあるようなこの作品。 では、何故僕はこの作品が好きなのだろうと思い返せば…… ……的確な理由は特にはないのですが、しかしその一つとして、 いーちゃんが変わり始めたのがきっかけだったと思います! 親しい人達が死んでゆく中、ぼくはそれを悲しんではならない。今まで死んできた人に、失礼だ。 と、このような心持ちをしていたいーちゃん。 それが変わり始めたのは、とあるアパートの住人の説教、 似つかぬ怒鳴り似つかぬ拷問似つかぬ励ましによる物だったのです。 いーちゃんの人間関係の深さが伺える作品だったりします! ここまでだったらネタバレにならないでしょうか? そう信じて書き続けますが……。 そしてラスボス登場! 西東天! 縦に書けば線対称! 西東天! ここまでの裏設定もどうでもいいですね……えぇ、戯言ディクショナルに書いてあったことです……。 シリーズ化していく作品にオススメもひったくれもないですが、 しかしそのシリーズ化の作品の中で、一番「ヒトクイマジカル」が僕の琴線に触れたとのことです。 ご了承ください!
前までは好きでも嫌いでもない言うならば戯言みたいなキャラだったんですが、 この巻で壁を乗り越えたところに感銘を受けました! 断然いーちゃんです! もう一人挙げて宜しいのならば、匂宮出夢ですね! 殺人鬼のくせに殺さなかったり、 殺す時には痛みがないよう気を遣ってたりとか何かとよく分からないキャラです。
このシリーズについては、この作品が最高なのだと、僕は思っております!
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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