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水没ピアノ―鏡創士がひきもどす犯罪
“記憶”と“密室”と“悪意”の三重奏(トリオ)。 主題(テーマ)は“純愛”。 戦慄の鏡家サーガ! お祭り騒ぎは、もうお終い。 今回は愛をめぐる3つの物語だ。 暗澹(あんたん)たる日々に埋もれた無様な青年。 悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。 密室情況の屋敷の中で繰り広げられる、贖罪を含んだ惨殺劇。 それは歪んでいて、壊れていて、間違っている。 でも確かに愛の物語なのだ。 俺は行動を開始した。 その目的は、水没した全てのものを引き戻すため。 そして、その果てに浮かび上がる真相。 そこにはもう、馬鹿げた世界は存在しない。
前の作品と繋がっているわけでもないので、これから読んでも大丈夫です。 やはり、この作品の醍醐味は、登場人物の壊れ具合でしょう。 具体的には書きませんが、とにかく、登場人物の全員が何処か壊れています。 しかも、それを一人称で書かれています。 これだけで、この作品がかなり特異だということが分かると思います。 あと、最後のどんでん返しも凄いです。 というか、それにこの作品の全てが集約されています。
彼らの気だるさが良いです。
特に物語りはハッピーエンドでないと嫌だという人は読まない方が良いです。 この作品には『救い』が一切ありません。 そこが良い所でもあるのですが、欠点でもあります。
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推理小説
会社員、高校生、編集者…面識のない人々が相次いで惨殺された。 事件をつなぐのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた本の栞のみ。 そんな中、出版社に届けられた原稿には事件の詳細と殺人予告、 そして「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」という要求が書かれていた…… 再注目作家、驚愕のデビュー作。
ドラマを知っている人も知らない人も楽しめます。 かくいう僕もドラマを見ていましたが、 原作があんまりにも違いすぎて逆に新鮮に読むことが出来ました。 なのでドラマを見ている人も心配なさらずに読んでいただければと思います。 推理小説なので多くは語れませんが、 とりあえず人をぐいぐいと最後まで読ませていく活力のある小説でした。
強いて言えば登場人物の言った言葉が小説を書いている身としてグサッと心に刺さりました。
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すベてがFになる
密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。 孤島のハイテク研究所で、 少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。 彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。 偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と 女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。 新しい形の本格ミステリィ登場。
1998年出版とはいえ、雰囲気は全然固くもないし古くもないです。 ネタバレになるんで詳しくは語れませんが、 前半に細かく細かく張られていく伏線。 その回収に本当に驚いたし感動しました。 いや、ホントに読書直後だからっていうのもあるでしょうが、あんなに面白いミステリィは初めてです。 クビキリサイクルの笑う要素の70%が、ミステリ要素に回った感じです(って、どんな感じだ)。 ミステリを読んでみたいと思う人には、オススメです。 あと、著者の経歴というか色々すごいです。というか、スゴ過ぎです。 国立大学助教授(しかも、理系らしい)で、学術本書いて、小説書いて、エッセイ書いて、写真集出して、 絵本書いて、詩集書いて……。どんだけ万能なんだ。
読めばわかると、言いたくはないですが、そんな感じです。
まぁ、彼女より頭のいい犀川先生が近くにいるから仕方ないっちゃ仕方ないんですが。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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