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紅
揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎のもとに、とある少女を守るという依頼が舞い込んできた。 少女の名は、九鳳院紫。 世界屈指の大財閥の御令嬢。 詳しい事情を聞かされぬまま、真九郎は紫との共同生活を開始。 彼女の我侭に振り回されながらも、その騒がしい日常に真九郎が慣れ始めたとき、 最悪の使者が終わりを告げる。宿命、楽園、そして紫の願い。 全てを知った真九郎の選択は…。
この作品には残酷も、悪意も、絆も、感動も―――あらゆるものが詰まっています。 世界観の容赦無さでは、比類がありません。 作品全体から漂う厭世観は、余りに手加減がなく、世界への絶望を掻き立てます。 主人公、紅真九郎はそんな世界の中で、揉め事処理屋を生業としています。 裏の世界に身を置く宿命として、彼は世界の悪意を直視しなければいけません。 ――――彼は悪を許容できるほど大人ではなく、正義をかざせる程に強くもありません。 そんな自身の現状を彼は良しとしません。 強くなりたいという憧憬を抱え、彼は揉め事処理屋として作品に登場します。 強くなどなれないという諦観。自身を呪う過去の傷。 絆を躊躇う弱さ―――歪みを持つ真九郎は、ある少女と出会います。 それが物語の始まりとなります。 九鳳院紫―――そう、少女は誇り高く、自分の名前を彼に告げます。 傲慢で生意気な少女。そして、誰よりも純粋で聡明な少女。 少女は答えを求めていた。生きていくために必要な答えを。 二人が出会ったのは、悲劇の始まりか? あるいは救済の幕開けか? さて、結末は作品にて確かめて下さい。 と、ここまで書いて大爆笑。だってヒロイン七歳児ですから(爆)。 でも、ここまで人の絆を描いた作品も、中々無いと思います。 人と出会い、人に救われ、人を救う―――これはそんな作品です。 面白いですよ。
紅真九郎。『紅』という題名にふさわしく、この作品は彼の物語です。 彼の歪みに震えて、彼の強さに涙してみて下さい。 九鳳院紫。物語中で一、二を争う器の大きさを持ってます。 魅力的なヒロインですが、残念ながらまだ子供(笑)。 光源氏ではないですが、十年後が楽しみな女です。 崩月夕乃。作品内のオアシス。彼女の可愛らしさは天然とか計算とかの域を超えてます。 反面、芯のしっかりとした強い女性であり、人間的な魅力に溢れた女性でもあります。 村上銀子。作品内では余り表に出ませんが、遍歴を辿ると一途な彼女の性格が窺えてきます。 今のところ活躍が少ないですが、これからに期待しています。
やや突飛な印象を受ける設定群。 何よりヒロインが七歳児(笑)であること。 見る人によっては、これらが読むための障害になるかもしれません。 ただ一言申し上げれば、これらの欠点を補って余りある魅力が、この作品にはあります。 厭世的な世界観には、それを切り裂く正義が。 突飛な設定には、リアリティと魅力溢れるキャラクターが。 ヒロインが七歳児であることには、常識を守ることが(笑)。 これらの要素が絡み合い、結果的には作品をより高次元なものに仕立て上げたと思います。
・キャラクターに個性があり、明るい場面もあれば暗い場面もある。 そして、人物から人物への気持ちの変化などが、はっきりと書かれていないのにもかかわらず、分かる。 最後に主人公が、少女を守るときのやり取りには感動した。
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ザ・サード
辺境に生きる何でも屋の火乃香は、砂漠で立ち往生していた美しい青年イクスを救う。 禁断の地"鋼の谷"にむかいたいという彼の依頼を引き受けたとき、 火乃香の壮大な冒険は始まっていた…。 砂に覆われた大地、文明の衰退を迎えた人類、 人類の能力を遙かに超え、人間を支配する亜人種"ザ・サード"。 混沌と崩壊の時代を舞台に、明るく胸のない少女が居合いを武器に世界の謎に挑む! 第10回ファンタジア長編小説大賞準入選受賞作! ファンタジアの新境地を開くサイバー・ファンタジーついに登場。
主人公は偏狭で『なんでも屋』を営む少女・火乃香と、機械知生体のボギー。 この主人公が砂漠で出合った青年・イクスの以来を受けて、 トラブルに巻き込まれてく話なんですけど、 とにかく戦闘描写が爽快です。 火乃香が刀を抜いて、常人離れした居合いの技でどんどん敵を倒して行きます。 名刀でもないナマクラの刀で機械でもブッた斬っていっちゃいます。格好良いです。 あと、喋る戦車・ボギーも魅力的です(笑 これを教えてくれた友人Yさんには感謝するばかりです
謎めいていて爽やかなキャラです。こういうミステリアスなキャラは大好きです。
俺の着眼点が悪いだけかもしれませんが
主人公と相棒の、たわいもない会話や、個性的なキャラクター達にも惹かれました。 「ザ・サード」という言葉に秘められたもう一つの意味など、おっと思うものが多かったと思います。 説明文(地の文)がわかりやすく、兵器など馴染みのないものもすんなりとイメージすることができました。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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