かつては新風舎・碧天舎という会社も自費出版業界では大手に名を連ねていましたが、経営が悪化し倒産しています。
その際、出版代金を前払いしたものの、出版してもらえなかった著者が千人以上現れ、大問題になりました。
新風舎は共同出版事業によって出版点数が伸び、2005年度には出版点数業界ナンバーワンになるほどでした。
しかし、出版される作品が多くなるに従って、著者とのトラブルも増え、暴露本などの書籍やインターネット等でも、「悪徳商法だ」と批判されるようになったのが原因で業績が急激に悪化していきました。
このため碧天舎は2006年に、新風舎は2008年に倒産する結果となりました。
この2社は短期的な利益を追い求めた結果、顧客である作者との信頼関係を壊し、倒産に追い込まれたと言えるでしょう。
2013年10月現在、自費出版ビジネスの大手として残っているのは文芸社のみになります。
文芸社は倒産した2社の失敗を教訓とし、「著作者保護制度」を導入しました。もし、文芸社が経営破綻して、自費出版契約を結んだ本が刊行されなかった場合、著者が支払ったお金が戻ってくる制度です。
文芸社は通常の商業出版も手がけ、自費出版からも累計100万部以上のヒット作『リアル鬼ごっこ』の山田悠介、シリーズ累計350万部のヒット作『心霊探偵八雲』の神永学、といった著名な小説家を輩出しています。
無論、これらの成功例は、例外中の例外と言えますが、倒産した2社に比べれば、編集ノウハウに優れ、作者よりのビジネスを展開していると言えるでしょう。
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