自費出版を行っている出版社は、通常の出版社とは利潤の仕組みが違います。
通常の出版社は本を売ることで利益を得ます。
本の製本代、流通作業の他、作者にも原稿料や印税を払うのですから、できた本が売れなければ赤字です。
だから作品を見る目も厳しくなります。
新人賞で選ばれる作品が、ほのごくわずかなのもこのためです。
一方、自費出版を行っている出版社は、読者ではなく作者をお客さんにしています。
作者からお金をもらって、本を出版することによって利益を生み出しているのです。
客商売ですから、お客さんに逃げられては困ります。そのため、原稿に対して欠点をあげつらうような批評はしません。作者に気持ちよく本を出してもらうために、自然と甘い営業トークになります。
とにかく本を作ればお金になるということから、中には原稿をろくに審査もせず、いい加減な編集をする出版社や、釣った魚は逃がさないとばかりに、一度接触してきた人に対して、自費出版をしつこく薦める電話をしてくる出版社もあるようです。
ただ、自費出版を行っている出版社のすべてが、顧客満足度外視の金儲けしか頭にない悪徳業者というわけではありません。
中にはちゃんと本が売れるように書店に営業してくれる担当者や、原稿にしっかりとした批評をつけて、作品の完成度を高めてくれる会社もあるようです。
出版社や担当者によって、サービスの質がだいぶ違ってくるというのが事実です。
文芸社が自費出版では最大手です。
2001年に文芸社から自費出版された『リアル鬼ごっこ』が発行部数100万部を越えるヒットを記録し、漫画や映画にもなりました。人数は少ないですが、成功した作家を輩出している実績を持つ自費出版社です。
他にも小さな出版社がいくつかあります。
自費出版にかかる費用などもまちまちです。
もし本気で自費出版をするのであれば、費用やサービスが一番良いのはどこなのか、事前に入念に調べる必要があります。
その際も、自費出版で作った本はまったく売れない、単にリアルに手に取れる本ができるだけ、ということを念頭に置いておきましょう。
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