タイトルに『妹』というキーワードを入れてあるラノベが多いです。
これは『妹』というキーワードがオタク男子のハートをグイッと惹きつける力を持っているからです。
ターゲット層の嗜好に合わせて、読者が反応しやすいキーワードを選んで入れているのです。
例を挙げると、以下の様な作品があります。
妹とは、メイド、巫女と並ぶ三大萌え要素と言われており、数ある萌え要素の中でも最強の力を持ちます。例え、メイドが飽きられても、妹が飽きられることは未来永劫あり得ないでしょう。
メイド死すとも妹は死せず、です。
なぜ、妹に男性が惹きつけられると言うと、そもそも自然界において男性が生まれた目的が、繁殖のためと『強い力によって、身内である女性や子供を守ること』だからです。
女性や次の世代を担う子供がいなくなれば、その種や部族は消滅します。男性は、外敵との闘争を目的に、女性の肉体をベースに作られたイレギュラーな存在です。
このため、男性には本能的に『強さへの憧れ』と、『女性や子供などの非力な存在(非戦闘員)を守りたい』という欲求を備えています。
妹とは、自分の身内である年下の女性です。
親は兄に、「妹をいじめるじゃないよ、妹は守ってあげなくちゃダメだよ」と教育します。これは男性の持つ暴力性が、次代を担う身内に向けられるのではなく、彼女らを守るために使われることが、道徳的に理想だからです。
遺伝子レベルにおいても、自分と近しい遺伝子を持つ妹を外敵から守ることは、自分とほぼ同じ遺伝子を後世に伝えることができるため、有意義なことです。
『武士道とは死ぬことと見つけたり』
という武士の美学がありますが、自分の属する集団や身内のために戦って死ぬのは、古今東西、あらゆる民族において英雄的行為とされています。それが男性の生まれた目的だからです。
しかし、現代社会において、外敵に襲われるリスクというのは、限りなく低くなっています。戦争も日本では起きませんし、狼などの危険な野生動物に脅かされることもありません。
また、少子化で家族も少なくなっており、生涯未婚率が上昇しているなど、男女の結びつきも弱くなっています。
こういった社会では、男性の持つ『身内である女性や年下の子供を、力によって守りたい』という欲求が充足しにくくなります。
満たされない欲求は、空想の物語で満たすしかありません。
かくして、「お兄ちゃん大好き!」と妹から男として頼りにされたり、わけのわからない敵にヒロインや妹が襲われて、これを助けたりするライトノベルが人気になる訳です。
女性や年下の子供から助けて!と頼られると、奮起してしまうのが、男というものです。それが身内の年下の女性ならなおさらです。
『妹萌え』とは、必要とされなくなった男性の本能を屈折した方法で満たす方法と言えます。
もし、タイトルで目立ちたいと思ったら、この本能を刺激する『妹』というキワードを入れてみるのが良いでしょう。
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