2014年の夏に小説投稿企画を一緒に行ったラノベ編集者の伊藤さんによると、ヒットするキャラクター作りのコツとして、「○○○なのに、□□□なキャラ」というのがあるそうです。
簡単に言うと、相反する2つの属性を併せ持っている、ということです。
通常では有り得ないギャップが生まれるので、キャラの個性と印象が強くなります。また相反する属性が、トラブルを呼びこむ原因になるので、ストーリーを転がしやすくもなります。
例えば、『魔法科高校の劣等生』(2011年7月刊行)の主人公、司波達也は、劣等生クラスに所属しているのに実は異端の天才児です。このようなキャラは、優等生や既存の権威者からは疎ましがられるし、否が応でも周りの注目を集めるので、トラブルを起こしやすくなります。
ストーリーとは要するに問題解決の過程なので、こういった騒動の中心にいつもいる人物こそ、主人公やヒロインに相応しいのです。
以下に例として上げるのは、すべて累計発行部数100万部以上の大ヒットライトノベルの主人公、ヒロインです。
魔法学園の落ちこぼれなのに、伝説の系統魔法「虚無」の使い手。『ゼロの使い魔』(2004年6月刊行)のヒロイン、ルイズ。
凄腕の傭兵なのに、日本の社会常識が欠落している。『フルメタル・パニック!』(1998年9月刊行)の主人公、相良宗介。
男友達はまったくいないのに、女友達は多い。『僕は友達が少ない』(2009年8月)の主人公、羽瀬川小鷹。
魔界を統べる魔王なのに、ファーストフード店のまじめなアルバイト店員。『はたらく魔王さま!』(2011年2月刊行)の主人公、真奥 貞夫(魔王サタン) 。
リア充な美少女なのに、エロゲーオタ。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』( 2008年8月刊行)のヒロイン、高坂桐乃。
邪神なのに、重度のオタク美少女。『這いよれ! ニャル子さん』(2009年4月刊行)のヒロイン、ニャル子(無貌の神ニャルラトホテプ)。
大学生なのに3人の娘の父親。『パパのいうことを聞きなさい!』(2009年12月刊行)の主人公、瀬川 祐太。
男の子なのに、美少女としか見えない思えない。『バカとテストと召喚獣』(2007年1月)のヒロイン?木下秀吉。
以上です。
このような両立するのが難しい、一見相反する2つの属性を持った「○○○なのに、□□□なキャラ」のテンプレートに当てはめてキャラクターを作ることで、個性的でヒットしやすいキャラ作りができるのです。
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