ジジさん(ラノベ新人賞下読み)のコラム 2014年01月13日
あらすじとは、その作品の流れを端的にまとめた設計図です。作品の枝葉を全部落とし、皮まで剥いだ後の幹という感じですね。
これは下読みの方によって違うと思われますので、私は……と前置きをしたうえで言えば、あらすじは以下のように参照します。
・応募作を読む前に大体の流れを確認
・応募作を読んでいる途中で、物語の本筋や伏線などのつながりを確認
・読んでいる途中で応募者の意図がつかめない(なぜここにこのシーンが?等)ときにそれを確認
あらすじが設計図として機能していれば、本編でうまく表現できていなかった部分などを補完できるので、評価点ダウンのダメージを小さくできる可能性があります。
ですので、応募者の方はあらすじにきちんとあらすじを書くようにしましょう。
このスレで相談してくださった方にあらすじを要求した理由は、あらすじが応募原稿の顔になるもの――下読みが最初に目にするものだからです。
ここで力が感じられない作品は、期待値が下がります。もちろん本編はなめるように読むわけですが、マイナス印象が最初に課せられる状況は、応募された方にとってやはり不利になると言わざるをえません。
そしてほとんどの賞ではあらすじが800字以内に定められていますので、この800字で作品をどのくらい「再現」できるかはひとつの勝負になります。
やり取りの中で私に長いあらすじを要求された方は、あらすじで作品を再現しきれていないということですので、もう少しだけあらすじについて考えてみてください。
あらすじは最初になにが起こって誰がどう関わって展開し、転じ、終わるのか、作品の流れに沿ってきちんと書き込んでください。
それが淡々として、作者の目にはつまらさなそうに見えたとしても、その作品に力があればかならず下読みの目を惹きつけます。