選考の基準について質問させていただきたいのですが、一次選考(特に下読みが読む段階)で要求される作品のレベルとは、現実的にはどの程度のものなのでしょうか?
たとえば電撃ですと、評価基準七項目(発想・物語・世界観・キャラクター・構成・文章表現・読後感)で総合Aを取った作品が二次選考に進むと書かれているのですが、各項目について、具体的にどれくらいのレベルでAとなるのでしょうか?(レーベルごとに基準は異なると思いますが、共通していそうな範囲でお教えいただけたら幸いです)
また選考の各段階で作品に要求される基準は
下読みの段階:小説として成り立っているか?
編集の段階:商品性があるか? 差別化要素があるか?
だと個人的に思っているのですが、この解釈は正しいでしょうか?
また何か注意すべき点・補足などがあればお願い致します。
そもそもこんなことを気にせず、面白い作品を書ければいいのでしょうが(苦笑)
ご教授いただけるとありがたいです。
> 一次選考(特に下読みが読む段階)で要求される作品のレベルとは、現実的にはどの程度のものなのでしょうか?
賞の規模によって変わります。
でかい賞だと、上に上げていい割合(全体の何割を上げるようにという指示があります)が多く設定されるので、挙げていただいた要素の中でかなり拙い部分があったとしても武器があると感じたものは通します。他の人が読んでも同じように武器があると判断されるかどうか、委ねるわけです(たいがいは武器のあるものは完成度も高めですが)。
小さい賞の場合、一次は戦争です。ほとんどのものをここで落とすことになりますから。それぞれの要素にひとつでも大改造が必要なレベルのものはまず落ちます。
大小問わず言えるのは、ラノベの場合はキャラとネタにオリジナリティがあって押し出せていることが最重要です。
> また選考の各段階で作品に要求される基準は
> 下読みの段階:小説として成り立っているか?
> 編集の段階:商品性があるか? 差別化要素があるか?
> だと個人的に思っているのですが、この解釈は正しいでしょうか?
下読みの段階:小説として成り立っているか? 差別化要素はあるか?
編集の段階:商品性はあるか? カテエラに加え、レーベルカラーに合っているかどうか?
ですね。差別化要素がないものは、下読み段階で落ちます。
> また何か注意すべき点・補足などがあればお願い致します。
一人称はもちろん、三人称でも主人公に視点をきっちり固定しましょう。脇キャラの心情を掘り下げたくなる気持ちを抑えて、主人公とヒロインの心情エピソードに集中しましょう。
これを守るだけでクオリティがぐっと上がります。
初めましてこんにちは。
私は女性向けのラノベレーベルを中心に投稿しています。
女性向けも読まれる下読み様は少ないので、たっぷり質問させて下さい。
1・文章が上手い!と思われる投稿者の特徴ってあるでしょうか?
2・ニアホモ小説を書く時の注意などありましたら教えて下さい。
3・女性向け受賞作はよく、本になるとラストを書き直されると聞きます(ヒーローとくっつけるかくっつけないかで)。
それってつまり、女性向けではラストはあまり関係ないということですか?
4・女性向けはどのような小説がカテエラになりますか?
5・定番の姫嫁中華で、つまらないな~と思う物語の特徴を教えて下さい。
以上の五点を教えて下さると嬉しいです。
読んでくださって有り難うございました。
> 1・文章が上手い!と思われる投稿者の特徴ってあるでしょうか?
雰囲気や独自性を出そうとしすぎず、読みやすい文章を心がけられる人は感心します。特に女性向けだと、妙に難解な言い回しを使いたがる人がいますので。
> 2・ニアホモ小説を書く時の注意などありましたら教えて下さい。
コメディならきちんと「これはネタ」だと表現すること。
シリアスなら身体的接触はなるべく避けつつ、精神的な交流が深まっていく様を描いていくこと。
BL系を好む人が思う以上に、BL系を受け付けない女性は多いですので。
それが武器になる話でないなら、ニアホモは味つけ程度にしておいたほうが無難かと思いますが。
> 3・女性向けではラストはあまり関係ないということですか?
男性向きでも、読後感が悪いものは修正指示が入ります。
> 4・女性向けはどのような小説がカテエラになりますか?
ぱっと思いつくのは、
・男性主人公で男性目線の話(男が読んでおもしろい話)
・男性主人公のSF(SFは女性主人公でもつらいですが)
くらいでしょうか。
> 5・定番の姫嫁中華で、つまらないな~と思う物語の特徴を教えて下さい。
これもパっと思いつくのは、
・姫主人公に付き従う大臣が超美青年
・主人公が超強い(俺TUEEE系)
・無能力(と言いつつ本当はすごい力を持つ)の主人公を伝説級の妖怪・悪魔・天使が守りに現われる
ですかね。このパターンを踏んでくる応募作はたいがいキツイです。
エロい描写・展開はどこまで許されますか?
執筆中にとある女キャラが勝手に動いてしまい(プロットと別の行動をした)あるヒロインにちょっとエッチなことをするのですが、そういう描写はラノベ新人賞では嫌われるのかなあ、と思い質問しました。
市販のラノベにはそういうのはたくさんありますが、ラノベ新人賞ではどうなんですか?
レーベルによるとしか言えませんねぇ。
エロが売りのレーベル、バカエロが売りのレーベル、それぞれあるわけなので、エロっぽいレーベルに送れば大丈夫かと。
個人的には「そのエロはあなたの作品において武器になるものですか?」という疑問はあります。
応募作という一発勝負の中で、貴重な文量を費やせるほどのものなのであれば問題ないのですが。
ただいまどこかの賞に送ろうかなと思ってる話が二つあります。
一つは異世界が関係する現代モノで、ストーリー自体はあまり凝ってない勧善懲悪の王道路線。
物語よりギャグを全面に押し出した、笑えりゃそれでいいってコンセプトです。
一つは笑える所なんてどこにもない、恐怖を煽ることだけ考えた百合っぽいホラー。
ホラーって言ったら美女でしょと安易な考えで主人公は女性なのですが、一応は男性読者を意識して一工夫を加えています。
映像的ではなく文学的な恐怖を表現してみようと(そんな立派ではありませんが)書いてみた、趣味的で実験的な、ハナっからコレが通るハズないなと思ってるモノ。
ある程度ジャンルが似てる二作品なら同じ賞に送りつけるところですが、こうも違う中身で同じ賞に送っても問題ないものでしょうか?
友人には「おまえ何が書きたいんだ」と笑われたので、折もよく本職の方が来られて、せっかくだから聞いてみようと。
ギャグはギャグ、ホラーはホラーで、それぞれ別々に相応しいだろう賞を選んだほうが良いものでしょうか。
作家としてマイナス評価がつかないようなら、片方は遊びだし、同じ場所に送ってしまおうと考えています。
> 作家としてマイナス評価がつかないようなら、片方は遊びだし、同じ場所に送ってしまおうと考えています。
同じ賞に複数本送るのは、特にマイナス評価にはなりません。
ただ、ネタを見るかぎり、1本めは投稿前に要熟考ですね。あくまで私個人の経験則ですが、ギャグものは中途半端なものが多いので。書く側の「これでいいだろう」は、読む側には「これだけ?」なものですから。
まあ、賞に関わる者として、「遊び」で送るのはやめてほしいですが。それを最初から最後まで真剣に読むのが下読みですので。
2本めはネタもテーマのシンプルさもいいと思います。
物語的なしかけやどんでん返しがきちんと用意できているなら、百合成分の配合を調整したうえで勝負かけられるかと。
>ギャグものは中途半端なものが多いので。書く側の「これでいいだろう」は、読む側には「これだけ?」なものですから。
確かにその通りですね。まずは小説として楽しめる、更にギャグがある、という方向性でよく見なおしてみます。
> まあ、賞に関わる者として、「遊び」で送るのはやめてほしいですが。それを最初から最後まで真剣に読むのが下読みですので。
返す言葉もございません。
実験的な段階からひと剥けするよう、文字の肥やしにしようと思います。
正直ホラーはねえだろうな、と本気で思っていたので、方向性の一つとしてアリだと教えていただいただけで質問した甲斐がありました。
ありがとうございました。
> 正直ホラーはねえだろうな、と本気で思っていたので、
賞に応募する人にとって大事な部分だと思うので補足を。
1本めのネタを要約すると、「ギャグを押し出した笑える勧善懲悪の王道ストーリー」ですよね。
対して2本めは要約するまでもなく、「恐怖を煽ることだけ考えた百合っぽいホラー」。
前者がギャグ・王道ストーリーという形になっていないものが売りなのに対して、後者はホラーという形がきちんと見えている。それだけであらすじ(設計図)として成立していますし、テーマが確立しているという証拠にもなっているわけです。
ふわっとした説明しかできない作品と、きっちり簡潔に説明できる作品、読む側としてどちらが期待値高いかは明白ですし。
特にホラーは応募作の中でもほぼ見かけないジャンルです。うまくレーベルの読者対象に合わせた味つけができるなら、それは大きな武器になるでしょう。
別の流れの質問です。
ラノベと一般、それぞれどの程度改稿するものなんでしょう。世に出た時の出来と、受賞時点の出来ってどのくらい違いますか?
私はプロの作品と自分の作品を比べて鬱になって、送るの尻込みする傾向が強いです。その割に、誰かに指導してもらわないと細かいところは直せないので、改稿こみでも受賞する時が多いなら出したいです。あらすじとかは独自性が出せるようかなり頑張ってます。
物によりますが、受賞後1度も改稿指示が出ない作品は絶対と言っていいほどにないです。
どんな作品にもかならず穴はあり、それを埋めるのが冷静な他人(編集)の目の仕事ですから。
>あらすじとかは独自性が出せるようかなり頑張ってます。
あらすじに独自性、というと、小説の裏表紙なんかの内容紹介のような感じにしていますか?
あれはあらすじと書いてあってもあらすじではなく、「あおり」という読者に買ってもらうためのおもしろ宣伝文です。
これは間違えている応募者の方が多いのですが、あらすじとはあおりではなく、誰それがこういう事件に巻き込まれてこういう人の協力を得てこんなふうに事件を解決してこのように終わる、という物語の設計図のことを言います。
もしあらすじにあおりを書いているなら、次からはあらすじを書いてください。設計図があれば、応募者の方が作品でなにを書こうとしたのか、いつでも参照できますので、応募者の方にとってもお得なはずですので。
このサイトに入り浸っている人がよく口にされるんですが、オリジナリティや独創性がどういうものなのか、ご教授願えればと思います。
私は単純に多数決で少ない方ということではなく、どれだけ作者の世界観を表せているかだと思っていますが…。
> オリジナリティや独創性がどういうものなのか、ご教授願えればと思います。
質問の範囲が広大なものなので、1度で納得していただける返事ができるかわかりませんが……
ぶっちゃけ私は、「その年、ほかの応募者が考えつかなかったキャラ、世界観、展開、ジャンルを提示できること」だと思っています。
賞というものは「他作品との比較」で上に登っていくレースです。だとすれば、多少以上にマイナスがあったとしても「他作品にないもの」が強く押し出せていれば、それを手がかりに登れることが多々あるのです。
そして、その年に誰も考えつかなかったその応募者の要素は、翌年以降はスタンダードとして加えられることになります(パクリ/インスパイアの種になるという意味で)。
世界観を出せるというのはもちろん独自性ですが、実は狭義としてのオリジナリティや独創性ではないのです(雰囲気や世界観というのは、すでに天才以外の頭で新しくひねりだせる隙間がないくらい出尽くしていますので。かならず「~テイスト」という判定をつけられます)。
ちょっとわかりにくい説明ですが、ざっくりと言えばこのような感じです。不明点等あれば、質問をしぼって再度お訊きください。