■質問2015/01/25
男性向け作品を書く場合、女性向け視点がマイナスに働くことを述べられてましたが、これはなぜでしょうか?
●ジジさんの回答
女性向けでは「共感」が重要になります。女性向けのコンテンツを作成する場合、この「共感」をふたつの観点から意識しなければならないと考えています。
ひとつめは、主人公への共感。これはそのままの意味ですね。
そしてふたつめが、読者同士の共感。恋愛ものであれば「恋愛は難しい」などといった、多くの読者がなんとなしに「ああ、そうだよね」と思ってもらえる要素を入れること。そしてその「そうだよね」を読者同士が共有できるようなコンテンツづくりをすること。
実にこのふたつめが重要で、ファン同士が交流しやすい物語づくり(キャラやストーリーに、好まれやすい傾向を作ることなども入りますね)ができると、自然に作品自体が盛り上がります。
言い換えれば、女子/女性の共感というストライクゾーンは、縦(好み)が狭い代わりに横(のつながり)に広い傾向がある感じですね。
ただ、この共感というものは、男子や男性にはうざったくて気持ちの悪いベタベタ感を与えてしまいます。
これは女子に比べて男子はいろいろな意味で即物的ですし、明確な結果を求める傾向のある生き物だからです。
ですので、男子狙いなら女子のことは考えないのが無難です。というのが私の意見になります。
■質問2015/01/25
男子狙いと女子狙いの相違点を簡単にまとめていただけると助かります。
●ジジさんの回答
極端に言えば、
男子狙い=ドリーム
女子狙い=ファンタジー
でしょうか。
男子向けは「想像」しやすいもの、女子や一般向けは「共感」しやすいものが受けますね。
■質問2015/01/24
集英社からオレンジ文庫(2015年1月20日創刊、ラノベと一般文芸の中間に位置する女性向けレーベル)が創刊されました。ラノベのようで、一般寄りな雰囲気があると私は思います。私もあのような作品を書きたいと思うのですが、やはり一般寄りでも恋愛については萌えが必要だと思いますか?
●ジジさんの回答
女子・女性向けの小説の主人公においてもっとも重要な要素は「共感」です。
読者が主人公に共感するためには、なによりも主人公の設定より、主人公が置かれるシチェーションの設定がカギになります。
読者に「こんな状況になったら自分でもこうする! 同じように感じる!」と思わせないといけないわけですね。そのためには細やかなシチュエーション設定と、それに対する主人公の心情描写が必要になります。
講評と合わせて考えるに、おそらくはこの「共感させるシチュエーションづくり」と「共感できる主人公(の心情)づくり」が弱いのではないかと思われます。
■質問2014/10/03
わたしは少女小説を書いているのですが、新人賞の評価シートで、.設定描写や心理描写を含めた説明文 に問題があると指摘されました。主人公の心理描写も足りていないということでしょうか?
●ジジさんの回答
女子・女性向けの小説の主人公においてもっとも重要な要素は「共感」です。
読者が主人公に共感するためには、なによりも主人公の設定より、主人公が置かれるシチェーションの設定がカギになります。
読者に「こんな状況になったら自分でもこうする! 同じように感じる!」と思わせないといけないわけですね。そのためには細やかなシチュエーション設定と、それに対する主人公の心情描写が必要になります。
講評と合わせて考えるに、おそらくはこの「共感させるシチュエーションづくり」と「共感できる主人公(の心情)づくり」が弱いのではないかと思われます。
●ジジさんのコラム2014/07/09
少女向けでもっとも重要視される要素は「共感」です。
これはいつの時代も変わりませんし、それこそスマホ小説ですら審査基準の第一は「主人公に共感できるか?」になります。
この共感はイコール心情描写の量と深さになりますので、状況ごとで主人公が心情的になにをどうとらえるかはもちろん、人と対することで主人公がどのような心情の動きを体験するか、それをどう描写してあげるかが重要ですね。
■質問2013/10
文章が上手い!と思われる投稿者の特徴ってあるでしょうか?
●ジジさんの回答
雰囲気や独自性を出そうとしすぎず、読みやすい文章を心がけられる人は感心します。特に女性向けだと、妙に難解な言い回しを使いたがる人がいますので。
■質問2013/10
ニアホモ小説を書く時の注意などありましたら教えて下さい。
●ジジさんの回答
コメディならきちんと「これはネタ」だと表現すること。
シリアスなら身体的接触はなるべく避けつつ、精神的な交流が深まっていく様を描いていくこと。
BL系を好む人が思う以上に、BL系を受け付けない女性は多いですので。
それが武器になる話でないなら、ニアホモは味つけ程度にしておいたほうが無難かと思いますが。
■質問2013/10
女性向け受賞作はよく、本になるとラストを書き直されると聞きます(ヒーローとくっつけるかくっつけないかで)。それってつまり、女性向けではラストはあまり関係ないということですか?
●ジジさんの回答
男性向きでも、読後感が悪いものは修正指示が入ります。
■質問2013/10
女性向けはどのような小説がカテエラになりますか?
●ジジさんの回答
・男性主人公で男性目線の話(男が読んでおもしろい話)
・男性主人公のSF(SFは女性主人公でもつらいですが)
■質問2013/10
定番の姫嫁中華で、つまらないな~と思う物語の特徴を教えて下さい。
●ジジさんの回答
個人的に以下のパターンを踏んでくる応募作はたいがいキツイです。
・姫主人公に付き従う大臣が超美青年
・主人公が超強い(俺TUEEE系)
・無能力(と言いつつ本当はすごい力を持つ)の主人公を伝説級の妖怪・悪魔・天使が守りに現われる
■質問2013/10
女性受けする女性主人公に共通点する型、パターン、要素などありますでしょうか?
●ジジさんの回答
おしとやかよりも元気で、不得意な科目を友人やヒーローにサポートしてもらうような“隙”のある女の子が多いです。
これは男子よりも女子のほうが、主人公像に「共感」を求めるからだと考えます。
ですので、女性向けの主人公像を考えるときは、その主人公自身の設定ということではなく、その主人公に読者が共感できるシチュエーションがなんなのかを考えるとよいかもしれません。
■質問2013/10
少女向けレーベルは、非常に保守的なジャンルで、出版されるのは昔から変わらないパターンの物語ばかりだと聞いたのですが、これは本当でしょうか? ヒロインが姫、巫女、嫁の異世界物ばかりがあるようなイメージがあります。
●ジジさんの回答
女子の早熟性は、現実感を重視するという一種の保守性につながるのかもしれません。実際、少女・女性向けレーベルの応募作の主人公は姫・巫女・嫁が非常に多いです。
女性読者が求めるロマンスという要素において、幼少期からなじみの深い姫や巫女、そして嫁という存在は共感しやすい依り代なのではないかと。
また、姫=王子や民から求められる、巫女=神や世界から求められる、嫁=男性から求められる、という「誰かに必要とされる充実感」が、これらの身分を王道にしていることもあるのかもしれません。
結論としては、読者に求められるからこそ王道パターンが生み出され、王道だからこそ多くの応募者や作家がそれを題材に選び、作品が多いからこそ良作もまた多くなる。というサイクルなのでは、という感じです。
■質問2013/10
少年向けレーベルと少女向けレーベルに求められる主人公像の違いとはなんでしょうか?
●ジジさんの回答
男性は女性よりも想像力・妄想力に富んでいます。男にとって物語の主人公とは「自分」であり、ゆえに欲望がダイレクトに反映されます。性格や性質はともかく「主人公=自分(読者)がなりたい姿」であるとも言えるわけです。
対して女性は「主人公=自分(読者)がありたい姿」、自身が主人公になりたいと言うより、主人公が置かれたシチュエーションに自分の身を置き換えて楽しむという感じです。
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