クオリエさんの質問 2013年03月27日
初めて書き込みさせて頂きます。
今まで二次創作の一人称ばかり書いていましたが、一次創作の三人称長編に挑戦をしようと頑張っております。
今はプロットを作っている段階で、清書はこれからなのですが、表現について疑問が出てきてしまったので、書き込ませて頂きました。
私は常々、三人称小説の一番のお約束である『原則視点固定』がとても窮屈に感じるのです。
一人称の時は、固定を利点として捉えられていたのですが、三人称での固定は、人物の表現に制限がつき、とても窮屈に感じてしまうのです。
私的には、5人の登場人物がその場にいるなら、5人全員の心理描写を入れたいんです。
漫画で言うなら、カメラが向けられたキャラの傍に点描トーンなどで囲ったモノローグを入れる感覚でしょうか。
主人公の感じるものだけでなく、せめて、メインヒロインやそれに準ずるキャラの心理描写はガッツリと、同じ場で表現したい。
一応読者が混乱しないよう、会話文などをはさみ、区別したいとは思うのですが……。
だから一人称ではなく、三人称を選びたいのですが、そもそもその選択が間違いなのでしょうか?
例えるなら某デ○ノのキラとLのカッコ外モノローグでの、心理戦の応酬みたいな。
そこに別のキャラが『おいおい、緊迫してるなぁ』みたいな心のうちの表現といいますか。
上手く説明できなくてごめんなさい。
なかなかいい見本となる小説にも恵まれず……(小説を読むのが少し苦手というのもあるのですが)
この部分がどう対処したら良いのか解らなくて、執筆に踏みきれません。
良いアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
●答え●
こんばんわ。腰痛プラス便秘に苦しむクロウドです。
さて、回答ですが。三人称に縛りなどない。とまず申しておきましょう。
>私は常々、三人称小説の一番のお約束である『原則視点固定』がとても窮屈に感じるのです。
とのことですが、これは三人称の一種、『三人称一視点』と呼ばれるものの基本でして、あなたが理想とする三人称は『神視点』などと呼ばれるものです。
一視点に固定する理由は簡単で、作者の技法であったり、読者の混乱を避けるためなどです。
ライトノベルにおいては、『さっくり楽に読み通せること』に重点があるものですから、必然的に一人称と三人称一視点ばかりとなり、そのような縛りがあるように感じるのでしょう。
学校の先生でさえ同様の間違いを犯す方さえ居られるのですから、難しいことかもしれません。
もし教授賜った方、あなたの考えでの原則視点固定の意味が『主役を放置してはならない』というだけの意味でしたら、複数の登場人物が織り成す群像劇は成立できないことになります。
参考となるものは、時代小説にはごろごろしているのですが、井上靖氏の作品(大河ドラマ風林火山の原作)が読み易いかと。
なにぶん、文章力や描き分ける技量が必要となりますので、難しいものです。失敗上等で挑んで乗り越えて行けますようお祈りいたします。
簡単なことです。
会話文は「」
思考は()
地の文は情景・状況描写のみ。
これを徹底すれば、味のある文章は書けませんが、意味不明の文章を書くこともありません。余程変なことをしない限りは。
繰り返し言いますが、余程の文章力がない限り、味のある文章は絶対に書けません。ストーリーのみの勝負となります。ストーリーに自信があればどうぞ。
例
「 」
と、太郎は話す。しかし、腹の底では
( )
と、太郎は思っている。
しかし、
( )
当然ながら、花子にその目論見は、ばれていた。
「 」
と、花子は言い返す。
なぜ、どうしてはじめてなのに難しいことに挑戦するの?
書き慣れた一人称でいいでしょう?
こんにちは。
他の方も指摘されているとおりなのですが、クオリエさんの認識は、まったくの逆です。
三人称文体は『視点自由』――いわゆる神視点が大原則であり、たとえば5人いる登場人物すべての心情を描き出しても何ら問題ありません。
ですが、それでは視点がいったりきたりして混乱し、読者にストレスを与えてしまうので、そのストレスを軽減する方策として『視点固定』が採用されることが多いのです。
こうすれば、読者は視点者(たとえば主人公)に感情移入しながら物語を楽しむことができます。
>一応読者が混乱しないよう、会話文などをはさみ、区別したいとは思うのですが……。
視点の混乱によって読者がストレスを感じる。
その危険性を覚悟したうえで、またその危険性を軽減する措置を講じたうえでなら、クオリエさんが書きたいように書いて結構です。
ちなみに、僕がそのような文章を書こうとするときには、会話文によって区別をつけることよりも、主語を明確にすることを最優先に考えますね。
すこしでも参考にしていただければ幸いです。
「視点が固定」「心情描写を含まない」という制約は、たしかに作者の表現の自由を奪います。
しかし、読者が物語を理解しやすい、作者の書き間違いが減る、といった利点もあります。
料理本のレシピと、独自のレシピ。
玄人ならともかく慣れてないうちは、テンプレートに従っておく方が、読者と作者双方にとってお得。
それを理解した上で使いたい場合。
視点については、簡単にまとめると以下のようになるかと思います。
・視点人物は、物語世界内の人物?(一人称と三人称の壁)
・視点の数は1つ?(単一視点と多視点の壁)
・心情描写は含まない?(三人称における、カメラ視点と神視点の壁)
「複数視点」「心情描写」の両方を行ないたい場合、三人称神視点というものが該当するでしょう。
神視点は、複数視点と心情描写、両方の利点・欠点を含んでいます。
まず複数視点について。
利点として、視点人物の数&説明能力だけ、描写できる内容が増えます。
欠点は以下の3つでしょうか。
□読者が混乱しやすい
他の方が指摘されている通り。
□ストーリーの展開が遅くなる
心情描写が人数分だけ加算され得るため。
対策としては、描写する心情・光景の取捨選択を行なうことが必要。
□集中して描写している対象(ストーリー?)以外、薄っぺらくなりやすい
例えば個々の登場人物とかは、薄っぺらくなりやすそうです。読者の注意を惹けていれば別ですが。
対策としては、描写対象を取捨選択する。または、描写・説明を長くする。
次は心情描写について。
これを使うと、描きたいイメージを直接記述できて楽ですし、読者もわかりやすい。
でも、直接的すぎて、味がなくなってしまう部分もある気がします(描写と説明の違い?)。
行動を描写することで、心情の説明を間接的に行なうやり方もありですよ。
>なかなかいい見本となる小説にも恵まれず……(小説を読むのが少し苦手というのもあるのですが)
トルストイの「戦争と平和」 。
パラ見してみたらいかがでしょうか。
初めまして、ちきという者です。
一回、完全な3人称に挑戦して書いたことには書いたのですが、地の文がとても短く、読み返すと違和感を感じました。経験をしました。
作風によりけりですが、慣れた一人称でいいのでは?
「それでも三人称がいい!!」というなら、三人称よりの一人称をおすすめします。
字を読んでの如く、三人称と一人称を足して二で割った文体です。三人称としても書け、一人称としても書けます。
ただ、慣れるまで時間がかかるかも……。
複数人の心理描写はスペースをあけて間に記号を入れる(いれないのもあり)1つですよ。
執筆がんばってください!!
はじめまして、書き込み有難うございます。
『神視点』というものを自分でも調べてみました。
やはり『素人は手を出してはいけない』『プロでも失敗する』とありました。
私が目指そうとしている場、『群像劇』とは、とても作るのが難しいのですね。
> 参考となるものは、時代小説にはごろごろしているのですが、井上靖氏の作品(大河ドラマ風林火山の原作)が読み易いかと。
やはり、最近(?)のラノベ等にはこういう傾向の小説はないのですか……。
教えて頂いた本を一度めくってみたいと思います。
敢えて高いハードルに挑むような形になってしまうようですが、まずは頑張ってみようと思います。
今回はありがとうございました。
書き忘れたことがあったので、再度、きた次第です。
ファミ通の『文学少女』シリーズ 、著者 野村美月先生の作品で、主人公たちの描写、犯人あるいは犯人となんらかの関係がある人物の描写の文章をwordの機能を使って、一目でわかるように変えてあります。
クオリエさんが執筆に使ってソフトはなんでしょうか? もしwordなら(一太郎は使ったことがないのでなんとも言えません)上に、さまざまな機能があります。文字を太くしたり、斜めにしたり、自由自在です。
MS明朝から、MSゴシックに文の表記自体を変えることもできます。各キャラで文の表記を変えるのも手です。
ファミ通より出ている『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス』 でみた視点移動で、視点移動したときにスペースを空けて文字を太くして「ユーコン基地 米軍宿舎 18:39分」とありました。場所と時刻を書くこと一行ほどで視点移動が楽にできます。
(手元に本がなかったので、記憶をさぐって書きました。ご自分の目で確認してみることをおすすめします)
これは私が失敗して学んだことです。複数人出すと、主人公が迷子になります。
もし複数人のキャラの心理状態を書くと「読者が主人公がだれなのかわからない」と言った現象が起きる可能性があります。
対策は、冒頭から前半にかけて読者に「主人公はコイツだ!」とわからせるアクションが必要です。
あるいは、主人公とメインヒロインの名前を漢字にしてあとのキャラは全員カタカナ、あいうえおにするのも手です。
それでは、執筆がんばってください!!
こんにちは、書き込み有り難うございました!
自分は今のところは『STORYEDITOR』というソフトで、設定と本文をごちゃ混ぜにして書いています。
清書ではワードかキングソフトのwriterを使うつもりです。
SEでもフォントや色の変更、太字や斜体など見た目を変えることはできるので、書いている本人が混乱しないよう、色々変更しながら書いてます。
なのでそれをもっと、他者に見せるような感覚で書くのかな? と感じました。
(この下書きはほぼ、情景説明以外の全キャラ部分はそれぞれ、慣れた一人称で書いています。それを三人称にして、1つの小説にまとめるにはどうするのか……というところで躓いていました)
教えて頂いた作家さんは存じ上げないのですが、視点が移動した場合など、文字が太く変わっている本を以前読んだことがあったように思います。
せっかく記憶にはあったのに……。これからはもっと、勉強しながら小説を読んでいかなきゃいけませんね。
自分が書きたいものは、大雑把に言うと『キャラが20人超えの長編は主人公が最低3人はいる』そんな感覚があるので、より難しくなるかな? と感じました。
主人公同士の会話は、心理描写でも掛け合いになりそうですし。
ですが、教えて頂いた方法を参考に、自分らしい書き方を模索したいと思います。