司馬さんの質問 2012年11月08日
お初にお目にかかります。
二年ほど前、投稿室でお世話になっておりました、司馬と申します。
こちらに投稿をいたしますのは初めてですので、何か不躾な事を書いてしまいましたら申し訳ありません。
最近になりまして、大学の方がますます忙しくなったのですが、なぜか相反するように執筆意欲が少し出てきたので一つご質問の方をさせていただきたいと思います。
単刀直入に申し上げますと、ライトノベルのような柔らかい文章を書くにはどうすれば宜しいでしょうか。
知人に聞くと、『だったらライトノベルを読めよ』というごもっともな意見を頂いたのですが、なんというか私は食わず嫌いならぬ読まず嫌いと言うもののようで、好きな作品ばかりを何度も何度も読み返すタイプの人間なのです。
そのうえ、普段読んでいる作品の作家と言うのが、司馬遼太郎さんや北方謙三さんのような、ちょっとライトノベルとは言い難い方々なので、どうしても私が小説を書こうとするとお堅いだけのどうしようもない作品になってしまいます。
無論、司馬遼太郎さんや北方謙三さんがお堅いだけの作家と言いたいわけではなく、単純に私の才覚が足りてないだけなのですが、それを改善するためのお考えを聞かせていただけないでしょうか。
ひたすらライトノベルを読み続ける以外に方策は無い、と思われるのでしたらそう書いていただければ幸いです。
非常に長々とした文章に加え、都合の良いことを聞こうとしているのは重々承知でありますが、ご意見の方を賜れるとありがたく存じます。
●答え●
こんにちは。
まず、対象読者を中学一年生に想定します。
彼らが容易に理解できるように、難しい漢字や言い回しなどを避け、専門的なことを話す場合は、身近な物に例えたり、失敗談を入れるなどして笑いを取るようにします。
子供相手に話が通じるようになれば、誰にでも通じるようになる、と、NHK『週刊こどもニュース』のお父さんこと、池上彰さんも言っておられました。
また、わかりやすい文章のコツとは、一文を短くすることです。
省略しても意味が通じるような単語を削ったり、長文を二つ以上に分解するなどして、文章を短くします。
この二つを意識するだけで、相当、文章が理解しやすくなる、柔らかくなります。
はじめまして、特産ロデオと申します。
要約すると『ライトノベルを読まずにライトノベルらしい文体を書くにはどうしたら良いか?』ということでしょうか?
間違っていたら申し訳ありません。
まずは司馬様の意図に沿って意見を述べさせていただきます。
とりあえず若輩者の私には『ライトノベルを読まずにライトノベルらしい文体を書くのは不可能とは言わずとも極めて困難』としか言えません。
普通の人間は経験や学習を通して、既存の分野での自らのレベルを上げます。
たまに天才的な人が経験無しに人並み以上にやってのける場合もありますが、それは置いときます。
例えば極端な話。
英語を読んだことのない日本人が英語を書けるでしょうか?
断言出来ませんが、堅い文体と柔らかい文体(?)は同じ日本語であっても何かしら法則が違うのだろうと思います。
それは英語と日本語の文法の違いにも匹敵するのではないかと。
実際にそれほどの差違が存在するかどうかは別として、少なくとも司馬様は既存小説の文体とライトノベルの文体には何か対策しなければならない程の『違い』を感じていらっしゃるようです。
であれば一番の近道はライトノベルを沢山読み慣れ親しむことかと。
私の愚考では他に具体的な良案が浮かびませんでした。
次に司馬様の意図から外れて意見を申し上げたいと思います。
ぶっちゃけた話、ライトノベルにライトノベルらしい書き方なんてありません。
…と言うと語弊がありますが、作家によって書き方は千差万別でありそれら全てを許容出来るのがライトノベルというジャンルである、という意味です。
堅い文体も柔らかい文体も、歴史小説のような文体も中高生の雑談のような文体も、何であれ書き手がライトノベルと評するならライトノベルです。
しばしばライトノベルの定義が曖昧模糊となる主因ですね。
司馬様の得意とする書き方があるのならそれで勝負するのも有りだと私は考えます。
それでもどうしても線引きしたいのでしたら、読みたくもないライトノベルなど書かなければ宜しいのでは?
何か事情が無いのでしたら、『堅い文体』で伝統的な小説を書いた方が余程合っているかと思いますよ。
長々と失礼いたしました。
あ、私と同じタイプだ。
はじめまして。
私もお気に入りを何度も読み返し、新しい作家作品の開拓をしません。
ライトノベルは有名タイトルを一回読むだけですね。
文芸作家さんでは宮部みゆきと浅田次郎(の昔の作品)が好きで、何度も読み返しています。
以前「好きなジャンルの名作くらい読んでないと物書きとして恥ずかしいぞ」と言われたことがありまして、喜劇とホラーは目についたら手にしてます。
まあでも、やっぱ一回目を通すだけなんだけど。
私の場合は、それほど堅い文章を書く作家さんではなかったのですが、やはり友人に「おまえの文章は教科書にのってるヤツみたい」と言われてました。
私が好きな作家の両名は、私の文章の型となった、まさしく先生方でして、現在も(自分だから気がつく程度だけど)影響を受けております。
残念ながら私は自身の小説をどこにもアップロードしていないのでお見せすることはかないませんが、現在の自分の文章はライトノベルを読む層にも充分楽しんでもらえるんじゃないかなと自負しております。
私は、確かにライトノベルも参考にしましたが、それ以上に参考にしてるのはアニメや漫画です。
「このシーンを自分が文章にしたらどうなるか」をイメージしてみると、硬い文章のままだと雰囲気を上手く表現できない気がしたのです。
ちなみに、そのとき見ていたアニメや漫画のジャンルはコメディ……ぶっちゃけラブコメです。そりゃ無理ですよねって話です。
なので、自分ができる範囲内で、コミカルなシーンを文章で表現する練習をしました。
漫画をそのまま勝手にノベライズ化は良い練習でした。長編を書く練習にもなったし。
ライトノベルを(あまり)参考にしなかったのは、ライトノベルは文章ですので、答えが書いてある状態なわけで、練習にならんと思ったためです。
それに、違う方向から着想を得たほうが面白いですし。
非常に長々とした文章と書かれた質問主さんより長々とした返信で申し訳ありませんが、長々ついでに、その質問さえ否定するようなことを。
勝手にノベライズ化練習が意外と面白かったために私の文章は「ライトノベルっぽく」なりましたが、これは結果論です。ラノベっぽい文章を求めたわけじゃなく、思いついた練習法を試しただけで、面白かったから続けただけです。
別に、硬い文章はラノベじゃない、なんてことはないと思いますし、むしろ作家業で食っていきたい中堅ラノベ作家は一般文芸書きたいって思ってるくらいでしょうし、硬い文章が持ち味なら無理して柔らかい文章を求めることもないんじゃないかなと思います。
硬い文章のラノベなんて腐るほどあるかと。
問題なのは、自分の文章の持ち味を活かせてないプロット・展開なのでは?
もしかして私が考えているような低次元の問題でもないかもですが、意見を述べさせていただきます。
……少し前、この作者の文章スゲェ柔らかい! って感動した本がありました。作者は司馬遼太郎さんです。タイトルは『軍師二人』 でした。
漢字とひらがなの絶妙な比率から、登場人物やストーリー以外ならばあれはラノベに近いという印象を私は受けました。
それをお読みになっているのなら、軽いノリを心がけるだけでいい文章のラノベが書ける気がします。もっとも文章が固く感じるかどうかはストーリー次第ということもありますが。
まったく趣旨が変わるかもしれませんが、ラノベはかわいい女の子がいるかどうかで作品の柔らかさが変わると思います。萌え系四コマでも読めばいいラノベを書けるんじゃないかなぁ……、と私は考えています。
まぁ、私は最近のラノベはあんまりついていけてないほうなので参考にもならないかもしれませんが。
知らんがな。というと無責任ですが、気にする必要はないように思います。
分かりやすくありさえすれば、ライトノベルの条件を満たしていれば構わないと思うのです。
それでも、どうしても柔らかくということなら、言葉遣いを少し改めるだけのことだと考えます。きちんとした文章を書いて見えるので少し意識すれば書けると思います。
初めまして,REDOと申します。
さて,早速本題たる “ライトノベルのような柔らかい文章を書くには” という質問へとREDOなりの答えをレスポンスさせて頂きます。
取り敢えずは難しい漢字や文脈を極力に避け,中学卒業程度の漢字や文脈を使用するのがライトノベルの定石であります。
ただし,何か利用しなければならない訳が在る場合は使用為されても然程問題は無いでしょう。例えば作品独特の固有名詞等が挙げられます。ただし,難しい漢字には出来る限りルビを振るのが最善です。読者が理解出来なければ,どんなに素晴らしい文学書も論文書も塵類同然です。ライトノベルは軽小説である故更にそれが強い意味を持ちます。
二つ目には登場人物の性格を単純明確に。一言でその人物がどのような人物か云い表せる事が可能と出来る様にする事です。
ライトノベルで云うツンデレ等の所謂萌え要素的呼称もその内です。例えばREDOはナルシストです。難しい漢字を多様な人物が閲覧し書き込む掲示板に態態持ち込むのは文章ナルシズム他,成り立ちません。正直気持ち悪い。このように対象たる人物の行動で読者が直ぐに性格を導き出せる様にすれば良いでしょう。
それが物語の早期的な理解に繋がります。
三つ目には登場人物がやる事を大雑把に表現して下さい。ライトノベルで良く使われるラッキースケベや馬鹿げた行動為るものがそれに当たります。
読者によっては強い嫌悪感を受けますが,ライトノベルという事を体現するに当たって非常に有効なのではないかとREDOは考えます。余談ですが,先程の要素が足りなければ嫌でも出版する際に編集様の指示にて増やされます。特にラッキースケベの要素が増やされる傾向が強いです。それが嫌であればライトノベルと云うジャンルから外してしまうのが最善です。何せそれがライトノベルなのですから。
私からのレスポンスは以上です。支離滅裂な文章失礼しました。尚この文章は読み返しをしない状況下での投稿となります。
それでは,貴様が素晴らしい創作作品を作られる事をお祈り致します。
こんにちは、アタタです。
「ひたすらラノベを読んだほうがいい」とは言いませんが、雰囲気を学ぶ上で今人気の作品を数冊読んだほうが手っ取り早いと思います。
ライトノベルの中には、一般小説に近いラノベもあれば、セリフばかりのラノベもあります。
そういったものを読み比べ、司馬さんの書きたい雰囲気の作品を見つけて真似ることがいいかもしれません。
例えるならば、大学受験で志望大学の赤本を解き、傾向を掴むのと同じでしょうか(違うかな……?)
僅かでも執筆のお役に立てれば幸いです。
文体を変えたいというのならば、影響を受けねばなりません。
これは小説に限らず、ゲーム・漫画・アニメ・ドラマ・映画・コメディアン・友人知人などなど、何からの影響でも構いません。
ただ、お気に入りのラノベ作家とめぐりあう、というのがベストですし、そのためにもやはり「だったらライトノベル読めよ」がもっとも正しい答えでしょうね。
こんにちは。思ったことがふたつ。
1)書くときに作品の読者がどういう層の人なのかを想定していないから「お堅いだけのどうしようもない作品」になっているのだと思います。
「自分」を読者として規定している限り、自分好みの硬い文章を書きづつけると思います。「柔らかい」ライトノベルを読んでも、さほど楽しむこともできず、なんらの改善ももたらさないと思います。
2)作品の善し悪しは、文章の硬さで決まるものではありません。「お堅いだけのどうしようもない作品」になってしまうのは、文章の硬さが原因だとは思えません。別のところにあると考えたほうがいいと思います。
身持ちが堅く一途な人は魅力的ですが、たくさんの経験を積んで原因を探るのも悪くないと思います。
トータスと申します。
最近は大恥ばかり掻いているのですが・・・
私なりの見解を申し上げます。
硬いか柔らかいか・・・
こればっかりは捉え方としか言い様が無いのですが・・・
私から見た個人的な見解ですが・・・
ありていに言えば、手軽に気軽に書いて見る事を心掛けるべきかと・・・
手堅くキッチリと書けば、硬い印象ですが、思うがまま、浮かぶがままを文章化する事がライトノベルかと思っています。
後は、対象としている年齢でしょうか?
若者向けに、今の出来事を当たり前に出す事。
以前、私がスレを立て、荒れそうなほど書き込みがあったモノがあります。
その時に書き込まれた事は、ほんの五分ほどの休みの中でフッと笑えるモノが欲しいと・・・
そんなに長々と読みたくは無いと・・・
年寄り染みた事を言う相手はお呼びでは無いと・・・
要約すれば、この様な事を書かれました。
悪く取られてしまうと思いますが、大体はこの様だったと印象として残っています。偏っていますが、書き込みの件数からはこんな感じでした。
私自身は、お硬いと言われる様なモノから読み始めた口です。
新撰組血風録とか、永倉新八の物語とか・・・
それから、ライトノベルと言われる前の、若者向けの小説を知り、今に到ります。
ライトノベルも最初はお硬い感じのするモノが大半だったのですが、段々と変化して行き、今の様に柔らかいと言われるモノへと変化して来たかと・・・
私からすると、一寸柔らか過ぎやしないかと危惧したのですが・・・
これが当たり前の世界だと・・・大反発を喰らいましたね。
ライトノベルを無理に読む必要は余り無いかと・・・
ただ、主役を若く、堅苦しいと思われる文を若者向けに・・・
其方が御幾つなのかは判りませんが、大体十代後半に目を向けて頂けると判り易いかと・・・
あとは、ライトノベルを斜め読みしましょう。
セリフと地の文、どういった反応なのか、テンポは?
進み具合は?
時間的な感覚は?
そういった事を見てみては?
時間の感覚が速く。
テンポも反応も早めに返ってきたりしているかと・・・
硬いと思われる小説は、時間の感覚がゆっくりと流れているかのように描かれているかと・・・
一分の間隔がズレている様に思われるかと・・・長く感じさせる部分があるかな?
曖昧な事しか言えないのですが、ライトノベルの場合では、割と速く感じられる。
緩急の間が違っているのかと思われます。
他には、入り込み具合だろうか?
硬い文章のモノは、完全に主人公に入り込めるのに対し、ライトノベルの場合は、外から見ている、見させられている印象が強いかと・・・
入ろうとすると、一寸入り込み辛く感じられたり・・・
役に入る為の文なのか、映像を見せる・魅せる為の文なのか・・・
何分、個人的な見解に過ぎないので、参考になるかは判りませんが、私はこの様に考えてみました。
参考までにどうぞ。
こんにちは、雷です。
思いついたことがあったので、遅ればせながら意見などを。
そもそも「ライトノベル」の定義自体が、非常に曖昧なものです。
もともとライトノベルとして出版されていた小説が一般小説として出版された例はいくつもあります。
たとえば僕が愛読している『十二国記』は、少女向けレーベル・ホワイトハートから出版されていましたが、その後、講談社文庫、さらに新潮社文庫で一般小説として出版されています。
そして『十二国記』の文体は「堅い」です。
文章に隙は無く、語彙は難解、物語の内容も少女向けにしては複雑でしかも陰鬱、といった具合。
しかしシリーズの人気は高く注目も集め、アニメ化もされました。
さらに一般文庫化したことでファン層も子供から大人にまで広がりました。
おそらく、司馬さんが抱いているライトノベルのイメージからかけ離れた「堅いライトノベル」は、僕や司馬さんが思っている以上に多いはずです。
そうした作品から読み始めれば、いい取っ掛かりになるかもしれませんね。
僕も自慢できるほどの数を読みこなしてはいませんが、それでも、たとえば夏目漱石や芥川龍之介、太宰治、宮沢賢治など、近代の文豪たちの有名どころで目ぼしいものは読みました。
逆にライトノベルも、とりあえず有名どころは押さえるようにしています。
それでも、立ち読みの時点で「あっ、駄目だ」と棚に戻したものが多いですが(笑)。
なるべく好き嫌いは減らしたいところですね。
ところで、
> ライトノベルのような柔らかい文章を書くにはどうすれば宜しいでしょうか。
まずは、中学生や高校生がすんなりと読める「質問文」を書いてみてはいかがでしょうか。
> お初にお目にかかります。
このあたりは決まり文句ですからいいとして、
> こちらに投稿をいたしますのは初めてですので、何か不躾な事を書いてしまいましたら申し訳ありません。
こちらに投稿するのは初めてなので、ぐらいに砕いてもいいですよ。
何か不躾なことを書いてしまったらすみません、でもいいです。
不躾を失礼に言い換えても印象が変わりますね。
> ご意見の方を賜れるとありがたく存じます。
これだって、ご意見をいただければ嬉しいです、ぐらいにしてもいい。
このスレッドに書き込まれている司馬さんの文体は、どれも「堅い」です。
それは司馬さんの性格を反映しているからなのかもしれませんが、丁寧で堅い文章は、ときとして読者を緊張させ、委縮させることがあります。
この堅い文体を砕いてみることから始めてもいいかもしれません。
少しでも参考にしていただければ幸いです。
(↑これも堅い言い回しですが、個人的に気に入っている決まり文句なので使っています・笑)
堅い文章は見た目の問題ではなく、言葉遣いがほぼ全てです。
小説では見た目も重要なので、漢字を開いたり台詞の割合を考えたりしますが、根本的な解決策にはなりません。
直接的ではなく間接的に。直球ではなく変化球で。一言で表すのではなく相手を気遣って丁寧に説明するように。
例えば、紫煙ではなくタバコの煙と表す。副詞では、無論ではなくて、もちろんと表わす。
改まったいい回しは、丁寧で誠実な印象を相手に与えますが、それも度が過ぎると堅い人の側面が強くってしまいます。
まずは砕けた文章を身に付けるといいと思います。しかし相手を気遣う心を忘れずに。
「柔らかい文章を好きになる」の一点だと思います。
自分の今興味を持っていることから、ゆっくりと興味の幅を広げていって、最終的に柔らかい文章を好きになれたら、自然と書けるようになるんじゃないかと僕は思います。
執筆活動は心がモロに作品に出てしまうので無理して好きじゃないことを書いても、ちょっと目のいい読者なら確実に気付くかと思います。
プロ志向でしたら歯を食いしばってでも若さを手に入れるべきですが、アマで十分なのでしたら、今あるものを大切にして自分らしく活動していくのが、一番良い道なんじゃないかなと僕は思いました。
はじめまして、優和と申します。
当方もライトノベルを読んだ機会は数えるほどしかないので参考にならないかもしれませんが、個人的な考えを書かせていただきます。
ライトノベル(以下ラノベ)の中でも、内容の薄いもの、はたまた設定も凝っていて、中身の濃いものがありますよね。ぼくの考える「内容の薄いラノベ」の基準、また表現というものを並べさせていただきますと、下のようになります。
(1)擬音が多い
(「がしゃあああん」、「どっかーん!」など)
(2)「ー」や「!」、「?」や「☆」の多用
「だってーー、わたしがーー、~~なんですもんっ☆」など。こういう文章を書いたことがないので何ともいえませんが……)
司馬さんの求める「やわらかさ」がどういうものなのかわかりませんが、無理をして上のような文章でラノベを書き、やわらかさを表現する必要はないと思うのであえて書き並べてみました。
さて、やわらかい文章を書くための小技とでもいうのでしょうか。
ぼくが書く文章で、やわらかい表現にしたいときにする方法を並べさせていただきます。
(1)漢字を使いすぎない
というのもですが、ぼくの文章を見てもらえると少しはやわらかく感じるはず、なのです。何様だお前、って感じですが。 やわらかい表現にしたいときは、なるべくひらがなで、でも読みづらくならない程度に漢字を使うようにしています。
<例>「僕に声を掛ける時は、扉を叩いてくれ。吃驚するだろう」
「ぼくに声をかけるときは、扉を叩いてくれ。びっくりするだろう」
さて、なんの違いがあるのかぼくにもわからなくなってきましたが。
漢字よりもひらがなのほうがやわらかいイメージになると思いますが、その反面子どもっぽくなるというマイナスもあるので、注意してください。
(2)語尾は特徴を持って書く
司馬さんの読んでいるような本ですと、どの人物も口調がしっかりとしているのではないでしょうか。
しかし、ラノベは個性が何ぼだと思うので、その辺を変えてみてはいかがでしょう。
<最後に>
なにより、自分の満足するような小説が書けるのが一番だと思います。
無理をせず一本仕上げてみてから、「ここはこう変えてみたらどうだろう」、「ここをこういう表現にしたらやわらかくなるのでは?」などの試行錯誤をしてみるのも手です。
変にラノベを意識しすぎて文章を軽くするよりも、書いてから固いところをそぎ落としていくやりかたでもいいのかな、と思います。
少しでも参考になったらいいな、という気持ちを込めまして。
読んでくださりありがとうございました。
(パターン1)
文体とは、個人が社会生活を営んでいくうちに、自然形成されるものです。研鑽を積むことは可能ですが、本質的には変容しません。他の文豪の文体を模写したところで、良好な結果は得難いでしょう。
ゆえに司馬様には、読者を想定した上での執筆をお願いしたいのです。
司馬様の私淑しておられる北方謙三は、文学作品からハードボイルドへ路線変更し、成功を収めた作家です。「俺のデビュー作『明るい街へ』のような文学作品と『水滸伝』のような娯楽作品に文体の違いはない」と彼は断言します。ただし、難解な語句の使用を避け、適度に改行することを銘肝したそうです。
それを実行するだけでも、司馬様の文章はかなり柔らかくなると思いますよ。
(パターン2)
文体とは、その人が生きていく中で、おのずから得ていくものです。磨きあげることはできますが、根っこの部分は変えられません。別の作家の文体をマネたところで、好ましい結果は得られないでしょう。
ですから司馬様には、どんな客が自分の作品を手に取るかを思い描きつつ、ワープロに向かうことをおすすめします。
司馬さんの憧れである北方謙三は、文学畑からハードボイルドへ路線を変えて、成功をおさめた作家です。
「おれのデビュー作『明るい街へ』のような文学作品と『水滸伝』のような娯楽作品に文体の違いはない」
と彼は言います。ただし、なるべく難しい熟語を使うのを避け、適度に改行することを心がけたそうです。
それを行うだけでも、司馬さんの文章はかなりソフトになると思いますよ。
パターン1も2も、些かやり過ぎの気配が漂ってきますね。両者の中間くらいが適切なのでしょう。
ただ、文体を変えなくても、文字を置き換えるだけで読み手に与える印象が変わる、ということが伝われば幸いです。
さて、今回は文体を柔らかくしたいというご質問にそった回答をいたしました。しかし、文体を全く変えずにライトノベルに挑戦するのもありだと思います。
自身の文体を全く変えずにライトノベル(風)に挑戦した作品として、三崎亜記の『コロヨシ!!』 を挙げておきます。
リンク先のamazonから何ページか試し読みができます。
はじめまして、司馬様。かぼちゃと申します。
>そのうえ、普段読んでいる作品の作家と言うのが、司馬遼太郎さんや北方謙三さんのような、ちょっとライトノベルとは言い難い方々なので、どうしても私が小説を書こうとするとお堅いだけのどうしようもない作品になってしまいます。
おぉ、同好の士がいらっしゃった!!北方謙三先生は私も大好きです!
高校時代貪るように読んでいました。
司馬様のスレを拝見して久しぶりに読み返してみましたが、すっかり没頭してしまい……気付いたら夜でした(笑)
おかげ様で昔の思い出を発掘したような楽しい週末でした。ご質問に関係のない私事で恐縮ですが、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
さて、本題のご質問の件。素人意見ではございますが、爪の先ほどでもご参考になればと思い筆を取らせて頂きます。
北方謙三先生はハードボイルド小説の第一人者でいらっしゃいますが、そのハードボイルドの文体について以前インタビューで言及されたことがあります。以下に一部書き起こしてみますね。
「だいたいもともとハードボイルドという概念がきちんと定義づけられるものではないんですよ。
例えば大藪さんのものでもハードボイルドだし、レイモンドチャンドラーだってハードボイルドだしまるでちがうわけですね。
そうすると何がハードボイルドだというと……」
(司会者:硬派だという大きなくくりでは勿論そうですよね)
「硬派といっても内容的に硬派じゃないんですよ。文体が硬派だというだけです。
情緒的な描写をあまりしないということんですよ。だから(情緒的な描写を)削り落として事実ばんばんばんと書いていってその描写を積み重ねて、その行間に情緒みたいなのを押し込めていくってのがね。その文体のことをもともとハードボイルドって言ったわけですから。」
北方謙三
いかがでしょう。
まとめると、
■ハードボイルドとは……
1・内容は硬派である必要はないが、文体は硬い。
2・硬い文体とは、情緒的な描写を削り落として事実を積み重ねて書いていくこと。
3・情緒は入れるとしたら、行間に押しこむ。
となります。
一方、私見ですが、昨今のライトノベルはというと、情緒的(というより心情的)描写を何よりも優先しています(無論例外もあります)
ライトノベルでは、心情を直接、もしくは遠まわしに、はたまた心情を託した行動で。
表に裏にキャラクターの思いを示そうと作者は四苦八苦しているわけです。
時にはキャラクターの行動に心情を込めようと描写が過剰になることもしばしばで、「照れ隠しで男殴るとか、暴力ヒロインなんて最低」なんて意見も聞かれますが……。
以上の北方謙三先生のハードボイルド小説とライトノベルの違い(心情描写の優先度)を鑑みますと……
おそらく、司馬様の作品が硬い文章になってしまうのは、「心情描写」より「事実の描写」に力を入れていらっしゃるからではないでしょうか。
そこで解決方法ですが、把握編と実践編の2段階をご提案します
○把握編
1・司馬様がよく読まれる作品(司馬遼太郎先生や北方謙三先生の作品)の心情描写と事実描写をそれぞれ別々の色でラインマークする。
2・売れ筋ライトノベル(読者の多いラノベ)も同じようにラインマークする。
3・両者を比較し、それぞれの事実描写・心情描写を把握する。また、それぞれの描写の濃度にも注目する。
注目すべき点:
・ライトノベルを書くにあたってどのくらいの事実描写・心情描写が必要なのか確認する。
・司馬様がよく読まれる作品で心情描写がどの位簡潔にかかれているのか描写の濃度を見る。
(北方謙三先生のみの傾向かわかりませんが、先生の作品はライトノベルに比べ心情描写が簡潔です。
幾つか抜き出してみると、【思えた。苦笑した。肌に粟が立つのを感じた。照れたような気分になった】など至極あっさりしています。似たようなシーンがあってもライトノベルではおそらくもっと描写が濃くなると思います)
○実践編
1・硬い作品に 口語体で心情を書き込んだ上で、地の文も違和感のないように書きなおす。
2・できた文を音読する。
北方謙三先生の言をお借りしますと、「ハードボイルドでは情緒描写が削り落とされている」ので、その削り落とされた情緒描写を復活させます。多分それだけで大分硬さは取れてくるのではないでしょうか。
また、音読する際には目の前に読者が5人いると思ってその人たちに発表するように読むと、違和感のある表現に気づきやすくなるそうです(「魔女の宅急便」の原作者が実践している推敲法)。ライトノベルの読者層でいうと中高生が5人目の前にいると考えるのが適切でしょうか。
●最後に
>私は、歴史小説、時代小説が好みですので、何か眼を引くものがあれば手には取っては見ております。数ページ読んで棚に戻すことばかりですが……。
>いきなりコアなライトノベル、というのは厳しいでしょうし、興味の持っていることや、比較的一般文芸に近いライトノベルから手を出していこうかと思います。
司馬様のレスを拝見して、「条件に合うかな」とふと思い出した作品がありましたので最後にご紹介させて頂きます。
冲方丁『天地明察』 角川書店
キーワード:江戸時代。渋川春海。日本独自の太陰暦を作りあげる。主人公は頼りない風采
著者の冲方丁先生はライトノベル出身でアニメの脚本も書き、ついには一般文芸に進出した実に多才な作家さんです。
著作:ライトノベル「マルドゥックスクランブル」など、アニメ「蒼穹のファフナー」など、一般文芸・時代小説「天地明察」「光国伝」。
先生はライトノベル作家ではありますが、「天地明察」では北方謙三先生も受賞された「吉川英治文学新人賞」を受賞し、「第143回直木賞候補」の経験もあります。本屋大賞受賞作でもあるので、一般文芸として広く認知されているのではないでしょうか。
さて、「天地明察」の内容ですが……、申し訳ありません。冒頭の数ページを立ち読みしただけで引きこまれてしまいそうになり、待ち合わせに遅れてはまずいと早々に本を閉じてしまいました(汗)
ただ、作品としてはライトノベルに近いように感じました。キャラクターはラノベ向きですし、冒頭から女の子は出てきますし、頼りなさそうな主人公がドジっ子ぷりを発揮して鳥居に突進して頭ぶつけますし (えっ
文体もライトノベルのような柔らかさだったので、「比較的一般文芸に近いライトノベル」といった条件はクリアしていると思います。
本屋さんで見つかると思いますので、創作の資料探しで本屋さんにおいでの際は、そういえばと、思い出していただけると幸いです。
以上で私の回答は終わりです。
長々と大変失礼いたしました。素人意見で恐縮ですが、創作のご参考になれば幸いです。
PS.
冒頭の北方謙三先生のインタビューですが、Web上にて無料で視聴できます。
「ラジオ版学問ノススメ」で検索し、番組ホームページのバックナンバーから2010/11/14をお探しください。
ipodをお持ちだとipodstoreからダウンロードできます。通勤通学の際にいかがでしょう。