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穴子さんからの質問
読者を泣かせる表現方法 最近事情があって全くパソコンに触れなかった穴子です。 さて、本題に入ります。 僕は泣けるシーンにしたい所があるんですが、なかなか表現がうまくいきません。 泣けるというのは感動したとかじゃなく、「読者を泣かせる」という点で表現したいんです。 キャラに感情移入しなければ感動すら起こらないと言いますが、 感情移入できるかと言う点で友達に見てもらったところ、できると言ってもらえました。 しかし、「泣かせたいんだろうけど表現が陳腐で泣けない」と言われてしまいました。 その後、感動できる小説などを読みあさり、参考にしましたがあまり納得できるものにはなりません。 いい表現やシーンを教えていただけないでしょうか? また、みんなで考察していくスレにもしていきたいと思っています。 ●答え● ソーメン・エモンさんからの意見 悪い例を言わせてもらいます。 :キャラが泣いてばっかり コレは100%陳腐だと思います。話題になっている横文字小説を読んでみた時に改めて思ったことです。 有り得ないところで涙、涙の安売り。 しょうもないところで涙、涙、涙。 何かあったらすぐ涙、ヒットを打てば涙。と言う感じの野球漫画があります。(連載中) 涙ばかりですと、本当に共感するべきシーンが分りません。 ……意味不明でしたらごめんなさい。 アリオンさんからの意見 「泣ける」かどうかはともかく、「心を動かす」というのは、 単独の表現ではなかなか成しえないものだと思います。 簡単に言えば、どれだけ名作と名高い作品の感動的なシーン「だけ」を目にしても、 そうそう心は動かされません。 そこに至るまでの様々な背景を踏まえて、そこには直接描写されない諸々も加味されて、 その感動的なシーンは生まれるわけですから。 『フランダースの犬』のラストシーン。どうしてネロ少年とパトラッシュが教会に来たのか、 どんな思いで教会にある絵を見たのか、まったく予備知識がなければ、 何も感動は生まれないでしょう。 だからこの場合は、『演出』という方が私としてはしっくりきますね。 ●繰り返す 当初は意味があまりなさそうな、何気ない台詞や仕種を作品中で繰り返す。 そしてそれを、重要なシーンで、別の意味を込めて、提示する。 そのことで、その単独のシーンだけではなく、作品全体を読者に想起させ、感情移入度を高める。 例えば―― うらぶれたしがない探偵稼業の男。口癖は「煙草があれば、あとはもう何もいらねぇや」 散々周囲から喫煙を注意され、時にはしぶしぶ唇から離す。 そんな些細なこととは別に、物語は事件を呼び込み、男はその渦中で様々な経験をする。 時には煙草を片手に。 そして…… 男は銃弾に倒れる。 恨みつらみ。大切なひとへ想いを伝えられなかった悔恨。 それら全てを煙草の煙と共に呑み込んで、最後の力で、言う。 「煙草があれば、あとはもう何もいらねぇや」と。 こうして書くと非常に陳腐に見えてしまいますが、象徴的な一言に何かを込める、 というのは古典的なシナリオの常套手段です。 『伏線』の一つの手段ですね。 「意図的に何かを隠し、暗示させる」のではなく、 「予めそれを提示しておくことで、必要になった時に今までとの繋がりを作る」というものです。 『演出』は千差万別。 これ以外にも様々な手段がありますよ。 >感情移入できるかと言う点で友達に見てもらったところ、できると言ってもらえました。 >しかし、「泣かせたいんだろうけど表現が陳腐で泣けない」と言われてしまいました。 これをどのような意味合いで、そのご友人さんがおっしゃったかは詳しくは判りませんが、 感情移入ができるのに、それでは足りない、というのは、私にはその『積み重ね』による、 単独のシーンだけに依存しない、より大きな感動の演出が足りないのだ、というふうに思えました。 本当に感情移入させることに成功しているならば、単独の表現が凝ったものだろうとそうでなかろうと、 たいした差は生まれないと思います。 的外れでしたら申し訳ない。 「単独のシーン」を分析するのではなく、 そのシーンが「全体を通して見てどう演出されているのか」にも注目しましょう。 アリオンさんからの意見 > 感情移入できるかと言う点で友達に見てもらったところ、できると言ってもらえました。 > しかし、「泣かせたいんだろうけど表現が陳腐で泣けない」と言われてしまいました。 この部分を、本当に額面通りに「表現が陳腐」である場合の可能性をちょっと考えてみました。 ズバリ、感情表現の手段として、直接的な言葉を多用していませんか? 「嬉しい」「怒っている」「哀しい」「楽しい」 通常ならば便利で、私も多用する言葉ですが、 私はここぞというシーンでは使わないよう心がけています。 人間の感情は複雑です。本来、一言で簡単に言い表せるものではありません。 「嬉しい」「哀しい」にも、様々なバリエーションがあって、一つとして同じものはありません。 「嬉しい」「哀しい」という言葉を安易に使ってしまうと、そこで思考がストップしてしまう。 多様な振り幅がなくなって一つのイメージに固着してしまい、 読者にその奥行きを想像させる余地を奪ってしまいかねない。 全てのシーンをそうする必要はありませんが、 ここぞという「泣かせる表現」を書くには、必要な措置でしょう。 何かの受け売りですが、気に留めておいた方がいいだろうというのを思いつきましたので、 追記とさせていただきました。 夜霧さんからの意見 泣ける演出ですか、なかなか難儀な問題ですね。 まず「泣く」といってもどんな感情を揺さぶられるかで色々種類があります。 「嬉しい」「寂しい」「悲しい」「切ない」「悔しい」その他諸々、 まぁ基本的には「負」の感情の方が涙を誘いやすいですね。 あと基本的な条件は「感情移入」ですね、やはりこれが出来ないと泣けないので。 また涙腺の固さも個人差が激しいですから、そこも問題です。 > 感情移入できるかと言う点で友達に見てもらったところ、できると言ってもらえました。 > しかし、「泣かせたいんだろうけど表現が陳腐で泣けない」と言われてしまいました。 感情移入はできるけど、表現が陳腐で泣けないってのが難儀な処ですね〜 でも感情移入できるだけかなり良い感じだと思いますよ。 では「表現」の話ですが、感情移入出来るけど「陳腐」と感じてしまう、 それは「味気無い」か「装飾過多」のどちらかの可能性が高いかもしれませんね。 描写が味気無くあっさりしてると醒めます。 「もっと色々感じる事があるだろう!」と突っ込みたくなりますね、私は。 逆に描写が細かすぎて大袈裟な表現をしてると、 「コイツ『悲劇の主人公』気取りか」と、これまた醒めます。 出来るだけ読者の目線で書くのが重要ですよ。 また主人公は泣かせない方が良いかもしれませんね。 例えばせっかく感情移入できてるのに、主人公が泣き始めたらどうでしょう? 読者を置いて主人公だけが勝手に感情を高ぶらせていくのです、 そうなればもう読者が付いてこれない可能性が高いと思いますよ。 でも「泣かせちゃダメ」ってわけでもないですよ? 然るべき場面では泣いても良いのです。 涙には持続力は無くても瞬発力はありますからね、でも連発はダメです。 安っぽくなり効力が薄くなりますので。 「涙は切り札」と考えて良いと思いますよ。 また「泣き方」でも色々と違いが。 声をあげて泣き叫ぶ「慟哭」と静かに「すすり泣く」のでは、演出や効果が全く違いますからね。 それと、「涙に頻度」についても少し。 主人公が男性の場合、あまり泣かせない方が良いと思います。 男って涙腺固い人が多いので、また人前で涙を見せることを嫌う傾向にもありますから。 逆に女性は涙腺緩い人が多いですね、まぁ「女の涙は武器」って言葉もあるくらいですし。 まぁそれも個人差が激しいので、キャラの問題ですね。 > いい表現やシーンを教えていただけないでしょうか? 良いシーンですか……私はあまり読書量が多い方ではないので、 オススメできる資料などそんなに無いのですが。 強いて言うなら『橋本 紡』さんの心理描写は参考にしてますね。 あと、この手の描写は感性やらセンスに影響され易いのでなかなか…… (上記の考察は個人的なモノですので、あんまり鵜呑みにしない方が良いですよ) では、駄文乱文失礼しました。執筆頑張って下さいね。 巧鎖さんからの意見 表現といえるのかどうかはわかりませんが、段階を踏むことは重要ではないでしょうか。 感動限定という訳ではないのですが。 例えば誰かが死ぬシーンがあったとして、その弱っていく過程が上手く書ければ、 感動に繋がるんじゃないかなぁ、とかそんな感じです。 更にその人の側に誰かいるとして(主観人物など)、すぐ近くで見ているんだけど、 弱っているのを感じながら何もできない、というシチュエーションに感動した覚えがあります。 死ぬとか以外でも、とある人が主観人物を待ってて、 そしてその主観の人物はすぐ近くにいるんだけどその人に気がついてもらえず……。 とかも、感動しました。 感動した本はどんなものがあるか、と聞かれるととっさには思い出せないものが多いのですが、 とりあえず闘病系には感動できるものが多いと思います。 それと夜霧さんと少しかぶりますし、闘病系でもないのですが、 『リバーズ・エンド』には感動した記憶があります。 ではでは、失礼させていただきます。 時給1300円さんからの意見 穴子様はどういうときに泣いたことがありますか? 悔しいとき、うれしいとき、情けないとき、切ないとき、感動したとき、まあ色々あるとは思います。 ♪い〜つの〜こと〜だか〜 思い出してご〜らん♪ じゃあないですが、まあ思い返してくださいな。 役に立たないヒント: 1. 「小学校」とか「中学校」とか「初めてのデート」とか、そういう大雑把なことを考えて見る 2. 「小学校」とかから「泣けたこと」を思い返してみる という方法でどうぞ。 要点はこうです。 ・貴方が泣くような出来事や、貴方が泣けてしまう事柄であれば、 (100%はムリとしても)たぶん他の人も泣くはず。 ・泣かせようと仕組んでも多分上手く行かない。 自分で泣けないことは、他人も泣けないのです。 「泣かせよう」じゃあなくて、自分で泣けるような場面を思いつくまで考え抜く方がよいかと存じます。 泣いたことのない人間など居らぬのです。 一つ二つは泣いた経験があるでしょう。 そういう経験を基にしてみると良いかと。 shinnさんからの意見 皆様こんばんは、shinnです。 私は、「ギャップ」に弱いらしいと、最近気付きました。 なので、話のあらすじの中に「障がい」とかの単語が入っているドラマなどは泣けません。 お涙頂戴な話は苦手で、見る気がしません。 脱線するかも知れませんが、私はオタクです。 個人的に好きなアニメに「らき☆すた」と言う作品が有り、 オタクの女子高生とその友達のやりとりとかを描いたアニメです。 詳しくはネタばれなので言えませんが、22話の後半辺りで泣けました。 7回近く同じシーンを見ていてオチも解っているのに、何回も泣けました。王道ネタなのに。 今までの話から22話の前半まではギャグ中心で、考えられない展開でした。 アニメが平気であれば、一度Youtubeなどで見て下さい。 あれ、アニメじゃ駄目だ。 個人的にはギャグ→話題が上がる→登場人物同士のやり取り→名台詞 の流れが好きです。 登場人物同士のやり取り(台詞)の間に自然描写を入れると良いシーンに仕上がるかと。 参考資料が無くて申し訳ない。 全く参考にならない回答ですが、心の片隅にでも置いて頂ければ幸いです。 黒桐 人さんからの意見 どうもはじめまして。 あ〜僕も弱いですね。ギャップに。 我慢していた感情とか本音がなんらかのきっかけで表面に出てきてしまう、みたいな。 あと多かれ少なかれ、新しさというか、 ハッと気付かされるような気持ちにさせないといけないような気がします。 既に他の物語で体験した、と感じた感動にはちょっと冷静になってしまいそうです。 それでは。 |
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