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さえさんからの質問
専門知識の説明 こんにちは。 無知な私にご指南ください。 最近、「専門的な知識の説明」をどこまでしなければならないかについて悩んでいます。 専門知識については説明が必要かと思いますが、クドクドと説明すると、 むしろ押し付けがましく感じてしまうのです。 特に連続して説明する場面においては顕著です。 ex. 男が一丁のライフルを手渡す。 「M−16だ」 M−16とはアメリカ製のライフルである。 「AK−47のほうがいい」 AK−47は旧ソ連で開発されたライフルである。 「ここはアメリカだ」 男は笑った。 例えばこういう文章では、単に知識を披露しているだけに見えてしまうのです。 ex. 男は一丁のライフルを手渡した。 「M−16でいいか?」 「AK−47のほうがいい」 「ここはアメリカだ」 男は笑った。AK−47とは旧ソ連のライフルである。 この場合M−16の説明はありませんが、話の流れとしてはこちらのほうがいいと思えるのです。 みなさんはどう思いますでしょうか。 ● 答え ● 元村良一(副管理人)さんの意見 副管理人の元村です。 「どこまで、専門知識を説明すればいいか?」というご質問に対し、 元村なりの意見を述べさせていただきます。 参考にしていただければ幸いです。 さて。基本的にこの種の問題が発生した場合、どこまでその知識(情報)を公開するか? ということに関しては、やはり「作者の裁量」に委ねられます。 さえさんが「下記の例の方が、流れがいい」と感じたのであれば、それを作中で採用すべきです。 ただし「注意点」としていくつか申し上げると、 ・ 話の上で、逆に「説明しなければ理解ができないような場合」に関しては、 たとえ流れなどが悪くなっても、全て説明する必要性がある。 ・ 作中にその手の説明が入れられないのであれば「巻末」「作品外」で、 注釈として説明する方法がある。 ・ 読者対象を想定・絞り込みを行い、 それによって説明するか否かを決定し、それを遵守する。 といったところでしょうか。 わかりやすい例えを用いるなら「フルメタルパニック(賀東招二・富士見書房)」などでは、 基本的には「注釈」として、作品の外においてその説明を行っています。 もちろんものによっては、さらりと作中で説明していることもありますが。 また、大人向けの戦記物などの場合は、むしろ読者を「戦記物好き」に限定し、 ごく当たり前に使用される用語(小隊とか、一個師団の人数とか)に関しては、 その説明さえ行わずに切り捨てるという手法を取っている場合もあります。 ともあれ重要なのは、 ・「必要不可欠な情報であれば、それは絶対に入れる」 ・「判断に迷った場合は、注釈にする。あるいは切り捨てる」 ということを、徹底することが重要です。 これを「さじ加減」などとも言いますが、 文字通りその判断は「個人個人によって千差万別」ですので。 特に「異世界ファンタジー」とかの場合は、この手の問題は「日常茶飯事」というか 「頭痛の種」でもありますからねぇ。そこがまた楽しいんですけど。← ファンタジースキーなので。 それに、よほど度が過ぎない限りは、 多少説明が長くなったところで「マイナス」となることはありません。 無論「ケースバイケース」ですが、基本的に「作品の評価」というのは、 全体を通した上で判断するものなので、気にしすぎるのもいけません。 気楽に、楽しく作品を書いて下さいな。 とりあえず、以上です。 MSTさんの意見 タイムリーにスレが立ち上がったので返信してみます。MSTです。 私事ながら、最近似たような質問スレをしたことがあったので、妙に共感が湧きました。 さて本題です。 私は基本的に説明とか雑学は大好きです。 まるで専門書の如く長々書かれていたとしても、飛ばさずに読みます。 なので、知識の押し付けのように感じることは滅多にありませんし、 『専門職種の漫画などが流行るのだから、ある程度専門知識を入れても大丈夫』 といった意見をもらったこともあります。 (記憶が曖昧なので、意見文をそのまま抜粋したわけではありません、すみません) ですが、あまり長々入れすぎても話の流れを妨げてしまいます。 例文のような場合は、私も後者の表現に賛成です。 奇しくも私は銃に詳しくない人なのですが、 専門知識を説明してもらいたいかといえばそうではなく、 わからなくても案外ストーリを楽しめるものです。 例えば漫画の『ブラックラグーン』などは、 銃の説明が作中では一切ありませんが、私は大好きです。 まとめとしては、「流れを妨げるぐらいなら、専門知識はカットしてもいいのでは?」ってことです。 あまり参考にならないかもしれませんが、一応の一意見でした。 仁ノ河一城さんの意見 どうも、仁ノ河です。 例示された文章を見ると、 >男は一丁のライフルを手渡した。 >「M−16でいいか?」 >「AK−47のほうがいい」 >「ここはアメリカだ」 >男は笑った。AK−47とは旧ソ連のライフルである。 ・AK−47は旧ソ連のライフルである ・ここはアメリカである ・アメリカなのでAK−47は場違いで、M−16を手渡している →よって、M−16はアメリカのライフルである(可能性が高い) ……って感じで、ちゃんとM−16の説明ができてるように読めますね。 ぐだぐだ解説を述べるのは全体の質を損なう危険があるので、 分かりやすく簡潔に纏めたほうが無難でしょう。 かといって説明不足も良しとはしがたいので、 例の前者に対する後者のように不必要な部分をカットしたり、 説明のための文章だと悟られにくいように描写するなどの工夫が必要でしょう。 kkkさんの意見 まあ、会話やアクションパートと解説パートを分けた方が読みやすいと思うので、 基本的には賛同します。 ただ、 >M−16とはアメリカ製のライフルである。 >AK−47は旧ソ連で開発されたライフルである。 この程度のベタな知識の場合、わざわざ地の文で説明するのもどうかと・・・。 そこで、以下のように会話に混ぜて説明してしまっても良いのでは? 「AK−47はないのか?」 俺は店内を見回した。 すると、レジの男は笑いながら言った。 「悪いね。先代のオヤジが大の共産主義嫌いだったもんで、 うちは旧ソ連絡みの商品は何もおいて無いんだよ」 そして棚から一丁のライフルを取り出した。 「代わりにM−16なんかどうだい?『車以外は国産に限る』と言っていたぜ。」 「誰の言葉だい?」 「キャデラックに轢かれて死んだオヤジの遺言さね」 以上、お粗末様でした。 >「ここはアメリカだ」 あと、文章例に突っ込むのも野暮ですが、 「ボーリング・フォー・コロンバイン」によれば、 AK−47ってアメリカじゃその辺のスーパーで簡単に買えるらしいですよ。 輸入品だから、M−16とかより安いんじゃないですかね。 永久本さんの意見 こんばんは、最近仕事がハードで土日しか出没しなくなってきた永久本と申します。 あれ、でも意外と平日も出没してる……いや、んなことは置いといて。 「押し付けがましく感じる解説」や、「作者がただ薀蓄を披露しているだけの解説」は、 確かに注意すべきものですね。 しかし、その辺のレベルは、良く考えれば結構分かるものです。 例えば、AK47。 かの銃の知名度は高い方ですが、当然知らない人は知りません。 ですから、「旧ソ連のライフル」位の解説を行うのは妥当ですね。 で、そのAK47ですが、弾薬や性能まで詳しい人はそうはいませんよね。 そもそも作品にそんな解説はいらなかったりもする。 そういう時に「AK47は何ミリ×何ミリの弾薬で〜」なんて始めると、 「おい、そんなこと誰もしらねーよ!しかも話に関係無いじゃん!」と 「押し付けがましい解説」になるのではないでしょうか。 また、そういった細かな説明をしなくても済むことが多いです。 例えば例文から取りますと……。 >男が一丁のライフルを手渡す。 >「M−16だ」 >M−16とはアメリカ製のライフルである。 >「AK−47のほうがいい」 >AK−47は旧ソ連で開発されたライフルである。 ここの場合、 >男が一丁の銃を手渡した。アメリカ製のM16ライフルである。 >「AK47の方がいい。ソ連の銃は頑丈だ」 としたり。 地の文でずらずらと書くと冗長でうざったいですから、なるべく纏めて簡潔に書くのが良いですね。 もちろん、絶対必要なら、とことん説明しきるべきですけども……。 要約しますと、 「この解説って必要なのか?」 「もっとシンプルに解説出来ないか?」 という点に注意しましょう、ということでございます。 >「専門的な知識の説明」をどこまでしなければならないかについて悩んでいます。 と仰っていますが、「AK47は旧ソ連ライフル」というのはともかく、 弾薬や有効射程、重量、他の銃との対比、故障率などなどは書かなくても良いと分かりますよね。 AKの優秀さを示したいのなら、「シンプルな構造で頑丈に出来ており、 世界的に評価の高いライフルである」など、一文に纏めてさらっと書けば良いと思います。 これをわざわざ 「AKの短小弾は射程と威力のバランス点においてうんぬんかんぬん、 そのジャム等の故障の少なさはうんぬんかんぬん、 NATO弾よりマイルドな反動がうんぬんかんぬん」 なんて書くと、もうアウトというわけですね。 最後に、私的意見ですが……。 作者はこういった薀蓄を語りたくなります! 自分の好きなジャンルなら尚更です!(笑) 自分は結構軍事が好きなので、そういったことが出ると、 上記のような「うんぬんかんぬん」な悪解説を作ってしまうことがあります。 というわけで、推敲時などに注意してみると良いと思います。 参考になれば幸いです。 それでは〜。 |
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