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LUNAR2 エターナルブルー
天空に青き星をいただくルナ世界。 その辺境で考古学者の祖父と暮らすヒイロは、 ある日、謎の遺蹟"青き塔"と青き星が一筋の光で結ばれているのを目撃した。 塔に駆け付けた彼は、そこでルーシアと名乗る少女と出会う。 青き星からやってきたという彼女からルナの危機を聞いたヒイロは、 世界を救うべく女神アルテナの元にルーシアを連れていく冒険を決意したのだった! RPG『ルナ2~エターナルブルー~』の完全ノベライズ第一弾。 ゲームノベライズ『LUNAR2―シルバースターストーリー』の続編に当たる小説です。
80年代ハードゲーム競争時代に登場した角川書店のRPGの文庫本です。 お話は典型的な王道RPGです。 しかし、王道だからこそ凄い! 主人公たちの動きの書き方がきめ細かく解りやすい上に、 彼等の目的も純粋なので、共感しやすいです。 特に主人公、ヒロインの交流は必見たるものがあります。 他の登場人物たちにも味があり、何味でも楽しめるのでお得と感じます。 ですが、最終巻の最終決戦・ラストエンディングへと続く、怒涛の如くの勢いこそ、 この作品の真の見所。 このラストは本当に感情移入できた方に、”感動の余韻”を味わえるでしょう。 不肖私、人生二度目の感動の号泣を致しました。 気になる方は、本だけでなくゲームも御覧いただければと思います。 PSにて、復刻版がございます。 ゲームは場面事にアニメシーンがあるので、これを合わせて見れば至福と感じます。 しかし、エンディングまでかなり時間が掛かる上に、バトルが単調に成り易いので、 投げ出さない根気がいります。 どうか、ご注意下さい。
他の登場人物も好きですが、敵役ではやはり、ガレオンでしょう。 理由は、 以下ネタバレ ガレオンは、『シルバースターストーリ』のラスボス魔法皇帝でもあり、 ゲームでの声優さんと甲冑鎧姿に惚れ惚れとします。 その信念というべきモノが有るので、敵でも尊敬にあたると思います。
『LUNAR2―シルバースターストーリー』と密接に関係しています。 続編たる『エターナルブルー』から読むとネタバレになってしまう事が辛いです。
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ルナティック・ムーン
機械都市バベルの下に広がるスラムに、一人の少年がいた。 名を持たず、変異を持たず、見えるはずの無い“月”を空に探す少年……。 そして、少女がいた。 腕に変異を持ち、人類の“純血種”を守るために異形の生物達と戦うウェポンとして……。 世界が“混沌”に包まれて数百年――。 人類は前時代の遺産「過学」の庇護のもと、戦闘能力に長けた“変異種”と呼ばれる人々を管理し、 荒廃した大地で異形の生物の影に怯えて暮らしていた。 だが、やがて少年と少女が出会うとき、世界は静かに変革の扉を開き始める……。 期待の新人、遂にデビュー。
野に跋扈するケモノの脅威にさらされ、緩慢な滅びを突きつけられた人類。 彼らがそこで何を考え、どう行動するのか。 それらが非常にリアリティを持っていて、すぐに世界へと引き込まれます。 リアリティというのは、単に「現実のような」という意味ではありません。 そこにある人・物・概念が独自に存在し、生きているということです。 そしてこのルナティック・ムーンは、それらが非常に生き生きとしているのです。 主人公は物語冒頭、「名無し」と呼ばれ、そのことに自己不信と疑問を抱いています。 後に自分が「第四稀存種」であることを知り、「ルナ」という秘されていた自らの名を受け継ぎます。 それを受け止めるまでの葛藤、そして覚悟が、何よりも格好いいのです。 一方、ヒロインであるシオン=エシュは「灰被り魔女」と呼ばれ、 畏怖されながらもケモノと戦う戦士の一人です。 それは「人類のため」という大義ではなく、過去の凄惨なトラウマから来る行動で、 深く感情移入してしまいます。 少し余談になりますが、「灰被り」の意を持つ「シンデレラ」の話は、 誰もが知っていると思います(原話を知っている人は少数でしょうが)。 しかし、健気に生きてきた『だけ』で幸運を手にしたシンデレラとは違い、 シオンは常に『自分の意志』で進んでいます。 それが彼女の最大の魅力なのです。 そんな彼女を支えるレイン=リィン、稀存種であるフィオナ=レスファ、カロマイン=セク、 ロイド=オドなどは、それぞれが強い意志を持ち、それを貫こうとしています。 単純な善悪で計れない彼らの行動もまた、この作品の魅力です。 ストーリーにはいくつものギミックが詰め込まれており、 逆転・逆転・また逆転、といった楽しみがあります。 特にクライマックスとなる四・五巻はそれが顕著で、もう目を離すことができません。 全てを呑みこむラストは、圧巻としか言いようがありません。 また、技術面で言えば、まず第一に文章力の高さが上げられます。 これがデビュー作とは思えないほどの、高度な文章構成能力。 そこいらのプロなどよりもずっと洗練された文体は、読む者を圧倒します。 第二に挙げるとすれば、それはセンスの高さです。 「エデン」や「バベル」、「ウェポン」といった、読者にわかり易いチョイスをする一方、 「稀存種」や「特異器官」などのネーミング・センス、 そして各稀存種の能力などに垣間見られるセンスは、素直に尊敬できます。
とある書籍に「純粋であるとは無知と無思慮と欺瞞だ」と断言する魔王陛下がいらっしゃいますが、 彼女はまさにその「純粋」です。『天使』という通称も、さりげない暗示ですね。 天使は優しく、雅で、そして人々に平等である、ということです。 そんな彼女が一番好きですね。
どちらかと言えば小・中学生より高校生以上に向いている作品です。 もっとも、自分はそれが面白いと思う要因のひとつなのですが。
キャラクターはカロマイン=セクが好き。この人こそヤンデレではないでしょうか。十年間たったひとりに執着し続けた一途さと、愛情と憎悪がすべて殺意につながってしまう性が素敵でした。 2012/10/25 ・主人公たちの性格が、何処にでもいそうな少年だったのが良かった。 どんな能力があってどんな茨の道を突き進んでいても、一枚殻を剥がしたらとても弱いところが露出してしまう性格描写が秀逸でした。ヒロインも主人公も本当は強いところなんてなくてそれを必死に隠し続ける関係が、そしてお互いが「あいつのように強くなりたい」と思っている関係が好きです。 荒廃した世界に、狂った、腐った、醜い、という言葉が乱舞する作品ですが決して歪まないものがあるということを教えられました。 ・キャラの中では、カロマイン・セクが好き。 狂っているところ、執念深いところ。 過去に自分を捨てた兄的な存在に十年以上固執し続け、すべての行動を復讐にあてたというある意味究極のヤンデレでした。 殺すことが愛していることの証明のようになってしまっていたのが非常に悲しかったです。 人の心や笑い方を教えられないまま、人形のような大人になってしまった彼のことを考えると胸がいっぱいになります。
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ルーンロード
“魅力”が失われていく!!“変成棒”から言葉にならない痛みが走った。 目を開くと、両手の皮膚が地獄の業火に焼かれたみたいに乾き、ひびわれるのが見えた。 手首の血管が木の根のように浮きあがり、爪は白墨のようにもろくなった。 “これはうそよ、わたしがこんなに醜いはずがない” “変成棒”は“筋力”や“持久力”といった能力を人から人へ賦与することができる。 五人から筋力を賦与された者は、巨岩をも持ち上げ、 十人の“持久力”をもつものはどんな傷にも耐えられた。 さらに国を守るという誓約を認められ、 そのために必要な賦与を受けたものは、ルーン卿と呼ばれた――。 南方の諸国を次々と制圧し、民衆から数万の賦与を吸い上げた、 希代の超人・大王アーテンが、ついに北方の国々にその牙を向けた! 数十の賦与を受けた“無敵戦士”や、炎をあやつる炎紡ぎ、 氷原巨人などの異種族を率いた大王軍に、北の国々は対抗することができるのか!? 驚愕のスケールで描く英雄ファンタジー戦記、ついに開幕。
この本は米国産の王道ファンタジーですが、定番のエルフやドワーフは一切出てきません。 あとこの小説は敵味方魅力的です! (ここポイント!) そして最大の魅力は、『贈与』です! これは変成棒(フォーシブル)と呼ばれる棒に魔法を唱えると、 相手から能力を転移すると言う特殊な魔法です。 能力を贈与された者を『ルーンロード』といい、 彼らは贈与された分だけとんでもない力を得られます。 しかし贈与したものは能力を失うために、重い障害を得てしまいます。 賢知(記憶力)を与えるとばかになったり、筋力や品格(筋肉を収縮、弛緩させる)を与えると、 心臓が止まったりするなど。 それに彼らが死ぬと能力が消えるため、贈与された者は彼らを保護せざるをえません。
あとはボレンソン! 彼はとりあえず葛藤します! がんばれと応援してました(苦笑 あとはまちまち。
値段だけなら、1,2巻上下だけで一万円飛びます!(図書館などで借りることを強くすすめます) 内容の方ですが、わたしは情景描写などが言うほど好きでないんですが、 序盤からけっこう多く、なかなか話が進まずいらいらしました。 さらに造語が多いのですが、ほとんど消化できてませんし、説明がいまいちです。 キャラなども多いのですが、いまいちだれだったか覚えきれてません。 まああとは普通なので、それらを踏まえてお読みください。
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