ライトノベル作法研究所
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アイデアのつくり方

ジャンル:発想法
著者:著者:ジェームス W.ヤング (著), 今井 茂雄 (訳)
オススメ度:
出版社:TBSブリタニカ /阪急コミュニケーショズ
サイズ:単行本/102p
発行年月:1988年04月

■ 解説

 60分で読めるけれど一生あなたを離さない本。
 《アイデアをどうやって手に入れるか》という質問への解答がここにある。

■ 書評

 今まではインスピレーションを得るのは、天才だけに許されることとされた。それをここでは凡人にもおよびえることとしたと言って良い。
本書、p75 『解説』 竹内 均より引用

 ライトノベルの研究を2004年から開始して思ったのは、

 作品の質とは、ラノベのおもしろさの本質とは、やはり核となるアイディアの良し悪しによって決まる、ということです!

 他人より、良いアイディアをいっぱい思いつけること。
 これができる人のことを天才と呼びます。
 そして、ラノベに限らずコンテンツ業界は、天才同士がしのぎを削っている極限の世界です。

 そういった世界に入っていこうとするのなら、アイディアをどうやって手に入れるのか? その方法やメカニズムを知っておくことは、何よりも役立つことです。

 アイディアを生み出す方法や、発想法については類似書が多いですが、本書は、その原典とも言える一冊です。1988年に日本語訳版が刊行されて、世界で、今なお版を重ね続けている超ロングセラーです。
 オススメしたいのは、例え凡人だろうとも、アイディアを生み出せる原理と方法を解説している点です。

 2006年頃に読んだときは、本書に対して、なんとなく難解なイメージを持ったのですが、2013年になって読み返してみると、意外と大ヒットライトノベルに通底することを語っており、驚きました。単にいろいろな知識に触れるのでなく、良質なアイディアを閃くために集めるべき資料は二種類あるという点が必見です!
 一度、読むだけでなく、ぜひ手元に置いて、何度も読み返してください!

 ただ、本書で語られている方法は、意外とめんどくさいです。
 著者のジェームス W.ヤングも、この方法をライバルたちにバラしてしまっても良いのか? と思うだろうけれど、大丈夫、どうせめんどくさいので、ほとんどの人は実践しないよ、といった主旨のことを本書で語っています。いわばアイディアというのは時間をかけて発酵させてうまくなるワインのようなものなのです。
 例え、めんどくさくても、時間がかかっても、

  アイディア豊かな人生を歩むか、アイディアに悩む人生を歩むか。あたなはどちらを選びますか?

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一言書評コメント この本の感想を送って下さい。


魔法事典

ジャンル:ファンタジー
著者:山北 篤
オススメ度:
出版社:新紀元社
サイズ:単行本 / 341p
発行年月: 1998年 09月

■ 解説

 黒ミサ、ヴードゥー、錬金術、ホロスコープ、レメゲトン、セイレムの魔女裁判など。
 古今東西の魔法・魔術に関する人物・作品・概念・体系など。
 600以上の用語をくわしく解説した事典です。

■ 書評

 ぬぉおお~、なんじゃこりゃ! ってくらいの情報量に圧倒されます!

 魔法関係の知識を仕入れたいのであれば、ほぼこの一冊でまかなえるでしょう。
 無論、さらに細分化された情報を入手したいのであれば、 各種参考書を買う必要がありますけどね。
 私も、ファンタジー小説を書くにあたって、ずいぶん参考にさせていただきました。
 アカシック・レコード、エノクの魔法、セフィロト……
 これらの聞き慣れない魔術用語にインスピレーションを掻き立てられました。

 ゲームや漫画から得た魔法の知識では、ファンタジーを描くのに限界があります。
 それはコピーのコピーでしかないわけですから、底が浅く、リアリティのない描写になってしまうのです。
 このような専門書で確かな知識を仕入れることは、世界観を作るのに絶対必要と言えます。

 例えば、1350万部を越えるライトノベルの大ヒット作『とある魔術の禁書目録』は、魔法やSFのうんちくが適度にちりばめられ、これらが作品世界にリアリティを与え、物語を盛り上げるために役立っています。
 もしかすると、禁書の作者、鎌池和馬さんもこの本を参考にしていたかも知れません……

 特筆すべきは、冒頭において、魔法の始まりと現代までの進化の過程を描いた、魔法史の解説があることです。魔法を物語に登場させたいのであれば、ぜひ一冊、手元に置いておくと、役立つでしょう。

■ 水無月さんからの感想

 うっぴーさんに大感謝
 上の通りです。うっぴーさん――いえ、うっぴー様。
 ありがとうございました。

 何が? というと、「ホントは教えたくない、秘蔵の創作お役立ち本」に紹介されていた「魔法事典」、買いました。本屋で見つけて即買いでした(笑)。

 凄いですね、これ。貪るようについさっきまで読んでました。
 読んでからの感想。
 いやはや、意外と最近のファンタジーは適当な薄っぺらい設定の作品が多いんですね。
 漫画でもゲームでも。

 自分の頭の中で魔法とかについて考えるのも楽しいですが、やはり正しい知識はいるのだ、と考えが改まりました。

 ただ、刺激が強すぎて、魔法やら魔術やらを扱った小説が書きたくてしょうがないという状況に陥りました(笑)。
 宣伝のようになってしまいましたが、ホントにいい本です。皆さんも是非ご一読あれ。
 では。

■ 寺宙さんからの感想

  ……実は僕も買いました。
 まだ中途半端にしか読んでいませんが、読んでいて楽しいのは事実です。
(先輩から白い目で見られましたが)。
 それにこれだけの容量でこの値段はお得かなと。
 僕の持ってる他の本など四千円以上したりする物もありますし。

■ AKIさんからの感想

 AKIさんからの感想。
 以前こちらで紹介されていた、「魔法事典」というものを、私も購入しました。
 皆さんの評判通りに、何ともコアな事項が多く、非常に楽しめました。
 私は同社の「幻想動物事典」 を重宝していたのですが、「魔法事典」も使いでがありそうです。
 それでは、これからもどうぞ宜しくお願いします。

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格闘技「奥義」の科学―わざの真髄

ジャンル:格闘技
著者:吉福 康郎
オススメ度:
出版社:講談社
サイズ:新書 / 219,
発行年月: 1995年 08月

■ 解説

 いかなる格闘技でも、超一流の域に達した人は、常人にはうかがい知ることのできない「奥義」を身につけている。わずかに触れただけで相手を吹っ飛ばしたり、3枚重ねの真ん中のレンガだけ割ったり、2倍も体重のある相手の突進を受け止めたり……。
 しかし、たとえ神秘的に見える「奥義」も、実は力学的に高度な合理性にもとづいたわざであることを、本書は明らかにする。

■ 書評

 格闘技というのは燃えます。美少女には萌えて、格闘技には燃えるのが男の性です(笑)。
 そんな格闘技の達人たちの「奥義」を力学的に解明した本です。

 格闘技の奥義には、ほとんど魔術のような神秘的な技も存在します。
 例えば、中国拳法の「寸勁」なんて、その良い例でしょう。格闘漫画にも良く登場しますしね。

 な、なんと! 本書では、この中国2000年の神秘である「寸勁」の秘密を暴露してくれます!

 もちろん、気がうんぬんなどというトンデモナイ解説は一切無し。
 ちなみに知らない人のため「寸勁」について、少し解説しましょう。
 「寸勁」は、わずか三センチの間合いから拳を打ち込んで、相手を吹っ飛ばす特殊な打法です。
 ブルースリーは、これをワン・インチ・パンチと呼んで、アメリカで実演し、人々を驚かせました。

 さて、この本書の著者である吉福氏が「寸勁」を力学分析してみたところ、おもしろいことがわかりました。
 なんと「寸勁」とはパンチではなく、●●というのです!

 しかも、力学的に見た「寸勁」の防御法まで教えてくれます。

 「寸勁」はその衝撃力の力積は大きくても最大値は小さく、技を受けた瞬間にボディの筋肉を引き締めれば、衝撃は内臓まで伝わらないそうです。
 もっとも、この技は、一撃必殺を目的としたモノではなく、相手を吹っ飛ばして、地面や壁に叩きつけてダメージを与えることを狙いとしたものらしいです。
 だから、防御しても身体が吹っ飛びます。その意味では、やはり防御不能技ですね。

 この他にも投げの奥義、受けの奥義、あたりの奥義、組み手の奥義と、達人たちの技を力学的に解説してくれます!
 また、休憩室と称するコラムでは、「人間が熊と戦って勝てるわけがない」ということを科学的に証明してくれて笑えますよ!

 格闘技の要素を小説内に取り込むのであれば、読んでおくとためになるでしょう。

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