ええっと、壱番合戦 仁です。連投失礼します。
自作の根本的な悩みを、皆さんに相談させていただきたいと思います。
もともと僕の作品は、フリーランスプログラマーをやってらっしゃる「しぐれん」さんという人の指導の下、制作したものです。
元は、前編の「白きエルフに花束を」のみで終わる話でした。
当初、しぐれんさんは「主人公がアスペルガー症候群だと、2ちゃん界隈などの受けが非常に悪いからやめておけ」と言われたのですが、青二才だった僕はそれに反発し、無理やり主人公をアスペルガー症候群患者という設定にしてしまいました。
今思えば、話しの構造上から考えても、止めておけばよかったのです。
ヒロイン中心の話としてまとまっていたのですから、そこに主人公の強すぎる個性を足す事で制御できなくなってしまうことに気が付いていなかったのです。
最初のプロットをログラインとして手短に説明すると、『親元から家出した一人息子の主人公が、転移先で美しい女の子を強姦魔に暴行されているところを救い、恋に落ちる。彼女の兄が破壊神になって暴れていることを、彼女を保護する団体の知らせから知り、二人は兄探しの旅へ出る』というものです。
オチは「彼女の兄は最初から存在しなくて、破壊神の力に取りつかれていたのはアイルだった」「破壊神の力を不完全に取り入れたことで記憶の一部がめちゃくちゃになり、力に操られて無自覚なサイコパスになり、裏で暗躍していた」です。
本当は、ここで完結しておけばよかったんです。でも、ここまでの簡単なログラインを見て違和感を感じませんか?
僕は感じました。《なぜそうなったのか明確ではないからです》。
彼女がいろいろ不幸だったのは間違いないにしても、その裏にあった背景やエピソードが抜け落ちています。また、バッドエンドとしては非常に後味が悪い事にも気が付きました。
そこで、当初予定していなかった後編を作ることにしました。名前は、『黒木悪夢に撃砕を』。内容は、主人公をこの世界に送ってくれた張本人である『渡世の魔神』を倒せば、どんな願いでも一つだけ叶うという設定をつけて、適当に最終決戦させました。その魔神の力でアイルを転生させたのです。
ところが今度は話が超展開過ぎてついて行けないという意見をもらったり、そもそもアイルが差別されている理由が設定だけに終始していて、関連のエピソードが全くないことに気が付きました。というか、新しく書いた後編が彼女の迫害を裏付けるものとして機能していなかったのです。
それもあって、何故差別されるようになったのかの由来について語った昔話も作りました。今度は六族連合という組織を出しました。組織を作ったところまではよかったのですが、「悪の組織を主人公たちがぶっ潰す」という構図を理解していなかったので、背景設定だけになってしまいました。
これではいかんと思い、役に立っていない『黒き悪夢に撃砕を』を丸々消去して、六族連合にアイルの弔い合戦を仕掛ける話を作りました。当然仲間も必要ですし、後編に華が無い事にも気が付いたので、いとこのサエリを登場させて、ライバルキャラに剣術士の冬峰 劫を出しました。
こんな風に、話をどんどん継ぎ足している内に書くのがつらくなってしまいました。僕自身をモデルにして主人公を書いていますし、心の安定を図るための防衛機制として、親しい友人の前でだけ女性を演じる習慣があって、そのおかげでアイルの性格をコピーして二重人格の様な振る舞いをしています。
キャラと自分が癒着してしまっているため、執筆がいつまでもやめられないのです。完成しない作品をずっと続けることでお話が非常にめちゃくちゃになってしまっています。
いつの間にか、読者よりも書いている自分を優先している自分がいて、このままではプロになんて絶対になれないのではないかと煩悶しています。
というかそもそも自分はプロになりたいのかすらも怪しいです。
規則がゆるゆるなB型の作業所にすら通えず、将来の見通しが立たない中で好きを高じさせて、甘い目を見ようとしているだけなのでは?と自分の覚悟を疑ってしまいます。無論、出版業界は僕の様な甘ちゃんなどお呼びではないでしょう。
書き始めたころは本当にプロになるつもりでした。ですが今や、暇つぶしと妄想を形にするための手段として悪用しています。
もう一度初心に帰って、人を楽しませられる文章を書きたいです。そして、この自分のパーソナリティと癒着しきった、腐ったプリンのような物語を一度終わらせるべきでしょうか?
皆様。どうか、迷える僕に道を示してください。心から、本当に本当にお願いします。