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オミクロンさんの返信一覧。最新の投稿順3ページ目

元記事:視点者の意識がないときの描写

 こんばんは、お世話になります、左野です。
 小説を書いていると、視点者が寝たり気絶したりするシーンに当たることがあります。
 視点者の意識がないときの描写は以下の方法で問題ないでしょうか。また、他に方法があればぜひ教えてください。

1:視点者が意識を失うぎりぎりまで地の文で書く。その後は書かない。
 いわゆる、「おれは寝てしまった」というものです。
 よく使われている手だとは思うのですが、「『おれは寝てしまった』ってモロに目覚めたあとに考えることだよなあ。『おれは死んでしまった』に近いものを感じるぞ」というような、余計なことを考えてしてしまいます。
 かといって別のいい言葉が思いつくわけでもない。
 これはお約束の文章として素直に使っていいのでしょうか。

2:視点者を変える
 視点者を変える方法です。意識がなくなった後の展開が長いときに使うべき方法と聞きます。
 しかし、一人称小説でやると、地の文が随分変わってしまいます。(文章力によるとはいえ)違和感を覚えますか。

3:視点者の意識がなくなったあと、神視点(というより無視点三人称? 地の文では登場人物の心情を一切書かず、ただ事実のみ書く)で描写する
 特にお聞きしたい方法です。
ーーーーーーーーー
例)
「頭が痛い」
 そうぼやくと、椅子に座って本を読んでいた魔女が、長くて美しい髪を耳にかけてから、本をぱたんと閉じてこちらに視線を向けてくる。
「風邪でもひいたのか」
「たぶんね。もう寝るよ」
 おれは頭を押さえながら、フラフラと歩き、ベッドに腰掛ける。
「寝るのなら、その前に薬を飲むかい。私が作った薬がまだ残っているはずだ」
「うん、ありがと。それ飲んで寝るよ」
 おれがそう返事をすると、魔女はさっと薬箱から瓶を取り出した。
「ほら」
「サンキュ」
 瓶を受け取り、一錠だけ取り出す。すると、魔女は水がなみなみと入ったコップをもってきて、すぐ近くの机に置いた。
「水。これを飲み干せ」
「え、いいよ。そのままのみこめるし」
「寝ている間に脱水症状を起こしたらどうするんだ」
「わかった、わかったよ」
 他人の健康だけは本当に心配するんだよなあ、この魔女は。自分のにはてんで無頓着なくせに。そんなことを思いながら、コップに口をつける。
「熱は?」
 コップの水を半分飲み干してから、答える。
「……ああ、なさそう。大丈夫だよ」
「ならいいんだが」
「そうそう、この薬、よく効くんだよね。飲んだ瞬間こてっと寝られちゃうんだ。起きた頃にはもう元気いっぱいだし」
「特殊な睡眠薬だからな」
「ん、じゃあ、おやすみ」
 おれはそう言って、水をふくみ、薬を口に放り込む。ゴクンと飲み込んで、それだけでもう眠い。ベッドに横たわり、ブランケットを被る。どんどん眠気が襲ってくるのが嫌でもわかった。

「おやすみ。ふふ、もう寝息を立てている。……私は心配でならないよ、君はいつも必要以上に無理をするんだ。君は私よりよっぽど脆いというのに」
 暖炉の光がコップをオレンジ色に照らす。暖かい空気で部屋は満たされている。
「君の前じゃ口が裂けたって言えないが……私は君のことを」
 誰かの思いを隠すように、火の粉のパチパチはぜる音だけが、病人の小さな寝室に響いていた。
ーーーーーーーーー
 というものです。
 今書いている小説があるのですが、例のように、視点者の意識がなくなったあとの展開が視点を変えるには微妙な長さで、しかしどうしても描写したい場面があります。
 そのために方法3を使う予定なのですが、変でしょうか。

 よろしくお願いします。

上記の回答(視点者の意識がないときの描写の返信)

投稿者 オミクロン : 1 投稿日時:

 オミクロンです。自分の3の手法を多用しているので、参考になれば幸いと思い書き込ませていただきます。

 まず、留意すべき点として、「視点移動」が発生した。ことを分かりやすくすべきだと思います。例外があるとすれば、叙述トリックの真似事をする時くらいでしょうか。

 自分がの場合、視点移動直後に主人公の3人称を使います。佐野様の文の視点移動に私が文を入れるなら、次の一文を挿入します。

 深い眠りに落ちた主人公の頬を、魔女は優しく撫でた。

 1人称の地の文で、自身の3人称が出てくることはありません。なのでこの瞬間に、「あ、視点が変わったな」と分かりやすく見てもらえると思います。

 ただ、他の方々の指摘通り、3人称神視点は情報の取捨選択が極めてシビアです。読者が知る必要のない情報をズラズラ書けば、蛇足になります。また、必要なものでも余計に書けばネタバレに直結します。

 この【必要な情報】というのがまた厄介者でして。短期的に見れば不必要であっても、長期的に見れば必要だったりする場合があるんです。特に継続することに意味がある情報、情に関するものが該当すると思います。

 そこらへんはストーリーの詳細により精通した作者が、推敲に推敲を重ねることでどうにかなると思います。

 最後に、これは他の批評者様への批判に当たりますが、多少関連するので書かせてください。

 3人称神視点の文章というのは忌避されがちです。カメラワークの問題、情報過多の問題、感情移入の問題等々。それは否定しません。ですが、存在してはいけない文体ではないと思います。

 むしろ、それらを適切に扱えれば、物語に厚みを持たせることが出来るというのが私の考えです。「主人公の視点で全てが見える」物語は、極論が過ぎると感じました。逆に物語を薄くする可能性を持つと私は思います。

 実例を提示させてください。ソード・アート・オンラインのアリシゼーション編です。

 ネタバレになりますが、主人公キリトは作中で心肺停止状態になり、脳の一部が損傷に近い状態になります。それを治療するためにアンダーワールドへとダイブすることになります。

 そこからはアンダーワールドの世界と、現実世界の双方で物語が進行します。現実世界においては主人公不在であるため、視点は3人称神視点で進行しています。

 更に中盤以降キリトは心神喪失状態となり、自活すらままならなくなります。そこからはアンダーワールドの世界でさえ、主人公がいるにも関わらず、キャラクターのアリスへと視点が変更されます。

 では、これらの「主人公の外」にある物語や描写。アスナの必死の努力や、神代の葛藤、アリスの献身などは、作者の長ったらしい自己満足と断ぜられるべきでしょうか? 私は否だと思います。これらを失えば、あのアリシゼーション編は駄作として終わったでしょう。

 総括します。3人称神視点は毒にも薬にもなります。毒性のみを見て捨てるのは、余りにも勿体ないです。なのでまずは自由に表現をして、後から真に必要か否かを推敲するのがいいかと思います。そうすれば自己満足の領域を可能な限り削り、演出の部分を増やせると感じました。

 長文失礼しました。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 視点者の意識がないときの描写

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元記事:魔法の設定について

 現代日本で失われた鉄道風景を中華風ファンタジー世界で再現しようとしている、ドラコンです。拙作の構想で、地下牢を出したく別スレッドで質問しましたが、話が別の方向に行きそうなので、新たにスレッドを立てさせていただきます。

 魔法の設定について、2点ほど質問します。

 1、魔法の歴史について

 科学技術なら、時代が下るにつれて発展する(性能が上がる)イメージです。ですが、魔法の場合には、古い時代のほうが優れているイメージがあります。『ドラクエ5』のルーラは、失われた古代呪文で、研究者が復活させています。

 拙作の構想では、主人公の時代より、2、300年前の時代の幽霊が登場する予定です。主人公にとっての「現代」と「2、300年前」とで、魔法の水準が同じで構わないのでしょうか。

 主人公の時代に存在する、鏡を使った「テレビ電話」や「暗視カメラ」に当たる魔法道具が、「2、300年前」に存在してもいいものでしょうか。というより、むしろこれらの魔法道具が「2、300年前」に存在していないとならないのでしょうか。

『ドラクエ』をやっていると、『7』や『10』の主人公が何百年、何千年単位で過去の世界へ行くことがあります。そのわりに、「過去の世界」の衣食住の水準は主人公にとっての「現代」とあまり変わらないですね。むしろ『7』では、からくり(ロボット)の技術は過去のほうが上でしたし。

 拙作では、「2、300年前」には鉄道は存在しないので、幽霊が畜力(馬やラクダ)で数箇月掛かった距離を鉄道で数日で移動し、驚くような場面は考えてあります。

 2、魔法の制限

 魔法の設定は後述しますが、魔法が使い放題だと、便利過ぎますよね。どう制限を掛けるかを迷っています。『ドラクエ』のように「MP」との数値があれば楽なのですが。それに『映画ドラえもん』だと、ひみつ道具を「忘れた」「壊れた」で使えないことも多いですね。ひみつ道具が使い放題だと、冒険になりませんからね。

 以下、資料です。

 ●拙作の構想(出だし)
 主人公の皇后、張銀鈴(ちょうぎんれい)(14歳)は、牢番の訓練のための囚人役を決める賭けすごろくで負け、3日間地下牢に入ることとなった。その地下牢で、2、300年前に獄した皇后の幽霊(幽閉の理由は側室の讒言)に出会い、とりつかれる。

 ●魔法の設定
 ・魔法の使用はお札など道具が必要。
 ・攻撃用の魔法よりも、生活系の魔法。主に家電を魔法に置き換える感じ。
 ・感覚は、『ドラえもん』のひみつ道具に近い。
 ・効果の高い魔法道具は、値段が高いか、使用者の体力・気力の消耗が激しい。若しくはその両方。
 ・現時点考えている魔法道具は具体的には以下の通り。
 鏡を使った「テレビ電話」「暗視カメラ」。「テレビ電話」は使っていると曇るから、電話局に持ち込んで有料の磨き直しが必要(電話料金に相当)。
 空飛ぶはがき。
 容器そのものが呪符の「保温弁当箱」「魔法瓶」。
 マッチに当たる「お札」か「棒」。
 お札を張って使う「冷蔵庫」(プリペイド式携帯電話のように、電気代に当たるお札を買って箱に貼り付けると、有効期間中は中が冷たくなる)。
 呪符になっている扇子なら、空中に浮かべてあおがせたり、大きくして武器として使ったりできる(重さは普通の扇子、強度は鋼)。

 ●関連スレッド
 「幽霊が生者にとりつく理由は?」
 https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/counsel/novels/thread/881

 「地下牢(地下空間)の居住性は?」
 https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/counsel/novels/thread/923

 拙作の世界観については、下記のプロローグをご覧ください。

 『(改稿版「駅編」) 寿国演義 お転婆皇后と、天空聖地と、雲表列車』
 https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/prologue/novels/thread/47

 『寿国演義 庶民出お転婆皇后と、天空聖地と、雲表列車 (再投稿)』
 https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/prologue/novels/thread/38

上記の回答(魔法の設定についての返信)

投稿者 オミクロン : 1 投稿日時:

 オミクロンです。自分も魔法(魔術)が登場する作品を書いていて、魔術への制約を付けているので参考になればと思い投稿させていただきます。

 まずは2に対して回答させてください。

 自分の設定では系統で割っていたりします。具体的には火、水(+氷)、風(+雷)、土の4大属性に光、闇を加えた6大属性ですね。それにそのどれにも属さない無属性魔術を加えています。

 そして、作品設定に【修められる系統は一つだけ。と先天的に決まっている】という(例外はありますが)ルールを設けています。

 更に習熟度を設けています。私の作品では0~5までの6段階にしています。そして習熟度次第で使える範囲に上限を設けています。ドラクエのメラ系で例えたいと思います。

メラ:習熟度2~使用可能(1と0は汎用レベル)
メラミ:習熟度3~使用可能
メラゾーマ:習熟度4~使用可能
メガライアー:習熟度5でのみ使用可能

 これによって初っ端から超性能魔術は使えないようにしています。

 また、ドラゴン様の「お札」に近い感覚で「付与魔術」というのを私の作品で登場させています。その中でも同じように、習熟度による効果範囲に制約を書けています。物体の固さを変える無属性魔術で先ほどと同じように例示します。

習熟度3:物体硬化 硬度50%上昇
習熟度4:金剛   硬度100%上昇
習熟度5:絶対不変 硬度∞%上昇(使用に強力な制約あり)

 という感じですね。この発想を得た作品も提示させていただきたいと思います。コミカライズ化、書籍化もされています。十本スイ様が執筆し、完結した作品です。

【金色の文字使い ~勇者四人に巻き込まれたユニークチート~】

 非常に汎用性が高いチート魔術を使う主人公ですが、成長しなければチートの本領を発揮できないようにしています。

 次に1に対して回答させてください。全てを進化させている必要はないと思います。私たちの世界における地球への考え方を例に出したいと思います。

 古代ギリシャにおいて地球は平面ではなく、球体である。という事を紀元前300年ほどの偉人、アリストテレスは明確な論拠によって証明しています。ですが、16世紀の大航海時代においては地球は平面であり、西の果てには巨大な滝があると思われていました。

 この事からも分かる通り、文明の発展につながる発見が、必ずしも後世に受け継がれるとは限らない。ということが分かります。なので敢えてすべてを発展させずに、一部はむしろ古い時代の方が優れていたようにすれば、物語に奥行きが出ると思います。

 最後に、1の2番目の問いに対する回答になります。承知を承知で書きますが、テレビやカメラといった単語は登場させないほうがいいでしょう。遠距離通信機とか、瞬間記録媒体といったようにぼかす必要があると思います。

 さて、本題に入ります。ぶっちゃけ設定次第です。我々が15年前にテレビ・カメラ・パソコン・電話の4役を担うスマホの登場を予想できなかったのと同じです。文明の進化スピードをどのように設定するかです。

 テレビといった単語が出てくることを考えると、ドラゴン様の作品の現在設定は、この世界での20世紀半ばでしょうか。そこから2~3世紀遡ると江戸時代の全盛期くらい。我々の世界と文明の進化スピードが同一に近いなら、十分アリだと思いますよ。

 逆に300年前と今で全く変わらない、もしくはほとんど進歩がないほうが問題だと思います。もちろんその進歩がない理由で物語を掘り下げるのもアリですが。そこらへんはドラゴン様の構想次第になります。

 長文失礼しました。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 魔法の設定について

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元記事:「中世異世界」世界観への納得の提示

 お久しぶりです。オミクロンです。スランプに陥ってしばらく筆をおいていました。

 さて、今回伺いたいのは、題にもある「中世異世界」というよくありがちな設定にまつわるものです。このすば、Reゼロといった作品を筆頭に、異世界の文明レベルを中世~近世で設定している方が多いと思います。事実私が執筆中の作品も設定しています。

 ここまでだったらテンプレなのですが、私はその文明レベル設定にひと手間加えてみました。その「設定」に対する批評を頂きたく投稿させていただきました。

 概要を箇条書きすると、以下のようになります。

・人類文明の興りから作中時間までは約3000年。人口規模は全世界で1000万程度。
・言語分裂はなし。全ての高度知的生命体が、同一の言語を使用している。
・魔術あり。程度は基本エレメント+光(回復、結界魔術)、闇(思考干渉)の6属性魔術くらい。(ブラッククローバーのような魔法はない程度です)
・度量衡の統一なし。
・宗教は完全に統一されていて、土着信仰もなし。
・にもかかわらず、作中時間での文明レベルは高いところでは産業革命2歩手前。遅いところでは古代ギリシャ未満(特に数学、天文学)。

 書いている自分でも分かっています。よくある「中世異世界」世界観です。かなりどころではないほど歪です。

 ですが、以下のように「設定」することによって、これらに一定の納得を付与することが出来るのではないかと思いました。これも箇条書きにします。

・その世界における事実上の神(ラスボス)が、全世界規模の思考操作魔術を断続的に行使。これにより度量衡の統一といった、重要な革新、発明などを封じる。
・一方でその有益性は神自身も理解している。なので「神託」という形で、元来起きえる革新や発展を贈与する。
・そして幾多の経験(度重なる文明のリセット)から、どの技術を与えると、将来自身への信仰が綻びを見せるか完全に理解している。
・そして神の目的は、自身への自発的信仰に溢れた箱庭(世界)を作成すること。失敗したら滅ぼすし、飽きたら滅ぼす。(そうしてきた実績あり)
・ただし事実上の神とは言え、全知全能ではない。人からなり上がった存在。

 端的にすれば、「ほぼ絶対者が行う世界を舞台としたSRG」という形です。もっと言えば、シムシティです。これによって外から来た異物(転移者・主人公)以外、その異常性を察知できないようにしています。

 これらは全て作中最終盤で回収(明示)されます。また作中で度々主人公が世界への疑問を抱きますが、この「設定」は読者として納得のいくものでしょうか?

 ご批評、ご意見よろしくお願いします。

上記の回答(「中世異世界」世界観への納得の提示の返信)

スレ主 オミクロン : 0 投稿日時:

 皆さま色々とご指摘ありがとうございます。確かに設定を納得の手段にすると無尽蔵に増えていきますね……。またあんまりにも厳密に作りすぎると、逆に突っ込まれる点を生むというのは盲点でした。

 言い訳がましいですが、魔術(魔法)があることによる世界観設定テンプレに対する、駄目押しをしてみたかったというのが本音です。暗黙の了解に対し、メスを入れたかったとでも言えばいいのでしょうか。

 本来なら色々考えるべきだとは思います。ですが物語の根本部分で、大きく手を加えてしまうと物語が完全に破綻してしまうので、突っ切ってみたいと思います。ありがとうございました。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 「中世異世界」世界観への納得の提示

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元記事:王道ヒーロー物における葛藤・成長について

自分はOVAゲッターロボに感化されて単純明快で爽快なヒーロー系作品を作りたいと思っています。
しかし、ゲッターのような王道ヒーロー系からはどうも小説で重視されている「キャラクターの過去・葛藤・成長」というものがあまり見えてきません。

例えば、チェンゲや新ゲッターの流竜馬からは彼が抱えている過去・目標がよくわからない他、心身ともに始めから成熟しているので成長要素も見いだせません(もしかしたら自分の目が節穴なだけかもしれませんが)。

自分としては流竜馬のような葛藤や成長などを挟むより小気味よくドワオと暴れてくれるヒーローを作りたいのですが、それだとどうしてもキャラ造形のセオリー上薄っぺらなキャラに思えてしまうのです。

どうすれば深みと単純さを両立させたヒーローキャラを作り、読者を楽しませることができるのでしょうか?

よろしくお願いします。

上記の回答(王道ヒーロー物における葛藤・成長についての返信)

投稿者 オミクロン : 1 投稿日時:

 オミクロンです。まず辛辣なことを言わせていただきますが、「単純さ」と「深さ」の両立は至難です。というかぶっちゃけ矛盾してます。「深さ」を言いかえるのなら「思慮深さ」に該当すると思いますので。詳しく説明したいと思います。

 私の所感では、単純キャラの強みは「既に精神が完成している」ことにあります。だからどんなことでもブレないし、見ている側も安心できます。
 逆に葛藤や成長といった要素を組み込んだキャラの場合、「精神構造が変化していく」ことが物語の華となります。

 お分かりいただけるでしょうか? 「既に完成しているのに変化していく」んです。最高の硬さと最高の柔軟性は両立しえないんです。仮に成立するとすれば、そのどちらかが偽りでしかありえません。
 なので「キャラが薄っぺらくなるから」といった薄っぺらい理由で、矛盾する「深さ」を付与すると大失敗すると思います。
 やるのならキャラクター設計や、物語をしっかり構成したうえで計算に計算を重ねてやるものです。

 この成功事例がありますので、そちらを紹介します。私の愛読書である「HELLSING」の「アーカード」です。
 彼は不死身の吸血鬼で、最強で、無敵です。やりたい放題します。(命令の範囲内なら)人間を殺すのが大好きですし、人間に殺されるのも大好きです。ですが同時に、人間でいられなかった自身に対する失望もしています。有名な場面を引用すると、

「俺のような化け物は、人間でいることにいられなかった弱い化け物は、人間に倒されなければならないんだ」
「やめろ人間!! 化け物にはなるな。私のような」

と宿敵相手に懇願しています。

 なので彼のやりたい放題っぷりは、黙っていると鬱るから狂人の仮面を被っている。という「演技」です。その深奥には不死の苦しみがこの上なく刻まれています。それを作中のとあるキャラが解説しています。これも引用しようと思います。

「あの男は幾年月を超えてきたのだろう。幾千幾万もの人々の絶望を喰らってきたのだろう。
 だがもはや彼には何もない。城も領地も領民も、思い人の心も彼自身の心も。闘争から闘争へ。何もかも真っ平になるまで、歩き歩き歩き続ける幽鬼。
 私にはね、インテグラ。あの吸血鬼が、あの恐ろしい夜の世界を統べる不死身の化け物が、ひどく哀れな哀れな弱々しく泣き伏せる童に見える」

 これを踏まえると、葛藤を前提として単純さを「演じる」のならば十分に可能な範囲だと思います。参考になれば幸いです。

 長文になりましたが、最後にもう一度だけ要点を伝えたいと思います。

 キャラが薄いからという理由で葛藤を後付けしたキャラに成功例はないと思います。それならばまだ、単純さに突き抜けた方がいいです。もし葛藤をも描きたいのなら、物語とキャラクターを緻密に設計してください。

 以上です。長文失礼しました。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 王道ヒーロー物における葛藤・成長について

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元記事:挿し絵

こんばんは、ネットの小説を見ていると、可愛い挿し絵がたまに乗っているのがあります。僕もかけたらなーと思ったりしています。色々考えたのですが人形を使ってそれっぽいのを載せればと思ってます。
皆さんの意見が聞きたいです。よろしくお願いします‼

上記の回答(挿し絵の返信)

投稿者 オミクロン : 0 投稿日時:

 オミクロンです。老婆心ながら挿絵に関して助言をば。

 挿絵は確かに魅力的です。よくわかります。ならばいっそ3Dモデルで作ってみてはいかがでしょうか? 実際に私は3Dモデルでキャラを作り、それでモチベーションが上がったタイプです。

 ですが痒いところに手が届かないという難点もあります。なので自身の脳内にあるキャラクター外観の6割から8割程度を再現する。くらいの考えで行くのが無難です。特に服装に関しては完全に妥協することになるでしょう。

 背景に関しては、完全フリー素材をソフト内に取り込むことができるものもあります。公開に関しても、利用規約を遵守し、著作権に配慮すれば小説投稿サイトで使用可能だそうです。

 宣伝と思われてしまうかもしれませんが、かの有名な「カスタムメイド」を作ったS-court様と、ドワンゴが共同で作ったキャラクターメイキングアプリ「カスタムキャスト」を使用してみてはいかがでしょうか?

 無料でPC版「カスタムオーダーメイド3D2」のメイキング機能と、スタジオモード(撮影モード)が使えます。私はPC版の方を買いましたが、初期投資で1万ほど消し飛びました。なので熱意があれば使ってみた方がいいと思います。キャラクターメイキングツールの中では完成度が非常に高く、とことんこだわれる所がありますので。

 最後に。先述した方もいらっしゃいますが、3Dモデルのポージングには相当の労力がかかります。こだわると一つのシチュエーションの撮影のためだけに、軽く1時間消し飛ぶこともザラです。ですが、それでもやってみたい。という熱意があるのなら、手を出してみるべきだと思います。

 長文失礼しました。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 挿し絵

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元記事:四年前の概要と今の概要を書いてみた。添削望む

四年前に書いた、概要を矛盾を取り除いて書いた内容を今書き直した。なんだかんだ、今の奴が30分くらいで書けてびっくりしている。

過去
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薄っすらと雪が積もる真冬のホーム、電車の暖房が心地良い季節に彼――荒船 晃(あらふね こう)も例外ではない、何の計画も無い彼は瞼を閉じ睡魔に身を任せる。 
僕は瞼を開けると電車の中にいたはずなのに、目の前にはデジタル時計が目の前にある。追々分かったが小学五年生の体に彼自身が過去に遡っていた事に、それも二十歳の記憶は残ったまま……。
彼――荒船 晃は小学生時代、不登校だった。奇しくも、過去に遡る前の時間も小学五年生で登校した。そして何の知識、友達の関係も分からなかった晃は、誰にでも優しくして、いじめられても言い返せず一人悔しがっていた。
一週目は中学時代から捻くれて行った晃は、二度目の小学校生活では暗い過去を捨て、明るく、強く声を大きくしていく決心をした。
そして僕の二回目の学校生活はある異変に気付く。一度目の小学校生活で女子の五月女 蒼空(さおとめ そら)の異変。言うならば、活発、元気、笑顔の人間だった彼女はクラスの中心みたいな人間だったはずが二度目の人生、この小学校生活では暗めで誰とも話さず、昼休みになっても図書室で本を読む生活をしていた。
なぜ? 色々考えた。彼女だけが性格が違うのか。それが分かる日が来る、彼女がいる図書室で話をした。ある質問を境に過去に遡った事も、自分たちは二週目の人間に失敗を押し付けているとか、その後も色々な話をした。なぜ、蒼空の性格が暗いのか、彼女が言うには人間関係に疲れたから一人でいたかった。
なぜ、僕は蒼空の異変に気づいたのだろうか……。その答えは……クラスの中心で活発な蒼空に、僕は憧れていたのだ。蒼空は人間関係に疲弊し孤立したかった。正反対な感情を持つ僕達は自然と憧れ、見て、二度目の学校生活で真似をしたのだ。
高校の終わりに、僕は告白をした。彼女の反応は、
「遅い!」晃自身も遅いと自覚していたが蒼空の言葉は嬉しかった。
時は過ぎ、二週目の僕が一週目と重なる。「遡った日もこんな雪の日だったね」蒼空がそんな話をしながら青の信号機を一緒に渡っている時、トラックが僕達の元に突っ込んだ。蒼空が死んでいる、言葉を失った僕は絶句しながら息を引き取った。
目を覚ますと、暖房が心地の良い電車の中だった。遡る前のあの日に戻ったのだった、僕はすぐさま電車から降りる。数分前に轢かれた信号機の元に息を切らしながら走っていたその時だった。赤く点滅している信号が見える、だが青になっても渡らず横断歩道で止まっていると、一人の女の子を遠目で見かける。トラックが青信号だが目の前を横暴に横切り、止まっている僕達の距離を一定にする。( トラック 渡る時間 長い)
目が合うが、不安が過る。(今まで夢 可能性)声を掛けても「知らない」と言われるかもしれない。だが勇気を出して声を掛けた。「遅い!」そうして僕達は笑った。


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電子恋愛
 少し未来の、日本。機械が日本のありとあらゆる単純作業を任せ、人間は0から作る仕事や、機械のメンテナンスそんな仕事がありふれた時代になった大学四年生の就活生の荒川 晃(あらかわ こう)は、自身の記憶力を面接で長所と書くが届いた紙には不合格通知ばかり……。
 そんな日々に嫌気が指していたある日、電車内で頭痛に襲われ、目を覚ますと体が子供時代になり、自分そっくりな容姿な機械になっていた。
 だが、学校にも通い親から可動部に油を注され、科学者からメンテナンスを受けこの事実を受け入れてきた。
 だが、彼は自分の記憶力と照らし合わせていくと同じだった。ほとんど、いや全てだった。会った人物、話した内容、起こる未来。体験したことが、すべて記憶にあった。
 ただ一つ、違うのが彼女の存在だった。前の記憶では、陽気でいつも笑っていた彼女が図書館に入り浸り違う表情をしていた。本当に嬉しそうな表情だ。
 彼女に図書館で出会うと「脳みそ機械」と言われ舌を出されてどこかに行ってしまった。ムカついた自分は、彼女とは会話しない事にした。
 だが、彼女の父親を見た時に酷い頭痛に襲われた。
 「俺……いや、自分の記憶、作り物?」
自分は重い病気で医療中の記憶、彼女の言葉、彼女の父、怖くなり自分の医療中の病院に行った、そこにいた。人間の自分が、こちらを見ていた。
 彼女に会い、話た彼女もまた同じ現象になっていた。病室で寝たきりの自分たちの為に学校で過ごし記憶を病気が治ったら埋め込む。
 今、俺は昔の自分の脳みその中から作られた性格? 本当の自分はあそこにいる、人間? 急に怖くなってきた、死を意識した。仮に俺が治る歳まで来たら? 俺の人格は? 否定して彼女に聞くとそして父親から聞いた。
 彼女が言うには、「人間の脳みそに移しているいる途中なのか、システムのエラーなのか。私達は作りものなんだよ」
「私は記憶とは逆なことをして本体にダメージを与えようとしてるの、あなたもしてみない? 人生は一度きりだよ?」
 二回目の人生でそれは新鮮だった。彼女の言う通り逆の事をして過ごし高校の卒業式彼女に告白をした。「遅い」彼女の言葉は、嬉しかったと同時に笑えた。歳を迎えると、何がどうなっていたかを忘れ電車の中であった。ある研究者にいきさつとそれに対する説明を受けた。電車の合間、ある女の人に出会った。記憶の前面に上書きされた彼女の顔を悩んで声を掛けると「遅い」そういってあの時と同じように僕たちは笑った。

 煮詰めて書いてみたが、過去の話は矛盾が多かったのでそれを添削する意味で今の奴を書きました。ここ変じゃね? みたいな設定や、文字やおしえていただければ幸いです。

上記の回答(四年前の概要と今の概要を書いてみた。添削望むの返信)

投稿者 t : 0

四年前の概要は過去に戻るのが面白いです。
ただ、この蒼空(さおとめ そら)では作者の都合が透けて見えます。
何のために矛盾を解消するのか。蒼空(さおとめ そら)がこのお話にとって、絶対に欠かすことのできない存在になっていくからです。
ではどこを膨らませるように書かなければといけなかったか。
全体の文章の方向性がどこに向いていればいいのか、と考えてみてはどうでしょうか。

――――――

今の方の電子恋愛は、記憶の扱いが問題になっていてとても面白いです。
荒川 晃(あらかわ こう)の記憶のお話と、おそらく恋愛に発展するであろう彼女とのお話のふたつがあって。話が整理されていない問題もあるのですがふたつのお話のうち、どちらをメインとして書きたいのか分かりませんでした。
違う言い方をするなら、
機械の荒川 晃(あらかわ こう)は人間の自分を知る。そして自身の記憶がなくなるかもしれないことに考え悩み、何かしらの答えをだすはずが。荒川 晃(あらかわ こう)は記憶にどう決着をつけたのか、そしてそこに彼女がどうかかわっていくのか。そのあたりの一番面白いところが書かれていません。

例えばですが最終行にこうあります。
「記憶の前面に上書きされた彼女の顔を悩んで声を掛けると「遅い」そういってあの時と同じように僕たちは笑った。」(※抜粋)
↑に繋がる道筋をきちんと説明できていますか。
例えば原因が、「親から可動部に油を注された」ことですべては油が見せる幻想だったとも考えられる。
あるいは、「私は記憶とは逆なことをして本体にダメージを与えようとしてるの――」。本体にダメージで頭がおかしくなっただけじゃないのかと読者に思われるかもしれない。
ここらへんは医者が冒頭にルール説明をすればいい話だと思いますが……。

このお話は機械の荒川 晃(あらかわ こう)が記憶の扱いを知って、良い方向か悪い方向かは分かりませんが、この経験で何かしらの成長をしていくわけですよね。
荒川 晃(あらかわ こう)はこう言っています。
「本当の自分はあそこにいる、人間? 急に怖くなってきた、死を意識した。仮に俺が治る歳まで来たら?」(※抜粋)
こうなった経緯ももちろん読者は知りたいのですが、私だったらその先の変化を、自分が読者だったら一番読んでみたいと思います。

概要が終わりに近づくと魅力的な台詞の彼女が登場します。
「私は記憶とは逆なことをして本体にダメージを与えようとしてるの、あなたもしてみない? 人生は一度きりだよ?」(※抜粋)
細かい矛盾はどうとでもなります……たぶん……。
それよりも2人の関係や考え方がどう変化していくか、記憶の扱いがどなっていく……かが大切かもしれません。

何かのお役に立てば幸いです。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 四年前の概要と今の概要を書いてみた。添削望む

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元記事:創作論の投稿

間違ってるところあったら直してください。

読者は「現実」に対して一種の先入観を抱いている。ファンタジー小説を読むのは読者の住んでいる世界という「現実」とのギャップがあるからだし、ミステリーが面白いのはまず小説で提示された情報に抜け穴があり、物語の内部という「現実」とのギャップが存在するからだ。

「現実」は読者の偏見や先入観によって構築される。ギャップが物語という媒体で提示されなければならないのは(つまりスーパーのポップにでかでかと貼ってあってはいけないのは)読者のそうした先入観を次々と裏切っていくことで読者の持つ常識に別の視点を加えることが目的だからだ。

読者は本の中で提示された設定と今までに身に着けてきた常識とを組み合わせて物語の中の世界をイメージする。このイメージを推意と呼ぼう。推意は物語を読み進めるにつれて次から次へと更新されていく。読者の抱いていた推意に対する確信が強いほど、そしてまた読者がその推意を覚えているほど、それが裏切られたときのショックは大きく、常識が書き換えられた気がする。

読者が強い推意を抱いていない状態でそれを裏切る設定を公開しても強いショックは与えられないし、またそうした設定に説得力がない場合も同様である。スーパーのポップに何らかのメッセージを貼る行為は、読み手の興味がないこと(=先入観を抱いていないこと)を根拠なく提示している点で、ショックは与えられない。
本の場合はある出来事を事実だと思い込ませたり推意への反論となる根拠を散りばめたりする時間が豊富だからこそそうした行為が可能となる。

物語の最後で主人公が女性だと判明する展開が読者に面白いと思われたのは、それまでの話で読者は主人公を女性だと思う根拠がいくつも与えられ、しかもそれらが女性でも行い得る行為だったからに他ならない。「春が二階から落ちてきた」という文の次に長々と言い訳のような文章が続くのは、読者に複数生じるであろう推意を一つに固定化し、読者の先入観を早々に更新し終えて次の推意を行う準備を済ませるため(つまりチェーホフの銃が発生することによって読みにくくなるのを防ぐため)だ。

ここで二つの小説の冒頭を見てみよう。

1.
”①うだるような暑さで目を覚まして、カーテンを開くと、窓から雪景色を見た。
②青々と茂った庭の草木に、今もちらちらと舞い落ちている綿のような雪は、いずれ世界を一面の白に染めるだろう。路上に人の行き来は絶えている。昨日、川向こうの花火大会を見届けた窓にぺたりと頬をくっつけ、あたしはその冷たさと静寂に、ひとつ震えた。"(伴名練『なめらかな世界と、その敵』 〇段落番号は私)

(ネタバレ注意)第一段落では複数の解釈が発生する。可能性が高いと考えられるのはどちらかが比喩である可能性だ。しかし第二段落で少なくとも比喩ではないだろうこと(つまりこれが超自然的な現象であること)が分かる。すると解釈の取りうる範囲が絞り込まれ、読者は異常気象などの要因を考える筈だ。すると解釈があまり多様でなくこの場で重要でもないと思われるような他の出来事は無視されるようになると考えられる。この文の後、主人公の教室には転校生がやってきて何か問題を抱えているようなしぐさを見せるが、そのとき読者の行っている推意のなかではその問題は日常の一部分にすぎず、現在解明されようとしている謎とは関係がないと思われるがゆえにそれほど印象に残らない。読者はその出来事をこれから謎を解明していくために筆者が立てた道具としか考えない。だからこそ物語をストレスなく読むことができる。

2.
"国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。"(川端康成『雪国』)

この文は一見1.で述べた考えと矛盾している。「国境の長いトンネルを抜ける」の主語が不明であるという点と「夜の底が白くなった。」の意味するところが不明な点とが多様な解釈を生んでいるがその答えは最後まで分からない。
1.の文章との違いは第一に解釈の幅が狭い点であり、第二にそのどれだったとしてもストーリーを理解するのには差し支えないと思われる点だ。
1.では複数の解釈があり、かつそれが少なくとも比喩ではないことが明かされる。つまり物語を理解するための重要な前提条件としてその謎が提示されている。読者の目を向けている対象たる謎が主人公ではなく世界観であるために、その他の出来事はせいぜい謎を解き明かすための道具としか認識されないし、どうでもいいこととして推測される。
2.「国境の長いトンネルを抜ける」の主語は汽車か乗客の主人公であると推測される。これは読者が読み進めるにあたっては問題ない表現だと言えるかもしれない。1.と違って世界の根幹に影響するような大規模な謎を提示しているとは考えにくい。どちらの解釈だったとしても主人公はその場にいると考えた方が自然だ。
「夜の底が白くなった。」も同様である。少なくとも「夜の底」として指示されているものの中に主人公は居ないと考えられる(もっとも関連性の高いものを挙げるとすれば、空とか地面とかの筈だ)し、また主人公は葉子という女性の素性を知りたがっているが、「夜の底が白くなった。」が何を指しているのか(つまり夜中に何かが光って見えたことをそう表現しているのかどうかなど)がそれに影響している確率は低い。さらに言えばこの文のすぐ後に闇の中明かりを下げてやってきた男の存在が、この比喩が単に情景を写したものである可能性を補強し、解釈を絞り込んでいる。読者が常識的に考える範囲では、物語の全体像をこの時点ではある程度推意することが可能だ。

1.と2.をまとめれば、次のようになる。
「謎は、推意される世界観が複数発生してしまう(解釈が多様である)ことにより発生する。」
「謎には序列があり、読者が重要だと思っている出来事に関する謎ほど読者の目に留まりやすく、読者はそれ以外の出来事に対しては無難な解釈をする。」
「謎を解決する過程でまたもう一つの謎が発生し、しかもその真偽によって最初の謎の答えが変わると考えられる場合、読者はストレスを感じる。」

加えて言うならば、テレビアニメの多くが場所のカットから始まるのは場所に対するヒントが十分でなければより序列の低い謎に対する注意が向きにくく、読者にストレスを与えることになるからだ。
また恋愛漫画の登場人物が素直に自分の感情を伝えたほうがいいと言われるのは、解釈をひとつにまとめることで「本当に愛しているのかどうか」という最大の謎を解決するためだ。

裏を返せばそれは、上記のような問題がない限りヒントは少なくて構わないということにもなるだろう。二次創作はしばしば原作にある矛盾を登場人物の恋愛感情等が原因であると解釈して行われたり、登場人物同士にあり得たかもしれない関係を想定することで行われたりするが、これらは推意の多様さを逆手に取り自分自身で視点を変革する行為でもあるだろう。解釈の多様さは生活を豊かにしてくれる。

以上を踏まえれば、下のような条件が考えられる。

"物語はその時点で序列の最も高いものから順番に、読者が求める答えに到達するまで謎を解いていくプロセスである。それがより序列の高い謎の答えに影響しないように見える限り、謎はいくつ置いてもよい。"

以上。
「序列」の高低や「読者が求める答え」がどのように決まるかということと、他に例外はあるのかということがまだよく分かっていなませnが、一応何かを真似るときの指針になるのではないかと思いました。

上記の回答(創作論の投稿の返信)

投稿者 t : 0

こんにちは
面白ければすべて正解になるのでこのやり方で間違ってるかどうかとかは、その時々で、自分にあったやり方を選べてるならそれで十分だと思います。読んでいて謎に注目してある点はとても良いと思いました。後はちょっと要領を得ないというか私にはあいませんでした、ごめんなさい。

なんだろうな、アニメって目をつぶってても音で内容が頭に入ってくるじゃないですか、音を消しても映像を通して今何をやってるか、それこそキャラが言いそうな台詞も浮かんできたりします。
でも小説は音も映像もないので、文章を読むという行為は能動的なんですね。
それで読ませるための方法として謎も使いますね、他にもたくさんあるんですが。

自分が読んでみて面白かった理由と、読んでいて面白くなかった時はつまらなかった理由を考えてみる。次からは視点と舞台はどうだったか、視点と舞台に範囲を広げてそれらの使い方について読んだページまででいいので、謎以外にも考えていくと、新しい発見があるかもしれませんね。何かの参考になれば幸いです。

カテゴリー : 創作論・評論 スレッド: 創作論の投稿

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元記事:三人称一元視点を書くコツと注意点

 先日、三人称一元視点についてとある作者様と話していました。
 しかし作者様には理解がしがたい説明になってしまったらしく、作者様を混乱させてしまったような気がします。
 良い機会なのでみなさんの意見を聞いて、偏っているところがあるなら、自分の認識を改めたいなと思い、スレを立てさせていただきました。

前提としてその作品は、
・作者は三人称一元視点だと思って書いている。
・しかし、読者からは作品は視点ブレが多いと指摘されている。
・少なくとも、シーンが切り替わると、前のキャラとは別のキャラクターに焦点があたり、そのキャラのことを描いてしまっていたりする。結果的に複数の視点から作品を構成してしまっている。
・描写も、三人称よりで、一人称のようではない。

 と私は思っています。

 で、私が認識している三人称一元視点というのは、

・カメラ位置としては、視点主がハンディカメラを持っているような視点になる。
・少し主人公と離れた位置から三人称を用いて主人公が知りえない状況、知らないことも書けたりする。
・しかし基本的には一人称と同じ表現にする。

 というものでした。

 相手方の三人称一元視点の主張は、

・地の文に語り部キャラクターの主観が入っていない。(作者の主観は入りうる)
・カメラは視点主のそばにいる。基本的には視点主の立ち位置から撮影し続けて、たまに視点主の内部に潜って心の声を録音し、また離れる……そんなイメージ。

→これは、たぶん「三人称一元視点」をググると最初に出てくるサイトからそのままコピペしてきたやつだと思うんですが、まあ、大体合っているのだと思います。
 主観、というのは、思い込みは書けない、ということなのかなと思います。
 嘘は書けない、みたいな?
 でも、主人公はこう思っている……というのは書けそうな気もしますが。
 また、カメラ位置はいわゆるゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじである、ということでしょう。

 でも、この考え方って落とし穴がある気がするんですよね。
 主人公とは別の存在なので、心情がいわば吾輩は猫であるの猫の視点から主人公を描くみたいな認識になりますよね。
 そうすると実質視点主とは別キャラクターの思考が存在することになります。
 これは読者からすればとても混乱するような気が、私はしました。

 気がするだけで、確信はないので、みなさんに突っ込んでもらおうかなと思った次第です。

 例えば、主人公がなにか食べ物を食べたとき、
「まずそうに食べた」という描写は、三人称ならありですが、一人称だとかなり違和感がある表現だと私は思いました。まずそうな表情をしている、という、客観描写ですよね。

「まずいと思った」、もしくは「まずい」と言い切っちゃっていいと私は思ったんですが、たしかに目玉おやじを通して描かれているならその主人公の表情を読みとって「まずそうな表情」と書いても問題ないような気はします。

しかし、それだと三人称一元視点のメリットが薄いし、場合によっては別のキャラクターの視点から描かれる神視点だと読者は勘違いしかねないのではないか、思いました。

 そこで質問です。

 みなさんは三人称一元視点を書くとき、意識していることはなんでしょうか。
 また、どうしたらうまく書けるようになるのか、上達方法などもあれば教えていただければ嬉しいです。

上記の回答(三人称一元視点を書くコツと注意点の返信)

投稿者 あまくさ : 1

極論すると、三人称には視点はありません。あるいは、視点はあってもなくてもどちらでもいい、と言った方が正確かも。

1)AとBは、レストランで向かい合って食事した。(視点なしに事実だけを書いている)

2)AとBは、レストランで向かい合って食事している。(視点を特定のキャラにおかず、空間のどこかに「カメラ」をおいている)

3)Aは、レストランでBと向かい合って食事している。(特定のキャラに視点をおいている)

要はこれだけのことです。

1と2は結果としてほぼ同じ文章になります。1は書き手が視点を意識せず、淡々と事実だけを書き連ねているということです。

3を採用する場合の主な目的は臨場感。
ストーリー的には、二人が会話しているということと会話の内容に意味があるわけですが、どうせならAの視点からBの表情を見て思惑を想像したり、店内の様子や空気感を見渡したり、会話の途中でドアが開いて別のキャラが入ってくるのが見えたりとか、そんなふうに書く方が読者は情景をイメージしやすいのではないか? ということです。

で、おわかりのように、こういう書き方をしたいならば普通は一人称を採用します。
しかし、この一場面だけのために一人称にしてしまうと、他の場面も一人称の制約を受けることになり、すこぶる窮屈です。他の場面の大半は三人称向きということもあるでしょう。

なので、ベースを三人称にしておいて、必要なときだけ3の書き方をするという手法があるわけです。繰り返しますが、三人称は視点を入れても入れなくてもいいのです。

   *   *   *

というわけなので、個人的にはベースは普通の三人称、必要なパートだけ一視点という書き方がいいんじゃないかと思います。
ただ、三人称一視点は読み味が一人称っぽくなるので、ルールもどきを逸脱すると違和感が生じるということはあるかもしれません。
そこは作者の感覚で匙加減すればよいと思いますが、すべてをセンスでコントロールするのは大変でしょうから、一視点でいくなら一視点で通した方が簡単、ということはあるかもしれません。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 三人称一元視点を書くコツと注意点

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