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タイトル:発達障害の小説の書き方の返信 投稿者: 大野知人

 まずアドバイスする前に。僕も若干その傾向があるのでわかるのですが、ASDなどの場合、周囲の環境や本人の性格により症状が様々です。
 なので、人からのアドバイスを試してみてしっくりこない時は、『自分には合わなかったんだな』と思ってすっぱり諦めて下さい。
 人のアドバイスを信じて、身に合わない方法を『いつか報われる』と思いながら続けるのが、多分一番堪えると思います。
 自主的に切り捨てが無理な場合、カレンダーなどに『この日までにうまくいかなかったら諦める!』とメモを取り、いつまでも惰性で続けずに見切りをつけるようにした方が良いです。

 ここからがアドバイス。何が質問者さんに合うかわからないので、いくつか書きます。設定や世界観のアイデアはある、って前提で書きます。

A:世界設定から、キャラの特徴を考え、その特徴に対して対照的になるような展開や脇役を出す。質問者さんの心のうちには、『俺の作った世界観は、こういう特徴があるんだ!』みたいなのがあると思います。そこに焦点を当てて、世界観に沿った/対照的なキャラを作り、その応用で物語を考えましょう。

 例。『超能力者は、能力の代償として嘘を吐けない』という設定があるとして。
 ①:この設定から要素を抜き出してキャラを作ってみる。『嘘を吐けないけど、それを利用して人を騙す超能力者』とか『手品で超能力者に見せかけているだけの、嘘吐きの詐欺師』とかね。
 ②:上で作ったキャラを活かす展開を考える。例えば『強い超能力者相手に、騙し打ちによるジャイアントキリングを挑む』みたいな展開にするとか。『嘘を吐けない超能力者の代わりに嘘を吐くことで、世渡りを助ける便利屋』みたいな話でも良いかもしれない。
 ③:大まかな展開が出来たら、今度はそういった主人公に対して対照的になるキャラを考える。これは味方でも敵でも良い。『超能力者で、主人公の卑怯さを知って叱責する(が気高いので弱者たる主人公はイジメない)真面目系ライバル』でも良いし、『毎回主人公に騙されて良い様に使われるのに、持ち前の幸運で何故か得をしている腐れ縁の友』みたいなのでも良い。
 ④:キャラが決まったら、各個人の趣味や目的を一回整理してみるといいでしょう。この段階で多少『こいつは何がしたいのか』みたいなのが見えてくると思うので、それをベースに細かい話を作りつつ、大筋に沿うように調整して行きましょう。

B:ラストシーンを決めてから、話の流れを作る。
 多分、質問者さんの持ってるアイデアの中には『強いけど扱い辛い必殺技』とか『部分的に弱点のある最強能力』みたいなものがあると思うんだけど。
 物語的にはそういうので話を決着させるのが定番な訳です。そこで、ラストシーンで『どうやって必殺技を決めるか』『どうやって最強の敵の隙を突くか』を考えて、逆算的に物語の流れを決める、って言うのが良いかもしれない。

 例。『地面から魔力を吸い取るので地面に立っていれば魔法が使い放題で、無敵のバリアや広範囲攻撃をバンバン撃って来るラスボス』を考えてみる。
 ①:当然だけど、倒し方としては『宙に浮かせる』しかない。けど、当然ラスボスも色んな対策をしている。
 ②:そこで、策を練ってみる。例えば『あらかじめ罠を仕込んだ場所で戦い、何らかの方法でラスボスを宙に浮かせて倒す』とか。
 ③:そうしたら今度はそのラスボスを倒す理由を考えてみる。妥当なとこだと、親の仇とか。
 ④:②と③で作った情報から、『執念深い、策士系の主人公』みたいな像が浮かんでくるから、それをベースにキャラを練る。
 ⑤:次に、『主人公の仲間達』を考えてみる。まあいなくてもいいんですが、強力なボスを倒す展開としては、力を合わせる仲間なり、人質になるヒロインなり、先に挑んで負ける噛ませ犬が居た方が良いでしょう。
   この『仲間達』はそれぞれラスボスと敵対する理由や、主人公の傍にいる理由があるはずです。恋愛感情でも、過去の因縁でも良いのでひねり出してください。
 ⑥:仲間達の輪郭が見えてきたら、主人公との絡みを考えます。ともにラスボスに挑むにしろ、仲間がやられて主人公が決心するにしろ、『仲間とのストーリー』はラスボスに挑む原動力になります。

C:重要アイテムやヒロインの設定から考えるというのもアリでしょう。少しわかりにくい言い回しをすると、『物語の最後に、主人公が手に入れるもの』を基準に物語を作るという事です。
 何かを失うだけ、あるいは作品開始時から何も変化ナシ、では物語としては起伏に欠けます。無論、『愉快な日常がただ続く』というギャグストーリーも出来ますが、これはそれ以外の話。
 勿論、得るものは『精神的成長』とか『忘れ得ぬ思い出』みたいな無形でも構いません。

 例。『一週間後に死んでしまうヒロイン(彼女を何とかして生き永らえさせるのが目的)』を考えてみます。
 ①:まず、ヒロインがなぜ死んでしまうのか、なぜ一週間後なのかを考えてみます。これは『そういう都市伝説に巻き込まれた』でも『ヒロインは犯罪者で処刑される』でもいいし、『実は彼女は死に戻りを繰り返していて、それを打ち明けられる』でも良いでしょう。
 ②:ヒロインの死因が決まったら、主人公がヒロインを助ける(目的物を手に入れる)理由を決めましょう。一目ぼれでも良いですし、『主人公は先祖代々ヒロイン(お嬢様)の執事である』とかでも良いでしょう。
 ③ヒロインを助ける理由が出来上がったら、そこに肉付けをしてみましょう。ホレた理由であったり、ヒロインとの思い出であったり。ここを掘り下げると、同時に主人公とヒロインの性格が見えてくると思います。
 ④上で輪郭を掴んだ主人公・ヒロインのキャラをベースにヒロインを助ける方法を考えます。例えば『不真面目だけど一途な主人公』×『処刑されるヒロイン』であれば国を裏切った大脱獄をしてもいいでしょう。『どこか陰があるが、恩を返したい執事』×『死に戻りを繰り返しているヒロイン(一週間後絶対死ぬ)』なら、あくどい手やえげつない手を使ってでもヒロインを救うようなストーリーも作れます。
 ⑤ヒロインの救い方が見えてきたら、そこをベースに主人公の協力者を探して行きます。脱獄するなら元凄腕暗殺者の死刑囚を味方につけてもいいし、謎の呪いで死ぬヒロインを救うなら胡散臭い占い師を登場させてもいい。
 ⑥メインキャラが揃って来たら、掛け合いや関係性を考えて物語を骨太にしていきましょう。

D:とりあえず適当にキャラだけ作る。
 なんて言われても困ると思いますが、ちょっと適当に『知ってるラノベのキャラ』をイメージしてください。性格とか、特殊能力とかについて大まかに書きだしてみるとわかるんですが、ラノベのキャラって意外と情報量少ないんですよ。
 ですので、逆に適当に4つずつくらい能力とか武器とか性格の情報を並べて、それぞれが結びつくように設定を盛ると、案外キャラになったりします。
 極論、アイデアノートに数字を振って、適当にサイコロを投げるだけでも構いません。それで出た目のアイデアを並べてみてください。
 『この能力と武器の組み合わせ、こういうコンボできるな』とか『この性格でこの能力だと、罪悪感で苦労してそうだな』とか『この性格でこの武器を選ぶのは似合わないから、なんか尊敬してる人の影響とかかな』みたいなのが出ると思います。
 そういう、細かい違和感や偶然の一致を見つけてそこからちょっとしたキャラストーリーを作ってみましょう。例えば『似合わない革ジャージを着ているが、かつて自分を庇って死んだ師匠の形見である』とか。
 なんとなく、キャラが見えてきませんか?

 こうやって作ったキャラの利点は『過去』と『目的』がおのずと決まるという事です。こういうキャラを5人くらい並べると『仲がよさそうな組み合わせ』『こいつら喧嘩しそう』『喧嘩じゃなくて殺し合うだろ』みたいなのが見えてくるので、それをベースに物語を作ってみる。とか。

それぞれ長くなりましたが、4つほど例を挙げてみました。何かの参考になれば幸いです。

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